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独立開業して4年経ち、独立の準備について改めて考えてみました ~その2

2026-10-09

スキャナーは必須

前回のブログに引き続き、今回のブログも独立を検討されている弁護士または修習生へのアドバイス的なものとなっています。

前回同様、本ブログでの「独立」は、地方都市を前提としたもので、おそらく大都市圏のそれとは全く事情が異なると思いますので、その前提でお読みください。

前回のブログで、コピー機は不要と申し上げましたが、他方で、書類をPDF化する必要性は今後ますます高まってくると思われます。

うちの事務所で使っているMFC-J6999は、A3スキャンに対応しており(もちろん印刷にも対応しており)、大変重宝していますが、A4以下の書類は、ScanSnap(IX1600)で流してスキャンしています。

こちらは、独立前に、大量の記録をPDF化した後廃棄処分しようと思い、購入したのですが、現在も大変重宝しています。

他方で、独立後2年ほどして、A3対応のスキャナーを約20万円で購入しました。

MFC-J6999もA3スキャンはできますが、少し時間がかかるため購入したものです。

確かに新しく購入したスキャナーは、MFC-J6999よりもスキャン時間は短いのですが、有線でしか接続できないというデメリットが大きく、現在ほとんど使われていない状態です(涙)

A4以下の書類をある程度のスピードで流せるスキャナーは必需品であり、それとA3をスキャンできる複合機プリンターがあれば十分です。

新しく購入したA3のスキャナーはもったいなかったなと思っています。

つい最近ようやく16年分の事件記録のデータ化が完了しました。

通常の事件処理をしながらのデータ化で、データ化を思い立ってから4年半ほどかかりました。

ビジネスホンは必要か?

私が独立をするにあたって少し悩んだのは、ビジネスホンを入れるかどうかということでした。

独立前の事務所は弁護士が13名(当時)おり、事務局も同程度いて、当然のようにビジネスホンが導入され、内線がありました。

しかし、現在一人弁護士、一人事務員でやっていますが、この数であれば、ビジネスホンは不要です。

現在、うちの事務所では、家庭用電話機の親機が1台、子機が3台あります。

子機は、執務机、相談机、予備的なもの1台、という感じで使っています(親機は事務員さんが使用しています)。

回線も1回線ですが、現時点で不自由はありません。

うちの事務所では、弁護士と事務員でそれぞれ1台ずつ業務用の携帯電話を持っていますが、携帯から掛けるときは通話料0円だというメリットもあり、事務員さんが固定電話を使っているとき、裁判所などであれば、携帯電話から掛けることもあります。

他方で、ちょっと失敗だったと思うのが、当事務所の固定電話です。

事務所の固定電話は光電話で、私のプライベートの携帯電話と紐付いた契約となっています。

使用開始後に知ったのですが、プライベートの携帯電話のキャリアを変えると、今使っている事務所の固定電話の契約も終了となってしまうようで、電波の関係でちょっと不便だと思いつつ、プライベートの携帯電話のキャリアを変更することができずにいます。

事務所用の携帯の方で、光電話の契約をすれば良かったと後悔しています。

FAXは必要か?

これも前回のコピー機は必要か?という議論と重なるところがありますが、私は不要だと思っています。

独立前の事務所では、コピー機(複合機)にFAX機能が付いていて、紙でFAXを受け取っていました。

しかし、FAXでは結構な頻度でDMが来たり、あまり必要性の高くないお知らせも来たりするため、それらを毎度印刷していると、結構な紙の無駄遣いとなります。

そのため私はインターネットFAXを使っています。

紙で見たいと思うものがあれば、そのときだけ印刷できますし、FAXはPDFデータで来ますので、必要なものはPDFとして保管しておくことも可能です。

現在の弁護士業務において、紙のFAXは不要だと思います。

なお、私が修習生だったころ(17年前)、私の指導担当の弁護士は既にインターネットFAX的なものを導入されていて、非常に先見の明があったなぁと感服しています。

分からないことが不安

大きな設備で言うと、だいたいこのあたりでしょうか。

私が独立した際に、先に独立した後輩弁護士から独立に関する書籍をお借りしました。

その書籍の中に、独立することを不安だと思う理由は、分からないことが不安だからだ、という趣旨のことが書いてありました。

誠にそのとおりだと思いました。

本ブログは、決して独立を薦める趣旨で作成したものではありませんが、本ブログをお読みいただいて、独立を検討していらっしゃる方にとって分からないことが少しでも減ることになれば幸いです。

独立開業して4年経ち、独立の準備について改めて考えてみました ~その1

2026-09-30

石川アトム法律事務所はまもなく開所満4年となります

令和8年11月1日をもちまして、石川アトム法律事務所は開所満4年となります。

本日まで無事執務を続けられていますのも、依頼者の皆様、顧問先企業の皆様のお陰であり、この場をお借りし、深く感謝申し上げます。

今後ともよろしくお願いいたします。

さて、今回のブログでは、今後独立することを検討されている弁護士の先生方、修習生の皆様への参考となればと思い、独立開業から4年経った今、改めて独立のための準備等について考えてみました。

なお、本ブログでの「独立」は、地方都市を前提としたもので、大都市圏のそれとは全く事情が異なると思いますので、その前提でお読みください。

事務所をどこに開設すべきか?

独立するにあたっては、まずもってどこで事務所を開くのかを考えなければならないと思います。

立地、広さ、家賃、物件の状態などを考慮して物件を探すことになると思います。

私は事務所を大きくする気は無く、最初に借りたところにずっといるつもりでしたので、建物の築年数も重視しました。

最終的に決めた現在の事務所は74平方メートルで、静岡市内の一人弁護士の事務所としてはかなり大きい方だと思います。

もう一人くらいは余裕で入れます。

独立するなら開放感のある事務所にしたい(閉塞感がある場所で仕事をすると、気が滅入ってしまいそうです)と思っており、20件ほど内覧しましたが、最大の決め手は、現在の事務所が、天井が高く、明るく、せいせいした部屋であったことです。

今振り返ってみて、物件探しにおいて考慮すべき地理的ポイントは、市役所、法務局からの距離、メインバンクからの距離でしょうか。

裁判所からの距離は、Teams全盛の今となっては、考慮する必要はないと思います。

一般民事、家事を広く扱う地方の法律事務所では、戸籍、住民票の取得や、不動産登記簿の取得は割合多くありますし、振込み等の関係でよく使う銀行の支店が近い方が、裁判所が近いことよりも執務上利益が大きいと思います。

なお、私は、銀行の支店が近いということも今の事務所の利点として考慮していたのですが、開所後まもなく当該支店は閉鎖されてしまいました(涙)。

事前にその情報を入手していたら、物件選びに多少影響が出たかもしれません(結論が変わらない可能性の方が高いと思いますが)。

物件の近くにある銀行のウェブサイト(支店が閉鎖、統合されることは予定されていないか)は、チェックしておいて損は無いと思います。

専用の駐車場は必要か?

私の事務所は、JR東海道線とローカル線である静岡鉄道の駅からともに徒歩5分程度の距離にあります。

私自身は基本的には自転車で事務所に来ます。

車で事務所に来ることはほとんどありません。

このような通勤形態を前提として、私が借りた物件(今の事務所)には、専用の駐車場がありません。

依頼者の方にはご不便をお掛けすることもあるかと思いますが、ご希望があれば、事務所の近辺にあるコインパーキングをご案内し、駐車券を差し上げています。

地方都市と言っても色々あると思いますが、これまで駐車場が無いことを理由として受任の機会を逃したり、大きなご不便をお掛けしたりしたことは無かったと思います。

駐車場は無いなら無いで何とかなるという感じがします。

また、物件そのものには付いていなくても、近場で駐車場を借りるという手もあると思います。

コピー機は導入すべきか?

独立後の事務所に導入すべきかどうか私が若干考慮した設備はコピー機でした。

オフィスにはコピー機が付きものだと思いますが、私は、ブラザーさんのMFC-J6999という複合機プリンターを買い、リース等でコピー機を導入することはしませんでした。

理由は、リース料等のランニングコストをカットするためです。

結論から言って、MFC-J6999で十分だったと思います(私より若干早く独立された先生も同じプリンターを使っていらっしゃいました)。

特に今後はmintsの利用がメインになると思いますし、弁護士が何かを紙で見る、あるいは紙で提出するという機会は乏しくなっていくと思います(もちろん0にはなりませんが)。

独立前の事務所にあったコピー機よりも印刷の速度は落ちますが、4年間使っていて不便を感じたことはあまりありません。

毎月のリース料を削減してくれ、非常に安価な金額で印刷してくれるMFC-J6999には大変助けられています。

個人再生手続について ~その7 個人再生委員の話2

2026-09-21

個人再生委員が選任されるのは提出された再生計画の履行可能性に疑問があるため

皆様こんにちは。静岡で弁護士をしている石川アトムと申します。

今回は、前回のブログ後半に引き続き、個人再生委員のお話です。

前回のブログでお話ししたように、個人再生委員とは、裁判所が選任する弁護士のことで、再生債務者(申立人)が履行可能な再生計画を作成できるよう、再生債務者をサポートする等の役割を担っています。

個人再生手続は、今ある負債を圧縮し、圧縮された負債を3年から5年かけて、分割で支払っていくという手続です。

「再生計画」とは、今ある負債をこれだけ圧縮し、それを例えば、5年間で、3か月に1回ずついくら支払っていきますよ、ということを記載して裁判所に提出する、負債の返済計画書のことです。

私は10年以上前から、裁判所の選任のもと、年に1件程度個人再生委員として、個人再生手続に関与しています。

前回のブログでお話ししたように、個人再生委員が選任されるケースとして一番多いと考えられるのは、申立人が裁判所に提出した書類から、裁判所が、再生計画を履行できるとは考えられない、あるいは、履行できるか怪しい、と考えているケースです。

このようなケースでは、個人再生委員は、提出された再生計画が履行できそうなのか、できなそうなのかを検討し、履行できなそうだと判断した場合には、どのように再生計画等を変更すれば履行が可能になると考えられるのかを検討します。

個人再生委員として見る一番のポイント~「家計収支表」がマイナスになってしまう場合

個人再生委員として選任された場合はもちろん、個人再生手続を申し立てる場合にも、私が一番大切だと思っている書類は、家計の収支表(静岡地方裁判所の書式では「家計全体の状況」というタイトルの書類です。以下「家計収支表」と呼びます)、つまり、1月単位の家計の収入と支出の状況をまとめた書類です。

別のブログにも書きましたが、静岡地方裁判所に個人再生手続を申し立てる場合、3か月分の家計収支表を提出する必要があります。

3か月分の家計収支表を見て、住宅ローン以外の今ある負債の返済を0円と仮定し、他方で、再生計画案で示された返済金額を1月単位に組み直した場合の金額を計上し、それでも収支がプラスになるのかを検討します。

この検討にあたっては、特に支出についてですが、提出されている通帳の履歴と収支表を照らし合わせ、通帳の出金記録から確認できる支出がもれなく家計収支表に記載されているかどうか確認します。

計上漏れの支出がある場合には、当該支出を加算したうえで、なお収支がプラスになるのかを検討することになります。

個人再生委員として選任されるケースの半分程度は、この検討をした場合に、収支がマイナスになってしまうというものだと思います。

家計収支表がマイナスになってしまう場合、返済期間を3年から4年、あるいは3年から5年へ延長できないかを検討します。

5年に延長してもマイナスになってしまう場合には、支出を削っていくしかありません。

収入を増やすことを検討するというのは現実的ではないように思います。

最も手っ取り早く、効果的な方法は、携帯電話のプランを変えることです。

この方法により1月あたり数千円の支出をカットできることがあります。

次に検討したいのは、水の宅配便や、使用頻度の低いサブスクです。

必要性が高くない支出を可能な限り削ることを検討します。

「家計収支表」がプラスであっても個人再生委員が選任されるケース

個人再生委員として選任されるケースの残り半分は、家計収支表上、再生計画が履行可能な数字が現れているものの、その数字が信用できるのか、というケースであると思われます。

たとえば、申立人(再生債務者)が現在と同等の収入を今後も継続して得ることができるのかということが問題になることがあります(収入の変動が大きい自営業の方や、再生計画の履行期間中に定年や役職定年を迎える方など)。

また、毎月の収入の中に、親族から相当程度の金額の援助がある場合に、今後も(特に再生計画は3年から5年という長期間にわたって履行しなければならないものであるため)、同様の援助を継続してもらうことが可能であるのか、ということが問題となります。

この問題は、援助してくれる人の主観面、客観面の双方を検討する必要があります。

主観的には、援助を継続してくれる意思があるかどうか、裁判所宛の書面で明らかにしてもらいます。

客観的には、援助の前提として、援助者が現在の仕事を3年後、5年後も継続できるかどうかを検討します。

私が個人再生委員に選任される場合、以上のような点に着目しています。

個人再生手続について ~その6 ペアローンと個人再生委員の話

2026-09-10

住宅ローンをペアローンで組んだ場合の住宅資金特別条項の適用について

皆様、こんにちは。静岡で弁護士をしております石川アトムです。

以前のブログで、申立人の「住宅」に住宅取得のための債務以外の債務を担保するための抵当権が設置されている場合には、住宅資金特別条項を使用することができないことをお話ししました。

ところで、住宅を購入するための資金を夫婦で借りる場合、銀行から夫が3000万円、妻が3000万円をそれぞれ借り入れ、借入金により夫婦共有名義で住宅を購入し、購入した住宅に、夫と妻、それぞれを債務者とする抵当権が設定されるというような融資の受け方があります。

このような借入れの仕方は、「ペアローン」と呼ばれています。

このような方法で住宅資金を借り入れた夫が個人再生手続を申し立てようとした場合、形式的には、「住宅」に申立人である夫の「住宅資金」以外の抵当権(妻の抵当権)が設定されていることになり、住宅資金特別条項を使用できないのではないか、とも思われます。

このような場合、①夫と妻のいずれもが個人再生手続を申し立て、その中で住宅資金特別条項の適用を求める場合には、夫婦それぞれについて住宅資金特別条項の使用を認めるという運用をする裁判所があるようです。

他方で、②夫のみが個人再生手続を申し立てた場合でも、妻の住宅ローンを支払っていくことについて問題がなく、住宅ローン債権者が同意している場合には、夫のみの個人再生手続であっても、住宅資金特別条項の適用を認めるという裁判所も存在します。

後者(②)の場合、妻がどれだけの住宅ローンの支払いを行っているか、妻に住宅ローン以外に他に借入れは存在しないか、妻の支払実績はどうか、家計全体の収支はどうかなどの事情を総合的に考慮して、夫のみの個人再生手続で住宅資金特別条項の適用を認めるか否かが決められます。

ただし、夫のみの個人再生手続で住宅資金特別条項の適用を認めるか否かについては、個人再生委員という弁護士が裁判所によって選任され、個人再生委員が上記のような事項を調査し、裁判所に意見を上げます。

私も②の手続に個人再生委員(静岡地方裁判所・本庁の管轄)として関与したことがあります。

個人再生委員とは

個人再生委員とは、裁判所が個人再生手続の中で選任する弁護士で、個人再生の申立てを依頼した弁護士とは別の弁護士が選任されます。

個人再生委員が選任される理由として、一番多いと思われる理由は、個人再生委員から再生債務者(申立人)に対して、適正な再生計画案を作成するのに必要な勧告をするためです。

もう少し平たく言いますと、申立人が裁判所に提出した書類からすると、裁判所から見て、申立人が再生計画を履行できるとは考えられない、あるいは、履行できるか怪しい、そのため、個人再生委員にサポートしてもらって、再生計画案が履行できることを明らかにしてください、という趣旨で個人再生委員を選任することが多いと思われます。

個人再生手続を申し立てる際、静岡地方裁判所では、3か月分の家計の収支を提出することになっています。
個人再生委員が選任されるケースで多いのは、提出された家計の収入と支出の状況から、再生計画案で予定されている分割払いが難しいのではないかと思われるケースだと思います。

このような場合、個人再生委員からのアドバイスを受けて、家計の収支を見直したり、再生計画案を見直したり(支払期間を3年よりも長期のものに変更したり)する必要があります。

私もこれまでに何件かこのような内容で個人再生委員に選任され、個人再生手続をサポートしたことがあります。

個人再生委員が選任されるケースでは必要となる費用が高くなります

個人再生委員が選任されるケースでは、個人再生委員に無料で仕事をしてもらうわけにはいかないため、申立人(再生債務者)は、個人再生委員の報酬を裁判所に納める必要があります。

個人再生委員の報酬は、静岡地方裁判所の場合、15万円程度だと思われます。

つまり、個人再生委員が選任されると、そうでないケースに比べて、個人再生を行うために必要となる費用が増えるのです。

私が個人再生の申立代理人となる場合、再生計画の履行可能性に疑義を呈されて個人再生委員が選任されることのないよう、家計の収支表や、再生計画案の策定に留意しています。

申立てを行う段階で、再生計画案の履行に懸念がある場合には、申立人とともに家計の(基本的には支出の)見直しを行うことにしています。

弁護士石川の2026年夏休み ~新潟旅行その3                                                        

2026-08-30

バスセンターのカレー

皆さん、こんにちは。

静岡で弁護士をしている石川アトムです。

今回のブログで新潟旅行は最終回です。

新潟旅行2日目は、朝8時から「バスセンター」でカレーを食べました。

新潟のソウルフードと呼ばれている(らしい)食べ物です。

お店の外までカレーの匂いが漂ってきます。

開店時刻の午前8時にお店に着いたのですが、バスセンターのカレーをただの立ち食いそば屋のカレーだと思って、完全に甘く見ていました。

開店時刻には、既に30人ほどの行列となっていました!!

行列に並ぶこと15分ほどで券売機にたどり着き、そこから1、2分でカレーが出てきました。

看板には、「そば・うどん・カレー」と書かれているのですが、カレー以外のものを注文しているお客さんはいませんでした。

私が注文したのは、並盛のコロッケカレーです。

結構なボリュームがあったのですが、それより何より熱かったです。

カレーですから当たり前なのかもしれませんが、熱かったです。

そして、けっこう辛かったです。

市販のカレールーであれば、辛口だと思います。

熱いのと、辛いのと、水は必須です(セルフサービスです)。

5分ほどで完食したのですが、お腹いっぱいでした。

お隣の20代と思われる女性2人組は、ミニカレーだと思うのですが、量的に食べるのに難儀しているご様子でした。

大人の男性でも、コロッケ、メンチを頼むなら、ミニでも良いかなと思います。

新潟旅行の最後に、水曜どうでしょう「サイコロの旅1」で、18時間のフェリーの目を出した新潟駅前を訪れました(ただし、駅舎は既に建て替えられています)。

新潟では、本当は、直江兼続公伝世館に行きたかったのですが、臨時休館中とのことで、残念でした。

佐渡島に渡るには時間が足りず、食べ物がメインの旅行となりましたが、新潟には美味しいものが本当にたくさんありました。

特にお酒は、ビールも日本酒もすばらしかった!

お酒が好きな人には、絶対おすすめの県です。

また来たい!新潟 また飲みたい!新潟

小田原城

新潟駅を9時過ぎの新幹線で後にし、移動中は真面目に仕事をしていました。

東京駅で東海道新幹線に乗り換え、小田原駅で途中下車しました。

18年ぶりに小田原城を訪れました(天守内に入ったのはもしかしたら初めてかもしれません)。

写真にはあまり人が写っていないのですが、夏休み中ということもあって、それなりに混んでいました。

小田原と言えば北条氏です。

残念なことに天守内の展示は、ほぼ写真NGだったため、ブログに掲載できないのですが、北条5代の歴史と秀吉による小田原包囲の様子が非常によく分かりました。

小田原市(小田原城?)では、北条5代の大河ドラマ化を推進しているようで、実現するのであれば見てみたいなぁと思いました。

そこそこ知っているようで、実はそんなに知らない歴史を改めて学ぶことはとても楽しいです。

きんじろうカフェ

小田原では予め調べてあったクラフトビール屋さんに行くつもりだったのですが、月曜定休を見落としており、残念ながらそのお店に行くことができませんでした。

小田原城を見学した後にその事実に気が付き、急遽googlemapで「クラフトビール」を検索したところ、小田原城址公園内に、「きんじろうカフェ」なるものがあり、そこでクラフトビールをいただけるという情報に接することができました。

きんじろうカフェでは、「箱根七湯ビール」(ピルスナー)をいただきました。

日差しがそれほど強い日ではなかったというのも良かったと思うのですが、雑木林的な涼やかな場所に、屋外ないし半屋外のテーブルセットが置かれていました。

小川のせせらぎが聞こえてきそうなとても良い雰囲気の中、ビールを楽しむことができました。

ミナカ小田原・小田原新城下町

新幹線まで1時間弱あったので、小田原駅すぐ近くの「ミナカ小田原」という商業施設に行ってきました。

こちらは、飲食を中心に40店舗以上のお店が集まっている施設です。

施設3階には、「小田原新城下町」という江戸村的雰囲気のエリアがあり、たくさんの飲食店が軒を連ね、大変にぎわっていました。

私はそのエリアの中にある「創作煉處  籠淸」さんで、「小田原ロール」とビールのセットをいただきました。

「小田原ロール」は、魚のすり身とパン粉が原材料の揚げ物で、サクふわな食感です。

私はチーズ味をいただきましたが、ビールとの相性抜群で、とても美味しかったです。

時間があれば、もう1セットいただきたいところでした。

今回の旅行は飲食(というよりお酒)中心の旅行でしたが、とても楽しかったです。

小田原も、新潟も、もう少し年を取ってから、是非また行きたいです。

弁護士石川の2026年夏休み ~新潟旅行その2                                                        

2026-08-20

新潟名物「へぎそば」

新潟旅行のメインイベントであったはずの新潟競馬場を早々に退散し、新潟駅ビルに戻ってきました。

夕飯には、新潟名物の「へぎそば」をいただきました。

新潟駅ビル内の小嶋屋さんです。

写真には誰も写っていないのですが、夕方5時、こちらも結構待っている人がいました。

「へぎそば」は、海藻が練り込まれているお蕎麦で、味は普通のそばとそれほど変わらないように思いますが、やや弾力が強く、少しぬめり気があります。

こちらもとてもおいしかったです。

↑ 写真のお蕎麦は「大盛り」です。

へぎそばを食べた後、日本酒を飲む予定であったため、お蕎麦屋さんではお酒を注文しないつもりでした。

しかし!! メニューに、新潟限定「風味爽快ニシテ」というビールが載っているではありませんか。

日本酒のことを考えて「グラス」でいただいたのですが、サッパリしていて、とても飲みやすいビールでした。

大変おいしかったです。

どんなお食事にもよく合いそうです。

お通しで蕎麦味噌(小鉢に入っているもの)が出てきました。

初めて食べたのですが、蕎麦の実が砕いたピーナッツのような食感で、とても美味しかったです。

味噌なので「食べ応え」は無いのですが、日本酒にもビールにも合うおつまみだと思います。

「ぽんしゅ館 唎酒番所」

「へぎそば」の後は、これまた新潟駅ビル内の「ぽんしゅ館 唎酒番所」へ行きました。

こちらのお店では、最初に1000円で専用コイン5枚を購入し、専用コインを使って、好きな日本酒を飲むことができます。

お酒の種類によって必要なコインの枚数は変わってきます。

100種類以上のお酒を飲むことができます。

試飲して(有料ですが)気に入ったお酒は、唎酒番所とほぼ一体化している隣のお店で購入することができます。

近時、某先生方にお食事をご馳走していただいたことがあり、何かお礼の品をと思っていたところで、新潟で日本酒と甘いものを買って帰ることを決めていました。

某先生方に差し上げるとなると、自分がちゃんと飲んだおいしいお酒を買って帰らなければいけないという「使命感」から、できる限りの試飲をしました。

当初、「米百俵」の純米(コイン1枚・No.46)がいいなと思ったのですが、あいにく品切れでした。

「米百俵」の純米大吟醸(コイン3枚・No.100)も試飲したのですが、私は「純米」の方が好みでした。

同じく「吟田川」の「特別純米」(コイン1枚・No.73)も良かったのですが、こちらも品切れでした。

おいしいので、皆さん買っていかれるのでしょう。

作戦を変えて、お店に置いてある、在庫のあるお酒を試飲することにしました。

結局一人でコインを20枚(4000円)も消費してしまいましたが、私が飲んだ中でのナンバーワンは、「醸し香 翠」純米(コイン2枚・No.70)です。

甘く柔らかいお酒で、大変おいしかったです。

瓶のラベルにも緑色のカモシカが描かれており、とてもおしゃれです。

お店に戻ったとき、何とか最後の1本を確保することができ、無事、某ご先生方へのお土産と相成りました。

「醸し香 翠」のほかは、「越後雪紅梅」純米吟醸(コイン2枚・No.43)、「越後美人」純米吟醸(コイン2枚・No.81)もおいしかったです。

今回の旅行では、親戚筋など、合計6本も日本酒を購入してしまいました。

HUB Echigo Beer PUB CoCoLo新潟店

お土産を購入した時点で午後7時過ぎでした。

冗談ではなく普段なら寝る支度を始める時間なのですが、せっかく新潟に来たので、もう一軒行くことにしました。

「ぽんしゅ館」で売っていた弥彦ブリューイングさんの「弥彦桜酵母IPA」にも大変心を惹かれたのですが、8月2日はHUBの日、ドリンク全品30%OFFと言われれば、この店に入らざるを得ません。

HUBさんは、近時静岡駅構内にも新店舗をオープンされましたが、ここのHUBさんは、何と!エチゴビールさんとのコラボ店でした。

当然のごとく飲み比べを注文しました。

既に大分お酒が入っていたためか、「のんびりふんわり白ビール」が、口当たりがよく、おいしかったです。

HUBさんでは長岡の花火大会の中継が放送されていて、私は初めて長岡の花火大会を見たのですが、こんなにすごいものか!!と画面越しですが、感動しました。

子どもがもう少し大きくなり、ホテルが取れれば連れて行ってあげたいと思いました。

弁護士石川の2026年夏休み ~新潟旅行その1                                                        

2026-08-10

新潟駅の「とんかつ太郎」さん

皆様、こんにちは。静岡で弁護士をしております石川アトムです。

今年の夏は、かなり充実した夏休みを過ごすことができました。

8月1週目の日曜日、新潟に行ってきました。

新潟県は、私が行ったことがない都道府県、最後の4県のうちの1つでした。

静岡から新潟に新幹線で向かい、11時過ぎに新潟駅に着きました。

新潟駅では、早速新潟名物のタレカツ丼をいただきました。

お店は新潟駅ビルにある「とんかつ太郎」さん。

イートインコーナーは8席ほどで、既に行列ができていました。

並ぶこと15分ほどで入店できました。

タレカツ丼は、ご飯の上に、タレをくぐらせたトンカツが乗っています。

予想していたよりもしょっぱかった(もう少し甘めのタレを想像していた)のですが、ご飯がめちゃくちゃ進みます。

私は、普通の(カツが5枚乗っている)タレカツ丼をいただきました。

5枚というと、それなりのボリュームを想像したのですが、ぺろりでした。

ボリュームが心配な方には、3枚や4枚のタレカツ丼もあります。

「とんかつ太郎」さん、ご馳走様でした。

新潟クラフトビール館

次に、こちらも新潟駅のビル内にあります「新潟クラフトビール館」に行ってきました。

新潟は、日本におけるクラフトビール発祥の地だそうで、エチゴビールさんを始め、多くのビールが販売されていました。

その販売コーナーの片隅に立ち飲みでビールを飲めるスペースがあり、3種の飲み比べをいただきました(タップのビールは、3種類の飲み比べ、または、いずれかを選ぶことになります)。

この中でも、真ん中の「merry go round-ichig ver」は、イチゴを使ったビールなのですが、トマトジュースのような強い酸味がありながら、飲んだ後に鼻から抜ける香はイチゴであるという不思議なビールでした。

どれも静岡では飲めない貴重なビールでした。

7年ぶりの競馬場、初の新潟競馬場

このたび私が新潟を訪れた一番の理由は、新潟競馬場に行きたかったためです。

私が競馬場に来たのは、2018年のフェブラリーステークス(東京競馬場)以来実に8年ぶり。本当に久しぶりでした。

新潟競馬場には、日本で唯一の直線1000メートル(「千直」と言ったりします)のレースコースがあり、私が向かった日は千直の重賞である「アイビスサマーダッシュ」というレースが行われました。

私が行ったときには既に完売していましたが、GⅢのレースながら、レース名の入ったマフラータオルが販売されるなど、新潟の名物重賞です。

私は、ずっとこのレースを見たくて、あわよくばレース翌日の月曜日に東京高裁の期日が入れば、前日に新潟競馬場に行って東京に前泊しようと思っていたのですが、そのような都合の良い話は無く、最近では、高等裁判所の弁論期日もウェブとなり、東京高裁に行く機会すら無くなってしまいました(しかしながら、今年の前半は県外出張のお仕事が多く、そのことについては、こちらのブログをご覧ください)。

冒頭で、新潟駅に着きながら、すぐには競馬場に行かず、タレカツ丼とクラフトビールを堪能したのですが、これは、新潟の夏競馬では、第5レース(11:50)終了後、第6レース(15:10)まで、人馬の熱中症対策として、レースが開催されないためです。

新潟競馬場には、13時半ころに着きました。

新潟駅から競馬場に向かう直通バスが出ています。

私はバスが発車する20分前くらい前にはバス停に着いたのですが、既に長蛇の列ができており、車内で座ることはできませんでした。

メインレースのアイビスサマーダッシュは、外ラチ(観客席に一番近い柵)一杯に走ってくることもあって、ホントに一瞬でしたが、迫力満点でした。

強かったですねぇ、ピューロマジック。

千直で3馬身ついちゃうんですから。

ただ、外ラチ沿いに走ってくるということもあってか、直前までホントに全然見えません(笑)。

私はこのレースでは、まさにその名前だけを理由として、義姉に聞かれたらしばかれそうな名前の馬の馬券を買いました。

私の後ろの人も熱烈に「ミカーーー!!!」と声援を送っていらっしゃいました。

この日の新潟市は最高気温31度と、昨今で言えばそれほどの気温でもないのですが、人が多いためか、とても暑く、新潟競馬場が旅行の主目的でありながら、2レースだけ見て退散しました。

それでも、競馬場の緑の芝はとてもきれいでまぶしく、久しぶりに近くで馬が走る様子を見られてよかったです。

今回の旅行では、健康でいて、楽しいことができ、おいしいものを食べられるというのは、本当にありがたいことだということを改めて実感しました。

~その2へ続く

個人再生手続について ~その5 住宅資金特別条項の例外的な救済措置等について

2026-08-01

個人再生申立の時点で住宅ローンの支払いが遅れている場合

皆様、こんにちは。静岡で弁護士をしております石川アトムです。

今回のシリーズでは、債務整理の中でも、借金を圧縮して分割払いを行うという個人再生手続について、特に個人再生手続きの中でも、住宅を残すための手段である住宅資金特別条項についてお話をしています。

さて、個人再生手続を申し立てることを検討していらっしゃる方の中には、既に住宅ローンの支払いが遅延しているという方もいらっしゃるかもしれません。

住宅ローンの支払いが遅延していても、直ちに、個人再生手続ないし住宅資金特別条項が使えない、ということにはなりません(前回のブログをご参照ください)。

★住宅ローンの支払いが遅れている場合には、再生計画の認可決定確定時までに弁済期が到来する元金、利息、既に遅延している元金、利息、遅延損害金を3年から5年の期間内に分割して弁済し、再生計画認可後に弁済期が到来する元金、利息については、当初の約束どおり支払っていくことになります。

これが住宅資金特別条項の原則的な弁済形態です。

しかし、遅れている分を3年から5年で分割し、それにプラスして当初の約束どおりの支払いをするという方法でも、住宅ローンを支払っていくことが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合、例外的に、個人再生手続の中で、住宅ローンについて、いくつかの組み直し措置が認められています。

住宅ローンの支払期間の延長

住宅ローン組み直し措置の一つ目が、住宅ローンの弁済期間を延長することです。

先ほど申し上げた原則的な弁済形態(★の箇所)の履行が困難であり、再生計画の認可の見込みがない場合、☆当初金融機関と約束した弁済期間を延長し、月々の返済額を下げてもらうことができます。

ただし、住宅ローンの弁済期間を延長する場合には、住宅ローン元金の全額、再生計画の認可決定確定後の利息、再生計画の認可決定が確定する時までに発生する利息、遅延損害金を全額支払う必要があります。

また、延長できる最終弁済期は当初の最終弁済期から10年以内である必要があり、最終弁済期において申立人(再生債務者)は70歳未満でなければなりません。

延長後の弁済期の間隔(たとえば、毎月支払いをすることなど)や弁済額も、当初定められたものに概ね沿う内容でなければなりません。

これが組み直し措置の一つ目です。

住宅ローン元金を支払うことについての一部猶予

原則的な弁済形態(★の箇所)が難しい場合、まずは、弁済期間の延長(☆の箇所)を検討します。

しかし、様々な事情により、弁済期間を延長したとしても、住宅ローンの支払いが難しい場合があります。

その場合には、例外の例外として、弁済期間を延長することに加えて、一般の再生債権の支払期間中(3年ないし5年)において、各弁済期の住宅ローンの元金支払額を下げてもらうという方法があります。

住宅ローン債権者の同意がある場合

これまでお話ししてきた方法に加えて、住宅ローン債権者の同意がある場合には、先に述べた期間よりも更に長期間住宅ローンを支払う期間を延長してもらったり、利息のカットや元金のカットをしてもらうことも可能です。

ただし、これらは、あくまで金融機関の同意がある場合であり、法律上当然に認められている手続ではありません。

ご自宅がマンションである場合の注意点

話は変わりますが、前回のブログでは、住宅資金特別条項が利用できない場合の一つとして、自宅に、住宅ローンとは別の債務について抵当権が設定されている場合についてお話をしました。

このような場合には、住宅ローンと関係が無い抵当権が実行されてしまい、住宅を保護するという目的を達成できないため、住宅資金特別条項を使用することができません。

これと同様の考え方から、ご自宅がマンションの場合で、マンション管理費を滞納している場合には、住宅資金特別条項を使用することはできません。

なぜなら、マンション管理費を滞納している場合、マンションの管理組合が先取特権(サキドリトッケンと読みます)という権利を行使して、マンション(居室)を競売に掛けてしまう可能性があるためです。

マンションが競売に掛けられてしまうと、やはり住宅を保護するという住宅資金特別条項の目的が達成できません。

このため、マンション管理費を滞納している場合には、住宅資金特別条項を使用することができないのです。

ご自宅がマンションであり、住宅資金特別条項を利用して自宅を残したいという場合には、マンション管理費の滞納を解消しておく必要があります。

個人再生手続について ~その4 住宅資金特別条項を使用することができない場合

2026-07-21

住宅資金特別条項を使用できない場合~その1 住宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されている場合

皆様、こんにちは。静岡で弁護士をしております石川アトムです。

本シリーズの2回目から、負債を整理しながら自宅を残すための住宅資金特別条項についてお話をしています。

今回のブログは、住宅資金特別条項を使用することができないケースについてお話をしています。

その1つ目が、住宅に住宅ローンとは別の債務について抵当権が設定されている場合です。

たとえば、個人事業主である申立人が、事業資金を借りる際に住宅を担保にしていたり、住宅ローン債務者が、何か別の目的でお金を借りる際に自身の住宅を担保にしていたりする場合です。

住宅に、住宅ローンとは別の抵当権が設定されている場合、住宅ローンではない債務の抵当権者は、住宅資金特別条項の適用を受けません。

つまり、住宅ローンではない債務の抵当権者は、個人再生手続に影響を受けずに抵当権を実行することができます。

抵当権を実行されてしまうと、住宅資金特別条項を適用して「住宅」(及び住宅を生活の基盤とする再生債務者)を保護するという目的が達成できません。

このため、住宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されている場合、住宅資金特別条項を使用することはできません。

もっとも、住宅ローンとは別の債務を担保する抵当権が設定されている場合でも、その被担保債権が少額で、再生計画の提出までに確実に弁済できる目処が立っており、抵当権を抹消することが可能である場合には、手続を進めることを認める裁判所もあるようです。

住宅資金特別条項を使用できない場合~その2 共同担保物件に後順位抵当権が設定されている場合

先にお話ししたとおり、「住宅」に、住宅資金のための抵当権以外の抵当権が付いている場合、住宅資金特別条項を使用することはできません。

これは、住宅資金以外の債務の債権者(抵当権者)が、「住宅」について抵当権を実行できてしまい、「住宅」を残すという住宅資金特別条項の目的が達成できないためです。

同様の観点から、「住宅」が共同担保に入っている場合も注意が必要です。

住宅資金を借り入れる際、「住宅」たる建物と、「住宅」の底地である土地に、共同担保を設定することがあります。

そして、何らかの事情により(事業資金であったり、教育資金であったり)、土地の方に、後順位の抵当権が設定されることがあります。

このような状態になっていますと、後順位の抵当権者は民法の規定に基づいて、住宅ローン債権者の「住宅」に関する抵当権を実行することができてしまいます。

そうなると、やはり「住宅」を守るという目的が達成できなくなってしまいますので、住宅資金特別条項を使用することはできません。

住宅資金特別条項を使用できない場合~その3 住宅資金について保証会社ではない者が代位弁済をした場合

保証会社ではない、一般の人(たとえば、主債務者の親戚など)が連帯保証人となっており、主債務者に代わって住宅資金の弁済をした場合、当該連帯保証人は、住宅資金に関する貸付債権を代位取得することになります(弁済をした親戚は、金融機関が主債務者に対して持っていた権利を丸々引き継ぐということになります)。

このような場合、連帯保証債務を履行した個人たる連帯保証人まで、住宅資金特別条項により、元金と利息の分割払いを受け続けなければならないということは不合理であるとの観点から、住宅資金特別条項を使用することはできないとされています。

住宅資金特別条項を使用できない場合~その4 住宅資金について保証会社が保証債務を履行した日から6か月経過後に個人再生が申し立てられた場合

住宅ローンを借り入れる際、保証会社が、住宅ローン債務を連帯保証することがあります。

主債務者による住宅ローンの支払いが一定程度滞ると、保証会社は、住宅ローン会社(金融機関)に対して、主債務者に代わって、滞っている分を含め、残債務を一括で返済します(保証債務を履行します)。

保証会社が上記のように保証債務を履行した後でも、直ちに住宅資金特別条項付きの個人再生を申し立てることができなくなるわけではありません。

保証債務の履行後に住宅資金特別条項付の再生計画が認可されると、保証会社は住宅ローン会社(金融機関)から、同社に対して支払った金銭の返還を受け、住宅ローン債務は再び住宅ローン会社に戻ることになります。

しかし、保証会社が保証債務を履行した後、長期間経過後に住宅資金特別条項が適用されることになると、取引の安定性を害することになります。

そこで、保証会社が保証債務を履行した後6か月経過後に個人再生が申し立てられた場合、住宅資金特別条項を適用することはできないとされています。

既に住宅ローン債務の支払いが滞っているという場合にも住宅ローン特別条項の利用を希望する場合には、速やかに申立てを行う必要があります。

個人再生手続について ~その3 住宅資金特別条項を使用するための条件

2026-07-10

個人再生手続で住宅資金特別条項を使用するための条件

皆様、こんにちは。静岡で弁護士をしております石川アトムです。

債務整理の一つ、個人再生手続をシリーズでご紹介しています。

これまでのブログでは、個人再生手続とは、裁判所の許可のもと借金を圧縮し、圧縮した借金を分割して支払っていくという手続であること、住宅資金特別条項を使用すれば、債務整理をしても自宅を残せる可能性があることについてお話ししました。

住宅資金特別条項は、現在存在している負債を支払っていくことが困難であるものの、自宅が存在するために自己破産をすることは避けたいと考えている方にとって、非常に有用な手続です。

ただし、住宅資金特別条項の適用を受けるためには、いくつかの条件があり、それらをすべてクリアしなければなりません。

住宅資金特別条項の適用を受けるための条件1~「住宅」に関する条件

住宅資金特別条項の適用を受けるためには、対象となる住宅が、以下の条件をクリアしていなければなりません。

まず、当該住宅は、個人である再生債務者(申立人)が所有していなければなりません。

「所有」は、「共有」でも良いとされており、再生債務者が共有持分を有していれば大丈夫です。

次に、当該住宅は、債務者自身が居住している建物である必要があります。

賃貸目的や投資目的で購入したマンションなどは、住宅資金特別条項を使用することができません。

また、事務所や事業のために購入した建物についても、住宅資金特別条項を使用することはできません。

なお、転勤等で一時的に居住していない場合であっても、生活の本拠として使用する建物である場合には、問題はありません。

そして、建物の床面積の2分の1以上に相当する部分がもっぱら自己の居住のために使用されている必要があります。

個人事業主の方が、自宅を、自宅兼店舗、自宅兼事務所として使用している場合には注意が必要です。

また、二世帯住宅で、対象建物において、それぞれの世帯の居住スペースが物理的に独立している場合も注意が必要です。

住宅資金特別条項を使用するためには、「住宅」が以上のような条件を満たしている必要があります。

なお、かなりのレアケースだと思いますが、このような「住宅」が複数存在するという場合、複数個の「住宅」について住宅資金特別条項を適用することはできません。
住宅資金特別条項を使用することができるのは、複数ある「住宅」の中で、再生債務者が主として居住のために使用している建物1つに限られます。

住宅資金特別条項の適用を受けるための条件2~「債務」に関する条件

次に、住宅資金特別条項を使用するための「債務」に関する条件です。

住宅資金特別条項を使用することができる「債務」は、住宅の建設もしくは購入に必要となった資金、または、住宅の改良に必要となった資金で、分割払いで支払っているものに限られます。

そして、このような貸付金または、保証会社が貸付金を代位弁済した際の求償権を担保すべく、住宅に抵当権が設定されていることが必要です。

これらの条件は、銀行等から住宅ローンの貸付を受けている場合、通常、問題なくクリアされるはずです。

ただし、建物に抵当権が付いておらず、土地だけに抵当権が設置されている場合は、住宅資金特別条項を使用することはできません。

住宅資金特別条項付きの再生計画案に対する認可

住宅資金特別条項が付いていない再生計画案は、当該再生計画が遂行される見込みがないとは言えないこと、及びその他の要件を満たせば、裁判所の認可が得られます。

これに対して、住宅資金特別条項が付された再生計画案が認可されるためには、裁判所が積極的に「遂行可能であると認める」必要があり、再生計画認可のハードルが上がっています。

なお、住宅資金特別条項が付いているか否かに関わらず、再生計画が認可されるためには、清算価値保障原則をクリアしなければなりません。

清算価値保障原則とは、債権者に対しては、今ある資産をすべて売却した場合に支払われる金額よりも多い金額を個人再生手続の中で支払わなければならないというルールのことです。

本シリーズの冒頭で述べたとおり、個人再生手続は、今ある借金を圧縮し、圧縮した借金を分割で支払っていく手続ですが、圧縮できる割合は、今ある資産をすべて売却した場合に債権者に支払われる額を割り込んではいけないということです。

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