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破産手続には大きく分けて3つの種類があります
皆様、こんにちは。静岡で弁護士をしております石川アトムです。
当事務所では、自己破産の申し立てを注力分野の一つとしております。
今回から3回にわたり、個人の方が自己破産をした場合の手続の種類についてお話ししたいと思います。
自己破産をした場合、裁判所が破産手続の開始決定を行い、破産手続が進行していくことになりますが、破産手続の種類は1つだけではありません。
大きく分けると3つの種類があると言えます。
そして、どの種類の破産手続になるかによって、破産手続に必要となる費用が増えたり、破産手続が始まってから終わるまでの期間が長かったり、短かったりします。
そのため、自己破産を申し立てるにあたって、申立人の破産手続が、3種類ある破産手続の中のどの種類に当たるのかを見通すことは大変重要です。
同時廃止手続
手続の1つ目は、「同時廃止」と呼ばれる手続です。
通常、裁判所に自己破産を申し立てた場合、裁判所は、申立ての際に提出された書類について審査をします。
そして、提出された書類の内容から、裁判所が破産手続を開始しても問題がないと考えた場合、裁判所は、破産手続の開始決定を出します。
本来、破産手続とは、裁判所による管理監督の下、破産者(申立人)の財産を現金化し、債権者に平等に分配する手続を言います。
破産手続が開始されたものの、債権者に分けられるほどの財産が存在しない(正確には、債権者に財産を分けるための手続を進められるだけの財産が存在しない)ということになりますと、裁判所は、破産手続を「廃止」(終了)させます。
「同時廃止」の自己破産事件とは、破産手続を進められるだけの財産が破産者に存在しないことが明らかであるため、破産手続を開始すると同時に、破産手続を「廃止」する(終了させる)というものです。
破産手続が始まった瞬間に終わるというイメージです。
個人の方の場合、お金が無いので破産をする、ということが通常だと思います。
私がこれまでに個人の方からご依頼をいただいた自己破産申立事件の9割近くは「同時廃止」手続です。
個人の借金を0にする手続は「免責手続」といいます
ところで、個人の方が自己破産を申し立てる目的は、借金を0にすることですが、借金を0にすること自体は、理屈上、破産手続とは別の「免責手続」という手続により行われます。
そのため、破産手続が、上記のように開始と同時に廃止された場合(「同時廃止」手続)であっても、破産手続に引き続いて、破産者の借金を0にするかどうかという「免責手続」が続きます。
同時廃止手続の場合、理屈上、破産手続は、手続の開始と同時に終わってしまうのですが、その後に行われる「免責手続」を経て、晴れて借金は0になるということになります。
静岡地方裁判所における「同時廃止」手続の場合、開始決定後おおむね2か月から2か月半ほどで、免責を許可するかどうかを決める日が設定されます。
コロナ前は、その設定された日に、裁判所に赴き、裁判官から、申立書に記載された事実に間違いはないか、破産に至った原因についてどう思っているか、反省すべき点はないか、今後の生活についてどう考えているか、二度と破産しないようにするためにはどのような点に気を付けなければならないか、などの質問があり、破産者が質問に回答するという手続を経ることが通常でした。
しかし、コロナ後は、少なくとも私の知る限り、静岡地方裁判所においては、同時廃止の手続で、破産者が裁判所に赴くということは無く、上記のような問答の代わりに、破産に至ったことに関する反省文を提出し、免責の可否について裁判所の判断を待つ、という運用になっています。
「同時廃止」手続の特徴
「同時廃止」手続は、3種類ある破産手続の中で、もっともシンプルで、通常、破産手続が開始されてから免責許可が降りるまでの期間が短いものです。
このため、破産を申し立てる人にとっても、最も負担の少ない手続と言えます。
「同時廃止」とならない破産手続のことを「管財事件」と呼びますが、「管財事件」となった場合の破産手続や、どのような場合に「管財事件」となるのかということにつきましては、次回以降のブログにてご説明いたします。
当事務所では、自己破産事件を注力分野の一つとしております。
個人の自己破産、会社の自己破産を問わず、借入れ、負債の整理を検討されている方は、是非一度当事務所にご相談ください。
静岡市を拠点に活動する弁護士。実務に入り16年目。
中心的な取扱分野は、会社個人を問わず自己破産申立事件。
裁判所の選任により年に数件の破産管財人も担当している。
また、会社の顧問弁護士として会社からの相談を受けることも多い(静岡県外(首都圏)にも複数の顧問先会社がある)。
趣味は旅行、英会話、競馬。
