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「司法修習」のお話~その1
弁護士になるためには~「司法修習」って聞いたことありますか?
皆さんこんにちは。静岡で弁護士をしている石川アトムです。
突然ですが、弁護士になるためにはどうしたら良いでしょうか。
多くの方が、司法試験に合格すること!!とお答えになると思います。
それでは、司法試験に合格すれば、すぐに弁護士として働くことができるのでしょうか。
答えは、Noです。
司法試験に合格した後、弁護士、裁判官、検察官になりたい人は、「司法修習」という研修を受けなければなりません。
司法試験合格者が司法修習を終え、司法修習の卒業試験に合格すれば、晴れて、弁護士、裁判官、検察官として働くことができるようになります。
司法修習は、コロナ禍のイレギュラーな年を除けば、基本的に毎年、決まった時期に行われています。
弁護士業界では(おそらく裁判官も検察官も同様だと思いますが)、「修習新63期の石川です」や「修習70期の○○です」などという自己紹介をすることがよくあります。
「修習新63期の~」というのは、司法修習を終了した年を基準として、「何期の卒業生です」というようなニュアンスです。
私は、修習新63期です。
最近弁護士になられた方から「修習75期の○○です」などと自己紹介されると、「自分もいつの間にか年を食ったもんだ」という気になります(笑)。
修習終了後10年目の会in熱海
今回のブログでは、一般の方には、あまり知られていない司法修習のことを少しだけご紹介します。
と言いますのも、今年は、修習新63期の司法修習終了後10年の会が開かれるからです。
具体的に何をするのかは全く知らないのですが、司法修習終了後10年の会は、該当する年の修習生の間で毎年行われている恒例の行事のようです。
司法修習を終了して10年、つまり、弁護士、裁判官、検察官といった実務に就いて10年の節目に、熱海で同級会をやるというものです。
私が実務に就いて10年の節目の年には、コロナの影響で、この同窓会が中止となりました。
てっきりもうやらないものかと思っていたのですが、実務について13年目の今年に開催されることになりました。
今は別の都道府県で働いている、当時一緒に司法修習を受けた友だちや、司法修習で大変お世話になった教官たち(大先輩の弁護士、裁判官、検察官ということになります)に会えるのをとても楽しみにしています。
「集合修習」とは
さて、司法修習の期間は、概ね1年1か月です。
その中で、司法修習生は、「導入修習」や「集合修習」と呼ばれる研修と、「実務修習」と呼ばれる研修の全てを受ける必要があります。
「導入修習」と「集合修習」は、司法試験の合格者が司法研修所という施設に集まって、座学で研修を受けるものです。
司法修習のスタート時に受けるものが「導入修習」、司法修習の終盤に受けるものが「集合修習」というイメージで良いと思います。
ただし、現在では、司法試験の合格者が大変多くなっています。
2022年の司法試験の合格者数は、約1400人でした。
そのため、導入修習や、集合修習については、1400人の修習生全てが同時に集まるのではなく、修習生を2グループに分け、時期をずらしながら修習を行っているようです。
「実務修習」とは
「実務修習」とは、修習生が日本全国のどこかの都道府県に配属され、その都道府県で約8か月間、弁護士、裁判官、検察官のもとで、実際の裁判や事件を通して勉強をしていくというものです。
たとえば、弁護修習の場合、弁護士と一緒に裁判所に出廷したり、依頼者と打合せをして裁判所に提出する書面を作成したり、警察署に留置されている被疑者と面会したりします。
裁判修習では、裁判官と一緒に法廷に臨んだり、今後訴訟をどのように進行させるか裁判官と議論をしたり、判決を下すとすればどういった内容の判決を出すかということについて判決書の案を作成したりします。
検察修習では、検察官と一緒に、被疑者に対する取調べを行ったり、ある事件について、当該被疑者に対してどのような処分が適当と考えるかを議論したりします。
検察修習の最後の方では、他の司法修習生とペアを組み、検察官は同じ部屋にいるものの、基本的に口を出さず、修習生だけで被疑者を取調べ、調書(被疑者が話した内容をパソコンで打った書類)を作成することもあるかもしれません。
ただし、このようにお話し実務修習の内容は、もう13年前になりますが、私が経験した静岡での実務修習の内容に基づくものです。
大都市圏での実務修習の内容は、上記のものとは異なっているかもしれません。
と言いますのも、静岡で受け入れている修習生は、1年あたり25人程度なのですが、先にお話ししたように、司法試験の合格者は1年あたり1400人を超えています。
具体的な数字は分からないのですが、東京や大阪といった大都市では、1年あたり何百人という修習生を受け入れているものと思われます。
そういった大都市の場合、何百人という修習生に見せられるだけの修習に適した内容の事件が無かったり、「修習生一人当たり~」という見地からしたときの指導側のマンパワーが、地方都市には及ばなかったりするようです。
そのため、地方都市では数件行うことができた検察修習での取調べについても、大都市では全く経験できなかったという修習生もいたという話を聞いたことがあります。
就職活動に関しては、大都市圏での修習が地理的に有利であると思いますが、修習生として実際に経験できる修習の内容という観点からすると、地方都市には大きな魅力があるのではないかと思います。
私は静岡で修習をさせていただき、大変良かったと思っていますし、おそらくこれから司法修習を受けられる司法試験合格者にとっても、静岡での司法修習は大変有意義なものになると思います。
司法試験合格者で、本ブログをお読みの方がもしいらっしゃれば、静岡での司法修習をお勧めいたします。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
7月になりました~また食料品が値上がりするようですね
恒例となってしまった食料品値上げのニュース
皆さん、こんにちは。
静岡で弁護士をしている石川アトムです。
今日から7月となり、当事務所も開設9か月目に入りました。
事務所開設の際には、皆様からお祝いにたくさんの蘭をいただきました。
その中には、第2弾の花を付けているものもあり、長いものでは8か月以上咲いている鉢もあります。


写真左の紫の蘭は大変お世話になっている顧問先様から頂戴した蘭で、写真右の白い蘭は、これまた大変お世話になっている義母から頂戴した蘭です。
どちらの蘭も、いただいてから8か月以上咲き続けています!!
蘭という花は、こんなに長く咲き続ける花もあるのかと驚いています(静岡法律事務所が増築をした際にも、たくさんの方からお祝いの蘭をいただきましたが、保ったのはせいぜい2か月だったような気がします)。
さて、毎月の月末あるいは月初には、食料品の値段が上がりますというニュースを見かけることが当たり前のようになってしまいました。
今月も一部の食パンを始め、生活に欠かせない食料品が多数値上げされます。
昨年は、バブル崩壊後類を見ない記録的な値上げラッシュの年と言われましたが、今月中には、昨年度の値上げ品目数を超えてしまうそうです。
我が家の食事作りは1週間交替の当番制
最近は、食料品が次々と値上げされていることを実感します。
それは、我が家では、私と妻が1週間交替で3食の食事を作っており、基本的に食事当番の者が買い物に出掛けるため、私も月に何回か食材を買っているからです。
我が家の食事当番は日曜日始まりで、今週は私、来週は妻、再来週は私、その次の週は妻といった具合です。
私の両親は共働きでしたが、実家の食卓に、お惣菜、既製品、冷凍食品が出てくることはまずありませんでした。
外食に行くこともほとんどなく、夕食は母の手作りでした。
そのような環境で育ったため、大学、大学院では当たり前のように自炊をしていました。
忙しくなければ、食事作り自体は苦ではありません。
他方で、食事作りは、特別楽しいというほどではありません。
自分にとっては、風呂に入ったり、歯を磨いたりするのと同じで、生きていくうえで必要な作業を行っているという感覚に近いと思います。
ただ、気分転換の一つにはなっていると思います。
大学院に進学することが決まったとき、食事を作りながら、司法試験の勉強が忙し過ぎて、食事を作る暇も無くなったら嫌だなぁと思ったことがありました。
妻と同棲、結婚後も、私が食事作りをしていましたが、長女が9か月になったころに、妻からの申し出だったと思いますが、食事作りを1週間交替にしてもらいました。
1週間交替になると、毎日作るということは考えられなくなってしまいますね。
やらなくて良くなると、作ってもらえるものならば作ってもらいたいと思うようになってしまいます(汗)。
私が食事当番の週は、前半3、4日、同じ副菜が出てきます。
主菜は、肉と魚を交互に、日替わりです。
しかし、副菜まで日替わりというのは、さすがに大変です。
そのため、副菜は日曜日に作り置きをしておいて、火曜か水曜あたりまで同じ物が出ます。
汁物が豚汁だと大量に作るので、これも3、4日同じ物が出ます。
子どもが大きくなったら、文句を言い出すかもしれません・・・。
主菜は日替わりなので、勘弁してもらいたいと思います。

写真は5月1日の夕飯です。
値上げラッシュの記事を書こうと思ってもう2か月も経ってしまったのですね(汗)
この日の夕食は、焼き鮭、にんじんしりしり、レンコンのきんぴら、ブロッコリーと生野菜、豚汁だったようです。
仕事から帰ってきて食事の時間までに食事を作るというのは、毎日やるとなるとなかなか大変です。
うちの母は、一時期、夕方食事を作りに戻り、また仕事に出るということをしていましたが、恐ろしいストレスと疲労が掛かっていたんだろうなと思います。
我が家の食費の目標は1月4万5000円でした
食料品値上げの話に戻りますが、最近は、本当に値上がりしないものは無いという感じがします。
恐ろしい早さで食料品の値段が上がっています。
私は、大学時代から家計簿を付けており、現在も家計簿をつけています。
6月までの我が家(というか私)の1月の食費の目標は4万5000円でした。
大人2人、未就学児2人という構成で、1か月の朝、昼、晩、3食分の食費です。
米とビールは、通常の買い物とは別ルートで入手しているので、4万5000円には入っていません。
また、月にあっても1回程度ですが、友だちと行く飲みや、弁護士絡みの懇親会の類いに掛かる費用は含まれていません。
過去の家計簿を見てみたところ、子どもが小さかったから、子どもが1人だったからという理由はあるかもしれませんが、令和3年のうちは1月あたり4万円程度でやりくりできていました。
しかし、令和4年春ころになると4万円では1月分の食費が賄えなくなり、目標値を4万5000円に上げました。
そこから1年ほどは何とか4万5000円でやっていたのですが、今後は1月4万5000円では無理なんじゃないかなぁと思っています。
今月で言えば、食パンの値上げは非常に痛いです。
3日で少なくとも2斤が消費されるので、1月20斤買うと思うと、食パン値上げの影響は小さくありません。
7月からは、1月の食費の目標を4万8000円程度にしようと思っていますが、来年の1月になったら、目標は5万円に到達しているかもしれません。
1年後には5万5000円になっているかもしれません。
先日、卵の値上がりが一段落しそうだという記事を読んだのですが、卵の値下がりを切に願います。
仕事上、自己破産の案件をよく扱っています。
コロナ禍で景気が極端に減速した時期でさえ、自己破産の申立てを検討される方が増えたという感覚はありませんでした。
しかし、毎月のように値上げが繰り返される状況下にあって、今後、物価の上昇に対応した給与の上昇が無いとすれば、自己破産を検討される方の人数は加速していくのではないかと思います。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
やってはいけない偏頗弁済(偏ぱ弁済)~その3 破産管財人による否認権行使
偏頗弁済を行ってしまった場合・・・
偏頗弁済とは、大まかに言うと、破産者が行った偏った弁済、不公平な弁済のことです。
これまでのコラムでは、偏頗弁済の概要と、偏頗弁済が免責不許可事由に該当するおそれがあることについてお話しました。
偏頗弁済に関する概要については、こちらのページをご覧ください。
偏頗弁済と免責不許可事由との関係に関する詳しいご説明については、こちらのページをご覧ください。
他方で、偏頗弁済が行われた場合、弁済を受けた債権者の側では、破産管財人から、破産者から受け取ったお金の返還を求められる可能性があります。
ここの会社にはお世話になってきたから支払いをしよう、親戚にだけは迷惑を掛けられないからこっそり返済してしまおう。
そういった弁済を受けた債権者は、後になって、破産管財人から、「受け取った物を返しなさい!」と言われてしまう可能性があります。
このような破産管財人の請求を「否認権の行使」などと言います。
今回のコラムでは、どのような場合に、債権者が、破産管財人から弁済金の返還を求められる(否認権を行使される)可能性があるのかについて、具体的にお話をしたいと思います。
なお、破産管財人に関する詳しいご説明は、こちらのページをご覧ください。
破産管財人の否認権の行使とは何ぞや
破産法第1条は、破産法の目的を、「債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との権利関係を適切に調整する」こと、「債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図る」こと、と定めています。
つまり、自己破産手続は、利害関係人の利害を適切に調整し、債務者の財産を適正かつ公平に清算することを目的としています。
自己破産手続が開始され、破産管財人が選任されると、破産者が持っていた財産の管理処分権は破産管財人に移行します。
反対に、自己破産手続が開始されるまでは、破産者の財産の管理処分権は破産者(債務者)自身に帰属しています。
そのため、破産手続が開始されるよりも前の時点であれば、破産者(債務者)が自分の財産をどのように処分しようと自由であるように思われます。
しかし、破産者は、自分の財産が不足しているために、借金などの本来支払わなければならない負債を支払うことができず、破産を申し立ています。
破産手続の開始決定前に、破産者(債務者)が自分の財産を無償で第三者に譲渡してしまったり、あるいは、自分の財産を特別安く売却してしまったり、財産が不足しているにもかかわらず、特定の債権者に対してだけ弁済をしたりすることが自由であるとすると、債権者が本来もらえるべきであった弁済金が減少したり、他の債権者との間に不公平を生じたりすることになります。
そこで、このような不当な結果、不公平な結果を是正すべく、破産管財人には、一定の要件のもと、破産者(債務者)や第三者が行った行為の効力を否定し、破産者の財産を本来あるべき状態に戻す、という権限が与えられています。
このような破産管財人の権限を否認権と言います。
どのような弁済が破産管財人による否認権行使の対象となるのか
それでは、破産者(債務者)が行った弁済は、どのような場合に否認権の行使の対象となるのでしょうか。
具体的な要件を見ていきましょう。
実は、破産管財人による否認権行使の対象となる行為には、多くの種類があります。
今回は、破産者が、既に存在している債務(借金)に関して担保を提供したり、弁済したりした行為について、否認権が行使される場合についてお話をしたいと思います。
以下、このコラムでは、既に存在している債務(借金)について担保を提供したり、弁済をしたりする行為を総称して、「弁済等」と呼ぶことにします。
否認権行使の対象となる偏頗弁済~パターン1
破産者による弁済等が否認権行使の対象となる場合には、大きく分けて2つのパターンがあります。
1つ目のパターンは、破産者が支払不能に陥った後、または、破産手続が申し立てられた後に破産者が弁済等をする場合です。
ただし、債権者が、弁済等が支払不能または支払停止になった後にされたものであることを知っていた場合、または、破産手続開始の申立てがあったことを知っていた場合に限り、否認権行使の対象となります。
支払不能、支払い停止に関する詳しいご説明は、こちらのページ(現在執筆中)をご覧ください。
なお、以下の場合には、弁済等を受けた債権者は、弁済等が支払不能及び支払停止になった後にされたものであること、または、破産手続の申立てがあった後にされたものであることを知っていたことが推定されます。
①破産者が法人であり、弁済等を受けた債権者が、破産者の理事、取締役などの地位にあった場合
②破産者が法人であり、弁済等を受けた債権者が、総株主の議決権の過半数を有する者等であった場合
③破産者が個人である場合、弁済等を受けた債権者が、破産者の親族または同居者である場合
④破産者による弁済等が破産者の義務に属しないか、その方法若しくは時期が破産者の義務に属しないものであった場合
否認権行使の対象となる偏頗弁済~パターン2
否認権行使の対象となる2つ目のパターンは、弁済等が破産者の義務に属しない場合(2つ目のパターンA)か、弁済等の時期が破産者の義務に属しないものです(2つ目のパターンB)。
ただし、弁済等を受けた債権者が、当該弁済等が、他の債権者を害するものであることを知らなかったときは、否認権行使の対象にはなりません。
2つ目のパターンでは、支払不能になる30日前からの弁済等が対象となっており、1つ目のパターンよりも、時期的な範囲が拡大されています。
弁済等が破産者の義務に属しない場合(2つ目のパターンA)とは、担保を提供する合意が無かったにもかかわらず、担保を提供した場合などをいいます。
弁済等の時期が破産者の義務に属しない場合(2つ目のパターンB)とは、端的に言えば、弁済期が到来していないのに支払いをしてしまった場合のことです。
なお、否認権行使の対象となる弁済等についての「破産者の義務に属しない」、「時期が破産者の義務に属しない」の意味については、基本的には、偏頗弁済が免責不許可事由に該当する場合と同様の意味です。
よろしければ、免責不許可事由に関して説明したこちらのページについてもご参照ください。
偏頗弁済をするとかえって債権者に迷惑がかかる場合があります
「この会社にはお世話になったから」、「親戚にだけは迷惑を掛けられないから」という理由で、一部の債権者についてだけ弁済をしてしまうと、後になって破産管財人から、債権者に連絡が行き、受け取ったものを返さなければならなくなることがあります。
ある日突然、破産管財人から連絡が来て、その対応に追われ、弁済されていたと思っていたものを返さなければならなくなるとすれば、そのような弁済は、債権者にとって、かえって迷惑になってしまうでしょう。
自己破産をすることを決めている場合には、意識的に特定の債権者に対してだけ返済をすることは控えるべきです。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
静岡高校と静岡県の弁護士
静岡高校のOB・OG会がありました
皆さん、こんにちは。静岡市で弁護士をしている石川アトムです。
令和5年5月8日から、コロナ感染症の感染症法上の分類が第5類となり、近時は、懇親会の類いが開催される機会も増えているのではないでしょうか。
一昨日のことですが、静岡県弁護士会に所属している静岡県立静岡高校(旧制静岡中学)のOB・OG会がありました。
そこで、今回は、静岡県弁護士会と静岡高校出身の弁護士について、お話ししたいと思います。
まず、なぜ一昨日、静岡高校のOB・OG会が開催されたのかといいますと、今年度の静岡県弁護士会の会長と静岡支部の幹事長が静岡高校のOB・OGであり、今回の会には、両名への激励の趣旨が含まれているためです。
ここで、静岡県弁護士会の組織構造について、非常に簡単ですが、説明しておきたいと思います。
静岡県弁護士会と各支部の話
皆様ご承知のとおり、静岡県は東西に長い県です。
他県出身の友だちからは、「東京から新幹線に乗ると、静岡に入ってから出るまで長い!!」とよく言われます。
静岡県では、地理的な位置付けを前提として、東部、中部、西部という括りを用いることがあります。
静岡県弁護士会においても、東部、中部、西部という括りを使っており、それぞれ、沼津支部、静岡支部、浜松支部と呼ばれています。
先ほど述べました静岡県弁護士会の会長というのは、3支部を含む静岡県全体の長であり、静岡支部の幹事長とは、静岡支部のトップという位置付けです。
今年は、静岡県弁護士会全体の長と、静岡支部のトップという重役を、それぞれ静岡高校出身の先生が担われています。
そのため、静岡高校出身の弁護士により、その激励会が行われたという次第です。
静岡県弁護士会と静岡高校
静岡高校と言えば、静岡県内でいくつか名前が挙がる進学校の一つであると言って差し支えないと思います。
ただ、静岡県弁護士会における静岡高校出身者は、かつては非常に少なかったようです。
なぜなら、静岡高校出身の弁護士は、東京等で就職してしまうことが多かったからだそうです。
私が弁護士になった翌々年の2012年、私が幹事を務めた静岡高校OB・OG会が開催されたのですが、その時点で、静岡高校出身の弁護士は20名ほどでした(そこからさらに5年遡ると、静岡高校出身の静岡県弁護士会所属の弁護士は15名を下回ります)。
しかし、一昨日のOB・OG会の案内には、34名の弁護士の名前が記載されており、ここ10年ほどで、静岡高校出身の静岡県弁護士会所属の弁護士は約1.5倍に増えています。
私が石川アトム法律事務所を設立する前に所属していた静岡法律事務所は、当時から静岡県の中で一番弁護士の人数が多い法律事務所でした。
しかし、私が静岡法律事務所に入所した時点で、私には8人の先輩弁護士がいましたが、その中に静岡高校出身者は一人もいませんでした。
その後、私を含め、立て続けに5名、静岡高校出身者が入所することになり、一時期、静岡高校出身者は、静岡法律事務所で一大勢力となっていました。
ただし、その「勢力」は、静岡高校が甲子園に出場する際に、共同で、「静岡高校出身の静岡法律事務所の弁護士」という趣旨の応援広告を新聞に掲載するくらいのことしかしておらず、事務所内では、何の権力も実力もありませんでした(笑)。
静岡高校出身者であることと弁護士としての仕事
静岡高校出身者であることにより何か仕事上利益があったかという話になりますと、記憶にある限り、そういった経験はありません。
何かのきっかけで、依頼者さんが静高の先輩だったという話になることがあるくらいでしょうか。
ただ、弁護士の間では、コロナ前までは定期的に静岡高校のOB・OG会が開かれていたこともあり、静岡高校出身の弁護士は、他の弁護士に比べて、よく顔を知っている、仲が良い、可愛がっていただいているという感覚があります。
以前、先輩弁護士から小説をいただいたというブログを書きましたが、その先輩弁護士も静岡高校出身者です。
また、たとえば、利益相反の関係で自分が受けられない事件があるときに、どの弁護士を紹介しようかと考える際に、静岡高校出身の後輩弁護士の顔が浮かぶこともあります(ただし、単に静岡高校出身だから紹介するということはなく、安心して紹介できる弁護士であるから紹介する、というのが大前提です)。
年度で言うと、ようやく6分の1が過ぎたところで、静岡県弁護士会、静岡支部の執行部の先生方におかれては、これからがまさに本番と言ったところではないかと思います。
私としても、微力ながら、お二人の静岡高校OB・OGの先生方のお力になれるよう、本年度を過ごして参りたいと思います。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
やってはいけない偏頗弁済(偏ぱ弁済)~その2 免責不許可事由との関係
偏頗弁済のリスク
別のコラムでお話したとおり、偏頗弁済とは、自己破産手続で問題となる偏った弁済、不公平な弁済のことをいいます。
偏頗弁済が行われた場合、弁済をした申立人・破産者との関係では、免責不許可事由に該当する可能性があります。
つまり、偏頗弁済をすると借金が0にならないおそれがあります。
また、弁済を受けた債権者との関係では、破産管財人によって債権者が受領した弁済金の返還を求められる可能性があります(このような場合を、破産管財人による「否認権の行使」といいます)。
今回のコラムでは、どのような弁済が、免責不許可事由としての「偏頗弁済」に該当するのかについて、具体的にお話をしたいと思います。
なお、破産管財人に関する詳しいご説明については、こちらのページをご覧ください。
また、否認権行使の対象となる偏頗弁済については、こちらのページ(現在執筆中・次々回掲載予定)をご覧ください。
免責不許可事由に該当する偏頗弁済とは、どのような弁済のことか?
偏頗弁済とは、冒頭で述べたとおり、自己破産手続で問題となる偏った弁済、不公平な弁済のことです。
しかし、全ての偏った弁済、不公平な弁済が免責不許可事由に該当するわけではありません。
また、免責不許可事由との関係では、「弁済」だけではなく、「担保」の提供も免責不許可事由に該当する可能性があります。
そこで、以下では、より正確性を期すために、「偏頗行為」という名称を用いることにします。
免責不許可事由に該当する「偏頗行為」は、①から③の全てを満たすものに限られます。
① 「当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、」
② 担保を提供したり、債務を消滅させたりする行為であり、
③ 「債務者の義務に属」しないもの、または「その方法若しくは時期が債務者の義務に属しないもの」
「特別の利益を与える目的」、「他の債権者を害する目的」で行われる偏頗行為
免責不許可事由としての偏頗行為は、当該債権者に「特別の利益を与える目的」で行われる場合に限られます。
「特別の利益」とは、他の債権者との公平性を害する偏った利益のことです。
また、「特別の」と評価されるだけの大きな利益を指します。
「特別の利益を与える『目的』」は、単にそのようなことを認識しているというだけでは足りません。
より積極的に、当該債権者に特別の利益を与えることを目指して弁済等をするという意識が必要だと解されています。
また、「他の債権者を害する目的」とは、破産手続における債権者の満足を積極的に低下させようとする害意がある場合をいうとされています。
たとえば、従前から不仲であった債権者がいて、その債権者への配当を減少させる目的で、他の一部の債権者に対してだけ弁済をしてしまうような場合が該当すると思われます。
担保を提供したり、債務を消滅させたりする行為
担保を提供する場合も、免責不許可事由としての偏頗行為に該当する場合があります。
ここで言う担保の提供には、保証人、連帯保証人といった人的な担保と、抵当権、質権といった物的な担保の両方が含まれます。
債務を消滅させる行為の典型は、弁済です。
単純な「弁済」だけではなく、本来の目的物に代えて他の物で弁済をする「代物弁済」も、免責不許可事由における偏頗行為の対象に含まれます。
代物弁済の具体例としては、1000万円の借入金に対して、現金ではなく、在庫商品を譲渡したり、不動産を譲渡したりして返済をすることが考えられます。
このほか、弁済期が到来していない相手方の債権と、こちらが相手方に対して持っている債権とを相殺するという合意をする場合も、免責不許可事由で問題となる偏頗行為に含まれます。
「債務者の義務に属」しないもの、または「その方法若しくは時期が債務者の義務に属しないもの」
まずは、弁済などの債務を消滅させる行為について考えてみましょう。
弁済などの債務を消滅させる行為について「時期が債務者の義務に属しないもの」とは、簡単に言えば、弁済期が到来していないのに、支払いをしてしまう場合です。
債権者Aへの弁済期が5月31日、債権者Bへの弁済期が5月15日であるとしましょう。
債権者Bへ払ってしまうと債権者Aへの支払いができなくなってしまう。
債権者Aにはお世話になったから債権者Aには支払いをしたい。
そうだ、5月14日に債権者Aへ支払いをしてしまおう。
このようなケースが「時期が債務者の義務に属しないもの」に該当すると考えられます。
債務の消滅行為について、「その方法」「が債務者の義務に属しないもの」に該当する場合というのは、少し想像が難しいのですが、たとえば、お金で支払いをするという約束だったものを、在庫商品を譲渡して弁済をするというような場合があり得ると思われます。
次に、担保の提供行為についてです。
担保の提供に関して「債務者の義務に属」しないものとは、担保を提供するという約束が無かったのに、担保を提供してしまう場合のことをいいます。
担保の提供が破産者の義務に属すると認められるためには、破産者と債権者との間に、担保を提供するという特約が存在する必要があります。
お金を借りている、買掛金があるというだけでは、当然に担保を提供する義務があるとは認められません。
定められた期間よりも前に担保を提供する場合は、「時期が債務者の義務に属しないもの」に該当すると考えられます。
また、連帯保証人を付けるという約束だったのに、不動産に抵当権を設定するといったような場合は、「その方法」「が債務者の義務に属しないもの」に該当すると言えるでしょう。
不公平な弁済をしてしまったと思ったら弁護士に事情を説明しましょう
これまでお話ししてきたように、不公平な弁済は、免責不許可事由に該当する可能性がありますが、全ての不公平な弁済が免責不許可事由に該当するわけではありません。
不公平な弁済はしないことが一番ですが、自己破産を申し立てるにあたって、特定の債権者にだけ迷惑を掛けないようにするために弁済をしてしまった、という心当たりがある場合には、速やかに弁護士に相談をしましょう。
そして、自己破産手続を申し立てる前に、そのような弁済が免責不許可事由に該当しないかどうか弁護士からアドバイスを受け、場合によっては、事後的な是正措置をとることが免責決定を得るうえで重要です。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
最近読んだ本~「優駿」
先輩弁護士からのプレゼント
こんにちは。静岡の弁護士の石川です。
今回は、私が最近読んだ本として、宮本輝さん作の小説、「優駿」を紹介します。

こちらの本は、私が大変お世話になっている先輩の弁護士からいただいたものです。
なぜ先輩がこの本をプレゼントしてくれたかというと、私が競馬好きであるからです。
私の競馬好きの話については、このブログの後半に書きます。
さて、この「優駿」という本は、一頭のサラブレッドと、そのサラブレッドを巡る人間の人生について書かれた本です。
この本で私が感じたことは、登場人物たちの不安と困難です。
常に不安、ずーっと不安。一つ困難を乗り越えても、また困難。
きっと、物語の続きも不安と困難。
人生は困難の連続で、ずっと不安。
それと対置される「祈り」。
その中での、希望や光。
そんな印象を受けました。
私がいただいたのは文庫本で、合計700ページを超える長編ですが、さらりと読めてしまう口当たりの良い文章です。
「優駿」の第一章が初公開されたのは、1982年ということで(私もまだ生まれていません)、グレード制が導入されていなかったり、ダービー出走の馬齢が4歳であったり、NHK杯がダービーのトライアルとして位置付けられていたりと、現在とは違う設定ではありますが、とても面白い本です。
競馬好きの方には、是非お薦めの一冊です。
私が競馬を始めたきっかけ
私が競馬好きであることは、静岡の弁護士の一部の間ではよく知られています。
私が競馬好きになったきっかけは、中学1年のころに買ったプレイステーションの「ダービースタリオン」でした。
当時、全く競馬を知らなかったのですが、育成系のゲームが好きであったことからダービースタリオンを始め、すぐに本物の競馬を見てみたくなりました。
当時は、今、ウマ娘で人気を博しているスペシャルウィークやサイレンススズカが現役で走っていた時代でした。
サイレンススズカ、グラスワンダー、エルコンドルパサーが出走した毎日王冠を実際に見に行きましたが、史上最高のGⅡレースと言っても過言ではないでしょう。
今でも私が一番好きな馬~オルフェーブル
あまり馬券は買いませんが、大人になってからも競馬のテレビ中継はほぼ毎週見ています。
子どもが生まれる前は、ときどき競馬場にも行っていました。
私が一番好きな馬はオルフェーブルです。
オルフェーブルが出たレースの中でも一番好きなレースは、負けてしまいましたが、阪神大賞典です。
あんなレース見たことないです。
これからもきっとあんなレースを見ることはないのだろうと思います。
でも、あのレースが、もっとも、暴れん坊将軍たるオルフェーブルらしいレースだったように思います。
オルフェーブルが1回目の凱旋門賞に負けたときは、本当にショック過ぎて、競馬を見るのが嫌になり、2、3か月競馬を見ない時期もありました。
サトノダイヤモンドと凱旋門賞
最近と言うほど最近でもないのですが、最近好きだった馬はサトノダイヤモンドです。
きさらぎ賞までの3戦の勝ちっぷりから、無敗の3冠を期待したのですが、現実はそううまくはいきませんね。
皐月賞、日本ダービーは、本当に残念でした。
サトノダイヤモンドが出走した日本ダービーは、指定席の抽選に当選するという幸運に恵まれ、現地で観戦していたのですが、本当に、わずかな差でした。
しかし、その後、菊花賞、有馬記念を連勝、天皇賞春は3着に敗れたものの、個人的に凱旋門賞への期待が高まっていました。
この年の初夏、私は離婚し、フリーな時間が大幅に増えたことと、若干の破れかぶれ感から、サトノダイヤモンドが出走する凱旋門賞を観戦しに行くことを決めました。
当時、このことを裁判官に言ったことがありましたが、「そんな道楽をして・・・」と言われました。
凱旋門賞でも、ツアー会社を通じて、追加料金3万円を支払って指定席をとりました。
しかし、凱旋門賞の指定席は、そこら辺の公園にあるベンチと同等の木製の長椅子で(下の写真の左下に移っている長椅子です)、最初その「指定席」を見たときは、何かの間違いじゃないかと思いました。

凱旋門賞当日は、シャンパンを飲んでいたところを世界的ニュース専門チャンネルCNNにキャプチャーされたり、話しかけてきた現地の若者に「いくら賭けたんだい?」と聞かれ、「7ユーロ(≒1000円)」と言ったら鼻で笑われたり、たくさんの日本の芸能人さんがいたりして、とても楽しかったです。

前哨戦のフォア賞の結果から、嫌な予感はしていたのですが、結果は大変残念でした。
近年でもっとも期待した凱旋門賞は、昨年のタイトルホルダーが出走した凱旋門賞でした。
昨年のタイトルホルダーの凱旋門賞を見た後も、しばらく競馬を見る気が無くなってしまったのですが、凱旋門賞ってどうなんでしょうね。
別の星の競馬のような感じがします。
日本馬に凱旋門賞を勝って欲しいという気持ちはもちろんありますが、凱旋門賞じゃなくてもいいんじゃないか、という気もしています。
とは言いつつ、私が見たときの凱旋門賞はシャンティイだったので、いつかはロンシャンの凱旋門賞を見に行きたいと思っています。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
静岡空港発の九州旅行2
静岡から吉野ヶ里遺跡へ
前回のブログでは、時系列に逆らって、熊本にいる同期の弁護士に会う話を先に紹介しました。
今回は、九州旅行の1日目と2日目についてお話します。
朝7時30分発の便で静岡空港から福岡空港へ。
静岡空港を離陸してしばらくすると、左側座席の窓から富士山を眺めることができます。
冬などの空気が澄んでいる時期に見たら、さぞかしきれいなことでしょう。

福岡空港近くでレンタカーを借り、まずは佐賀県の吉野ヶ里遺跡へ。
吉野ヶ里遺跡は小学生のころから教科書で聞いていた名前で、いつか行ってみたいと思っていました。

静岡にも同じ弥生時代の遺跡で、登呂遺跡という遺跡があります。
吉野ヶ里遺跡も静岡の登呂遺跡と同じくらいの所用時間を見ておけば良いだろうと思っていたら、とんでもない間違いでした。
歩いても歩いても、物見櫓にたどり着かない・・・。
それもそのはず、吉野ヶ里遺跡は横幅で言えば登呂遺跡の2倍、縦で言えば登呂遺跡の6倍!
全然規模が違いました・・・。


5年ほど前には、弁護士会の人権大会に青森県に行った際、三内丸山遺跡に行きました。
しかし、三内丸山遺跡と比べても、吉野ヶ里遺跡は3倍の長さがあるようです。
所要時間1時間くらいを見込んでいましたが、早足で歩いても2時間以上かかりました。
しかも、甕棺の発掘状況の展示までで断念し、上半分はほぼ端折っています。
広すぎる吉野ヶ里遺跡・・・。
吉野ヶ里遺跡では、甕棺の発掘状況が発掘当時の状況のまま保管されている展示がとても面白かったです。
吉野ヶ里遺跡には、ムラやクニの考え方があり、2000年以上も昔の時代から、位の上の人が住む地域と、位が下の人が住む地域が分かれていたそうです。
そのような昔から、既に貧富、階級の差があったことが、改めて考えてみると、新鮮かつとても大きな驚きでした。
平和公園と原爆資料館へ
吉野ヶ里遺跡に思いのほか時間がかかったため、昼食をとることを断念して車で長崎へ。
長崎1日目は、浦上天主堂、平和公園、原爆資料館。
浦上天主堂も、2日目の大浦天主堂も、ステンドグラスがとてもきれいでした。
建物内の写真を撮ることができず、残念です。
原爆資料館でもっとも印象的だったのは、入ってすぐの部屋で何カ所か写真のスライドを流していた箇所でした(後に同じ写真も展示されていました)。
その中の1枚に、母子が丸焼けになって亡くなっている写真がありました。
自分自身が小さな子どもを持ったためということが大きいのかもしれませんが、うちの子どもと変わらないくらいの年齢であろう子が焼け焦げて死んでいる写真はとても印象的でした。

夕方になり、レンタカーを返し、ようやく旅行初日の1食目。
一人で旅行をすると、食事はだいたいこんな感じになります。
長崎と言えば、ちゃんぽんです。
1日目の夕食は江山楼でいただきました。

2日目の昼食には、四海樓のちゃんぽんをいただいたのですが、私は、江山楼のちゃんぽんの方が好きでした。
スープがとてもおいしくて飲み干してしまいました。
その後、海沿いを歩いて、長崎駅へ。
長崎はとてもきれいな街でした。
他にあまり港町を知らないからかもしれませんが、静岡の清水に雰囲気が似ていると思いました。
長崎駅では、地酒をいただきました。
お土産コーナーには無く、とても残念だったのですが、杵の川の本醸造が思いのほか甘く(完全主観)、飲みやすくておいしかったです。
他に六十餘洲もいただきました。
ごちそうさまでした。

軍艦島と長崎観光
長崎2日目は、午前中に軍艦島へ。
長崎の港から45分ほど船に乗り、軍艦島へ向かいました。

現在は、限られた地点でしか見学ができないそうですが、それでも廃墟となった島の姿は、迫力がありました。

大正3年(1914年)に建てられたという日本最古の鉄筋コンクリート造の集合住宅(下の写真・右側の建物)は、ボロボロになりながらも、よく倒壊しないものだなと感心しました。
骨太なコンクリート柱が、イトーヨーカドー静岡店の立体駐車場を彷彿とさせました(笑)

午後は、四海樓でチャンポンを食べ、グラバー園、大浦天主堂、オランダ坂、出島をひたすら歩きました。
長崎は坂の街と聞いていましたが、なるほどその通りでした。
出島も、小学校の教科書にも載っている超有名スポットですが、午後は3、4時間歩きっぱなしで疲れてしまって、建物内まで見学する元気がありませんでした。
それでも長い橋を渡って、かつては島だった出島に入るときは、ここがあの出島かと感慨深いものがありました。

西九州新幹線と九州新幹線
長崎から、同期の弁護士がいる熊本までは、新幹線と電車を乗り継いで向かいました。
長崎駅から武雄温泉駅まで西九州新幹線かもめ。
武雄温泉駅から新鳥栖まで特急リレーつばめ。
新鳥栖から熊本駅までまで九州新幹線つばめ。
この3つの列車の中では、九州新幹線つばめが一番すてきな列車でした。
座席の背もたれが木でできていたり、ブラインドが竹でできていたり、「和」の雰囲気でした。
もう一度ゆっくり乗ってみたい新幹線です。


久しぶりの2泊3日の旅行でリフレッシュさせてもらいました。
連休明けも、一つ一つの業務に、迅速かつ適切に対応していきたいと思います。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
静岡空港発の九州旅行
静岡から九州へ
こんにちは。静岡の弁護士の石川です。
今回は最近した旅行について書かせてください。
妻が2泊3日で子どもたちと実家に帰るということで、旅行に行かせてもらいました。
もともと私は旅行が大好きでしたが、子どもたちが生まれてからはあまり旅行に行けていませんでした。
2泊3日の貴重なお休み。
せっかくなので今まで行ったことがない県にしようと思いました。
これまで行ったことがなかった県は、新潟、和歌山、福岡を除く九州。
今回はその中で、静岡空港から福岡空港に飛び、その後、佐賀、長崎、熊本の3県を巡ることにしました。
ネットでは、国内線はフライトの1時間前に空港に来てくださいと書かれていたので、フライトの1時間前に静岡空港に行ったのですが、まさかの閉鎖中。
便が少ないから、夜間は閉めているようでした・・・。

しかし、空港がオープンしてから搭乗口までは15分くらいで行けました。
静岡空港の国内線は大変スムーズです。
同期の弁護士と8年ぶりの再開
順序が逆ですが、先に熊本の話を。
熊本には、京大ロースクール時代の同級生で、司法修習も同期の(≒同じ年に司法試験に受かった)弁護士がいます。
彼は京大(学部)から京大(ロースクール)に進学し、自分は東北大(学部)から京大(ロースクール)に進学したのですが、ロースクール1年目の後期に、彼から、彼が所属していた勉強会に誘ってもらいました。
その勉強会では、週に1、2度集まって司法試験に向けた答案練習をし、相互に採点する(コメントを書く)などしていました。
自分がもともと参加していた勉強会は、訳あって1年目の夏休みに空中分解。
彼から誘ってもらって参加した勉強会には、自分を含めて6人が参加していました。
その6人は、見事全員が新司法試験に一発合格!
彼にその勉強会に誘ってもらえなければ、弁護士としての今の自分はいなかったかもしれません。
本当に彼には感謝しています。
今回、そんな彼と再会したのは、その勉強会に所属していた友だちの結婚式以来8年ぶり。
しかし、見た目も雰囲気も変わらず。
相変わらず裏表の無い、さわやかな彼で、とても楽しい時間を過ごすことができました。

お互い来年度には40歳になり、弁護士としては職歴は13年あります。
しかし、彼は若く見られるようで(実際、38歳で弁護士歴13年は、その意味では若いと思いますが)、時々お客さんから、司法試験に受かりたての弁護士だと思われるそうです。
「あるある」です。
私もまだまだ若いつもりで、弁護士としては「若手」のような感覚があるのですが、すでに「中堅」と言える時期に来ているのだなぁと時々思います。
弁護士としての仕事も15年の節目が近づいてきますが、お互い健康に気を付け、家族とともに、楽しい人生を過ごせればと思います。
破産事件における静岡地裁との運用の違い
彼とはお互いの子どもの話をしたり、今度彼が建てる家や自分が一昨年建てた家の話をしたり、仕事の話をしたりしました。
仕事に関しては、彼と自分とは扱っている業務が似ていました(破産管財、交通事故など)。
他の県の弁護士と話をする機会はあまり多く無いのですが、特に、破産管財事件について、静岡以外の他の裁判所の取扱いを聞ける機会は非常に貴重です。
静岡地裁のやり方との対比を含め、破産管財事件の進め方について話ができたことはとても有意義でした。
静岡地裁と熊本地裁とで、破産管財手続において一部取扱いが異なるものがあり、その中には破産手続における配当や弁済に影響が大きいものもあったため、取扱いに差異があるという話はとても面白かったです。
また、静岡では、温暖な気候のためか、全国的に見て訴訟における和解率が高いと言われています。
それに対して、熊本は、「肥後もっこす」のようで、一度訴訟を始めたら、お互いになかなか折れないそうです。
これもまた、興味深い話でした。
最終日は熊本観光
最終日は、彼に車を出してもらい、熊本観光をさせてもらいました。
熊本城と阿蘇周辺です。
熊本城は、本当に雄壮、重厚で、まさに鉄壁という雰囲気の見惚れるお城でした。
しかし、石垣が崩れるなどところどころに熊本地震の傷痕がありました。

また、阿蘇へ向かう際も、山々に土砂崩れの痕がありました。

熊本地震からは7年が経ちますが、まだまだ熊本は復興の途中であると思いました。
しかし、その一方で、修復された熊本城の堂々とした居住まいからは、熊本の方々の不屈の力強さを感じました。
熊本城は、やはり熊本の人たちにとって、とても大切なシンボルなのでしょう。

静岡でも、私が小学生だったころから大きな地震が来ると言われ続けています。
そのような大きな地震が来たとき、静岡は、立ち上がり、立ち直ることができるのだろうかということは時々頭をよぎります。
ただ今は、今できることをしておこうと思いました。
楽しかった熊本!!

熊本では、彼のおかげで大変楽しい時間を過ごすことができました。
彼から、今年、実務に入って10年目の会(コロナの影響で延期されていました)が、熱海で開かれるとの情報を得ました。
熊本から熱海に行くのはとても大変だと思いますが、熱海に来てくれたら、今度は静岡で歓待しますよ!!
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
絶対にしてはいけない偏頗弁済(偏ぱ弁済)
偏頗弁済(偏ぱ弁済)とは
皆さんは、偏頗弁済(偏ぱ弁済)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
非常に読みにくい漢字ですが、「へんぱべんさい」と読みます。
「偏頗」の「偏」という漢字は、送り仮名の「り」をつけて、「偏り」(かたより)と読みます。
「偏頗」の「頗」は、「かたよる・公平でない」という意味がある漢字のようです。
私も今回、このブログを書くにあたって「頗」の意味を調べて初めて知りました。
このように、偏頗弁済(偏ぱ弁済)とは、偏った弁済、不公平な弁済という意味です。
そして、偏頗弁済という言葉は、自己破産手続の中で行われた偏った弁済、不公平な弁済に対して使われる言葉です。
偏頗弁済が、どのように偏った弁済であるのか、どのような意味で不公平な弁済のことをいうのかと言うと、大まかに言えば、自己破産手続が開始されている場合に、破産手続が開始される前から持っていた財産で、一部の債権者に対してだけ弁済をすること、あるいは、自己破産手続の開始前に、一部の債権者に対してだけ弁済をしてしまっていたことを意味します。
「偏頗弁済」は、個人の自己破産手続においても、法人(会社)の自己破産手続においても、たびたび問題となる行為です。
例えば、個人の自己破産の場合、弁護士に自己破産手続を依頼している中で、お金を貸してくれていた親戚には迷惑は掛けられない、ということで、他の債権者には弁済をすることができない状況であるのに、こっそり親戚から借りたお金だけ返してしまうといったことが考えられます。
会社の自己破産の場合には、弁護士に自己破産手続を依頼している中で、他の債権者には全般的に支払いができないものの、長年良くしてもらった取引先に支払いをしないとその取引先も破産してしまう可能性があると思い、その取引先にだけ弁済をしてしまうといったことが考えられます。
破産者の多くは、親戚や取引先に迷惑を掛けたくないから、という気持ちで、偏頗弁済を行ってしまいます。
そのような弁済行為は、心情としては理解できるのですが、自己破産を申し立てた後、大きな問題となってしまうことがあります。
偏頗弁済は、なぜいけないのか?
一般的な語感からしても、偏った弁済、不公平な弁済が、推奨されないものであることはお察しいただけるかと思いますが、偏頗弁済がなぜいけないのか、ということについて、まずは、理屈の面からご説明いたします。
自己破産手続を申し立てるに際しては、破産法の規定に則って申立てをする必要があります。
そして、破産法第1条は、破産法の目的について、「債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との権利関係を適切に調整する」こと、「債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図る」こと、と定めています。
つまり、自己破産手続は、利害関係人の利害を適切に調整し、債務者の財産を適正かつ公平に清算することを目的としています。
そのため、利害関係人の利害を適切に調整したり、債務者(申立人・破産者)の財産を公平に分配したりすることに反するような偏頗弁済は、自己破産手続(破産法)の目的に反するため、問題になるのです。
偏頗弁済をすると、どうなるのか
偏頗弁済がされた場合、弁済を行った申立人・破産者側と、弁済を受けた債権者側の双方に対して、望ましくない効果が発生する可能性があります。
まずは、偏頗弁済をした場合、申立人・破産者との関係です。
偏頗弁済をした場合、弁済をした申立人・破産者の自己破産手続において、当該偏頗弁済は免責不許可事由に該当する可能性があります。
偏頗弁済をすると、免責を受けられない(借金が0にならない)可能性があるという重大な効果が発生するおそれがあります(免責不許可事由についての詳しいご説明は、こちらのページをご覧ください)。
ただし、全ての偏った弁済、不公平な弁済が免責不許可事由に該当するわけではありません。
詳しくは、こちらのページをご覧ください(現在執筆中・次々回掲載予定)。
次に、偏頗弁済を受けた場合、債権者との関係です。
偏頗弁済を受けた債権者は、弁済をした申立人・破産者の自己破産手続において選任された破産管財人から、申立人・破産者から受け取った弁済金を返還しなさい、と求められる可能性があります。
このような破産管財人の請求を「否認権の行使」といいます。
破産管財人に関する詳しいご説明はこちらのページをご覧ください。
ただし、破産管財人による「否認権の行使」も、全ての偏った弁済、不公平な弁済が対象となるわけではありません。
詳しくは、こちらのページをご覧ください(現在執筆中)。
偏頗弁済のまとめ
偏頗弁済が行われた場合、申立人・破産者との関係では、免責不許可事由に該当する可能性があり、弁済を受領した債権者においても、その返還を求められる可能性があります。
特に、破産者においては、免責不許可事由に該当するような偏頗弁済を行ってしまった場合、借金が0にならない可能性があります。
偏頗弁済は、申立人・破産者が、義理や人情などから、良かれと思って行うことが多いのですが、そのために非常に大きなしっぺ返しを受けてしまう可能性があります。
このような偏頗弁済は、絶対にしてはいけません。
仮に自己破産手続を弁護士に相談した時点で、既に不公平な弁済をしてしまっている場合には、弁護士に対して不公平な弁済をしてしまった事実をしっかりと話しておくべきです。
そして、自己破産を申し立てる前に、不公平な弁済に関して、できる限りの是正措置を行っておくべきです(弁護士とともに、債権者に事情を話し、弁済金の返還を求めることが考えられます)。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
とても大事な自己破産と免責不許可事由の話3~「虚偽の説明」など
「免責不許可事由」が存在することによるデメリット
自己破産を申し立てる最大の目的は、破産の申立時までに負っていた借金を0にすることです。
借金を0にしてもらうことを裁判所に認めてもらうことを「免責」、「免責許可」、「免責決定」などと言います。
免責不許可事由とは、破産法で規定されている免責が認められない事由のことです。
免責不許可事由が存在すると、自己破産を申し立てても、借金が0にならない可能性があります。
つまり、免責不許事由の最大のデメリットは、破産を申し立てても、借金が無くならない可能性があるということです。
また、免責不許可事由が存在する場合、破産管財人が選任される可能性があり、そのために自己破産を申し立てるために必要となる費用が増えてしまう可能性もあります。
静岡地裁の場合、少なくとも20万円程度の予納金が必要となる場合が多いと考えられます。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
このように、免責不許可事由があるかどうかということは、自己破産の申立てに大きな影響を及ぼします。
今回の記事は、そのような免責不許可事由の具体的内容を紹介する第3弾です。
どのような場合が免責不許可事由にあたるのか?~その4 虚偽の説明
前回の記事では、2つの免責不許可事由を紹介しました。
1つは、申立人が前回免責を得てから7年以内にもう一度自己破産(免責)を申し立てるという場合です。
詳しいご説明は、こちらのページをご覧ください。
もう1つは、浪費や賭博などにより借金をしてしまったという場合です。
免責不許可事由としての「浪費」や「賭博」に関する詳しいご説明は、こちらのページをご覧ください。
浪費や賭博によって借金を作り、自己破産まで至ってしまった場合、もしかすると、そのような人の中には、裁判所から、自己破産に至った原因について調査があった際、免責を得られないことを心配して、「借金をした理由については黙っておこう。」と思う人がいるかもしれません。
また、「借金は生活費が足りなかったことにしておこう。」と考え、浪費や賭博とは別の理由により、借金をしたと説明をしようと考える人もいるかもしれません。
しかし、破産法においては、「破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと」は、免責不許可事由に該当するとされています。
「虚偽の説明」とは、わざと事実と異なる説明をする場合だけでなく、当然説明すべき事項について積極的に説明しないことも含まれると解釈されています。
裁判所が行う調査の中には、破産者の財産や破産者が負った借金に関する事項、破産の申立てに至った経緯など、破産手続全般に及びます。
また、裁判所は、破産手続開始の原因となる事実については、裁判所書記官を通じて調査をすることもあります。
免責が認められなかった裁判例~賭博が原因で借金をしたことを説明しなかったケース
自己破産に関する裁判例の中には、破産申立てに至った経緯や理由の中に、賭博によって多額の借金をした事実があったにも関わらず、これを隠して、「ギャンブルは全くやらない」旨の虚偽の報告書を裁判所に提出したことが虚偽の陳述に当たるなどとして、免責が認められなかったケースもあります。
このように、浪費や賭博があり、そのために大きな借金をしてしまった場合や、浪費や賭博のために財産を消費して、そのために借金をしたり、借金が返せなくなってしまったりしたという事情がある場合には、裁判所に対して、そのことをきちんと説明する必要があります(説明しない場合、免責されない可能性があります)。
そのため、自己破産の申立てをする準備の段階から、申立てを依頼する弁護士に対して、借金をしてしまった理由を正直にお話しすることは、とても大切です。
なお、一般的な感覚からして、浪費や賭博に当たる行為があったと考えられる場合でも、必ずしも、自己破産の免責不許可事由としての「浪費」や「賭博」に該当するとは限りません。
どのような場合に免責不許可事由としての「浪費」や「賭博」に該当してしまうのかについては、こちらのページをご覧ください。
破産管財人による調査にも協力しましょう
破産手続開始決定後、裁判所によって、破産管財人という申立てを依頼した弁護士とは別の弁護士が選任されることがあります(破産管財人に関する詳しいご説明は、こちらのページをご覧ください)。
裁判所は、破産管財人を通じて、調査を行うこともできます。
そのため、破産管財人が行う調査に対して、あえて虚偽の説明をしたり、説明すべき事由に対して自ら積極的に説明しなかったりした場合も、免責不許可事由に該当する可能性があります。
破産管財人から説明を求められた場合にも、きちんと対応することが大切です。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
