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個人情報保護委員会が「破産者マップ」運営者を刑事告発
2023年1月11日のYahoo!ニュースに、政府の個人情報保護委員会が、「破産者マップ」の運営者を刑事告発した、という記事が掲載されていました。
破産者マップとは、破産者の氏名、住所を、本人の同意なくgoogle map上に表示させて掲載しているウェブサイトのことです。
「破産者マップ」は、2018年12月ころ登場し、一旦は閉鎖されたものの、今回刑事告発の対象となった破産者マップは、2022年7月ころから公開が開始されたようです。
破産者マップの運営者に対して、同サイト上の破産者の氏名、住所などの情報を削除することを求めると、数万円以上の暗号資産の支払いを求められるようです。
「破産者マップ」は、本人の同意なく、破産者の氏名、住所を掲載するもので、本人のプライバシーを侵害するものです。また、破産という本人の社会的評価を貶める事実を公表するものですから、名誉毀損にも該当し得るもので、非常に問題のあるウェブサイトと言えます。
自己破産をすると「官報」に住所氏名が掲載されます
さて、これから自己破産をするべきかどうか悩んでいる方の中には、自分が破産したことが周りの人に知られてしまうのではないか、という不安を持つ方もいらっしゃると思います。
破産をすると、「官報」に、破産者の住所や氏名が掲載されることになっています。
「官報」とは、国が発行する新聞のようなもの(広報誌)で、新しく制定された法令を紹介したり、公務員の人事異動について記載されていたりします。
その官報の一部として、破産者の住所や氏名を掲載するページが存在します。
官報は、特定の販売所で販売されているほか、インターネットで閲覧できたり、図書館に保管されていたりします。
破産したことはバレてしまうのか?
このように記載すると、官報を見ることによって、自己破産をしたことが簡単に知られてしまうように思われるかもしれません。
しかし、思い返していただきたいのですが、これまで皆さんは、実際に官報を見たことがあったでしょうか。
家族、知人、友人と、「官報に○○さんが自己破産したって載ってたよ」などという話をしたことがあったでしょうか。
そのようなことは一度も無かったはずです。
つまり、官報は、誰でも、いつでも閲覧できる状態にある広報誌ですが、基本的には、一般の方が目にすることは無いのです。
実際の官報は、非常に細かい字で、大量の情報が記載されています。
官報は、週に何度も発行されるもので、破産者に関する情報が掲載されているページだけでも、1回あたり10ページに及ぶことがあります。
このような官報を、一般の人が、膨大な時間をかけて継続的に見ているということは通常考えられません。
官報をよく見る人というのは、信用情報機関に勤めており、破産者の情報を収集する業務に当たっている方など、ごく一部の人に限られると考えられます。
そのため、自己破産をしても、基本的には、周りにバレてしまうという心配はありません。
周りの人に自己破産したことがバレてしまうのではないかとご懸念の方も、是非一度当事務所にご相談ください。