司法修習のお話 ~その5 静岡での弁護修習①

刑事裁判修習を終えて弁護修習へ

皆さんこんにちは。弁護士の石川です。

これまで、弁護士になるために必要な「司法修習」について何度かコラムを書いてきました。

当時私が受けていた司法修習では、「実務修習」と「集合修習」がありました。

このうち「実務修習」は、全国各地に配属されて、現役の弁護士、裁判官、検察官に指導の下、実際の事件を見ながら、研修を行うというものです(司法修習全般については、こちらのページに詳しいご説明がございます)。

静岡だけでなく、それなりの規模を有する他県でも同様だと思うのですが、一つの修習地に配属された修習生は、いくつかの班に分けられます。

以前お話しましたように、実務修習には、裁判(民事・刑事)、検察、弁護という分野がありますが、4つの分野の実務修習を受ける順番は、班によって異なっていました。

私の場合、刑事裁判→弁護→民事裁判→検察という順番でした。

前回のコラムでは、刑事裁判修習での思い出をご紹介しました(後半はほとんどレーズンパンの話でしたが)。

今回のコラムでは、弁護修習での思い出をご紹介したいと思います。

「静岡修習」での弁護修習が、「静岡市修習」あるいは「静岡支部修習」でなかったことは、別の記事でご紹介しましたが、私は2か月間、沼津市にある法律事務所と三島市にある法律事務所で、それぞれ弁護士の先生に付いて弁護修習を行いました。

弁護修習でのお昼ご飯

前回のコラムをご覧の方は、「また飯の話か!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

修習生も弁護士と同様の守秘義務を負っており、弁護修習についても、当たり障りの無いことしか書くことができないため、何卒ご容赦ください。

私が14年前に弁護修習でお世話になった法律事務所には、当時、4人の弁護士の先生がいらっしゃいました。

事務所の創設者の大先生、私の主任担当の先生、主任担当とほぼ同期の先生、それから弁護士になられたばかりの先生という構成でした。

私も弁護士の仕事をしておりまして、最近特に実感しますのが、時間は誰にでも平等ですが、本当に貴重なものだということです。

この5分があれば、電話1本かけられる。

この10分があれば、軽い連絡文書を作成することができる。

60分あれば、短めの書面を作成できる。

時間は本当に貴重です。

指導担当の先生は、現在の私とは比べものにならないほど、ものすごくお忙しかったはずですが、よくお昼ご飯を食べに連れて行っていただきました。

沼津、三島には、美味しいものが本当にたくさんありました。

中でも、私の一番は、超有名店ですが、うなぎの桜家さんです

(桜家さんのホームページはこちらです)。

平日でも開店前から行列ができる超人気店ですが、三島に法律相談に行った際、連れて行っていただきました。

このときも開店前にお店に着き、開店と同時に(厳密には若干待って)入店したという記憶です。

当時は、ただただ美味しくてガツガツ食べてしまったのですが、もっと味わって食べれば良かったです。

4年ほど前に、人生二度目、桜家さんの鰻をいただきました。

このときは「上」をいただいたのですが、生まれて初めてうなぎでお腹がいっぱいになりました。

私が申し上げるまでもなく、非常に美味しいうなぎ屋さんですので、三島にご用事があり、時間に余裕がある方は、ぜひ桜家さんのうなぎをご賞味いただきたいと思います。

また、私が修習をさせていただいた事務所では、私が修習をしていた期間だけかもしれませんが、よく出前を取られていました。

その出前は、千楽さんという沼津でも有名な洋食屋さんでした。

(千楽さんに関する食べログさんへのリンクは、こちらです)

主任担当の先生は上カツライス、私はカツ丼をいただいておりました。

いずれもボリューム満点!

色々なホームページを拝見しましたが、千楽さんでは、カツハヤシが有名なようですね。

最近はほとんどウェブ会議で裁判をしていますので、裁判所に行く機会自体が減っているのですが、今度沼津支部で裁判があったときには、千楽さんでカツハヤシを食べたいと思います。

弁護修習においてどのようなお昼ご飯を食べられるのか、ということは、まさに担当の弁護士先生の裁量によるところですが、私は、美味しいものを本当にたくさんいただくことができました。

司法修習前は、弁護士も裁判官も、生活ぶりはだいたい一緒なのだろうと思っていたのですが、こんなにも違うものなのか、というのを実感したのが、お昼ご飯でした。

地方の弁護士会は(今もそうだと良いのですが)、修習生を歓迎する風土があると思います。

私としては、本当にありがたくおもてなしをしていだいたと思います。

「僕にお返しをしなくていいから、後輩ができたときにおごってあげなさい。」というのは、某先輩弁護士にご馳走になったときに言われたことです。

私も後輩の弁護士や修習生に、先輩の弁護士からいただいた分を渡していきたいと思っていますが、その後輩の弁護士や修習生が、さらに後輩の弁護士や修習生にバトンを渡していただくことができれば、私にとってこれに勝る「お返し」はありません。

弁護士業界(特に、地方の)には、後輩弁護士や修習生にバトンを引き継いでいく風土が強いようにも思います。

ホッとする弁護士~主任担当弁護士の法律相談

2か月の弁護修習の中でたくさんのことを勉強させていただきましたが、真似しようと思っても真似できないなと思ったことは、主任担当弁護士の法律相談での雰囲気でした。

一般の方が弁護士と関わる機会は少ないと思います。

そのため、一回の法律相談で、相談に乗ってもらったA弁護士=スタンダードな弁護士というような受け止めをされる方も少なくないかもしれません。

ただ、弁護士も人間でして、当然のことながら、弁護士にも色々なタイプの弁護士がいます。

明るく朗らかな弁護士もいれば、威厳のあるオーラをまとった弁護士もいるでしょう。

会っただけでホッとする弁護士もいれば、相談するだけで萎縮してしまう弁護士もいるかもしれません。

よくしゃべる弁護士もいれば、寡黙な弁護士もいます。

私の主任担当だった弁護士は、明るく朗らか×会っただけでホッとするタイプだったように思います。

それは、先生のお人柄から来るもので、真似ようと思って真似できるものではありません。

また、そのような雰囲気は、多年の経験値から来る、ある種の「余裕」にも基づいているのかもしれません。

私もそんな弁護士になれたらいいな、と修習生だった当時思っていました。

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