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離婚後の「共同親権」制度5~「共同親権」と「単独親権」の決め方 その1
「親権」の決め方~親権者の決定において考慮される要素
皆様、こんにちは。静岡市で弁護士をしております石川アトムです。
今回のブログは、「共同親権」に関するブログの第5弾です。
「親権者」がどのような考慮要素によって定められることになるのか、ということを中心にお話しします。
今回もこれまでと同様に、この記事の中では、離婚後の共同親権を指す趣旨で、「共同親権」あるいは「『共同親権』制度」といいます。
改正前民法の世界では、離婚後の親権は、父親の単独親権と母親の単独親権のいずれかしか存在しませんでした。
改正民法が施行されますと、離婚後の親権者のバリエーションは、父母共同(共同親権)、母親単独親権、父親単独親権という3パターンになります。
改正民法下において、親権者が定まる場面は、
協議離婚の際に父母の協議によって定める場合(親権者の指定を求める家事調停を含む)
裁判所が協議に代わる審判をする場合(親権者の指定を求める家事審判)
裁判上の離婚の場合に裁判所が定める場合、という3つの場面が考えられます。
共同親権とするか、父母の単独親権とするかは、「子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮」して決められることになっています(改正民法819条7項)。
離婚後においても、「共同親権」とすることになった場合、一定の例外を除いて、子に対する身上監護、子の財産管理、子の身分行為に関する代理を、父母が共同して行うことになります(一定の例外、すなわち、父母が単独で親権を行使できる場面については、前回までのブログをご参照ください)。
改正民法において、「共同親権」とするか単独親権とするかについて、原則例外は無いとされています。
また、父母のどちらかが反対しているからといって、直ちに共同親権が度外視されるということにもなっていないようです。
「共同親権」とすべきかどうかという判断にあたっては、将来、父母間で、共同での親権行使のための協議や協力を行うことができるかということが検討されますが、協議・協力の程度は、子の養育のために最低限のやり取りができるレベルであれば、その他一切の事情を考慮したうえで「共同親権」を認める余地があると解されています。
なお、「共同親権」であるか否かによって、親子交流(これまで「面会交流」と呼ばれていた離婚後の別居親と子との交流)の方法や充実度について差が生じるという建て付けにはなっていません。
親権者を決める場面での考慮要素~「父母と子との関係」
親権者を決める際の考慮要素として、「父母と子との関係」が挙げられています。
親サイドの事情としては、子の面前で、父母間で口論を繰り返したり、子に対して他方の親の悪口を言ったりするなど、という従前の態度や、養育費を支払うなど親としての責務を果たしているかということなどが考慮されるようです。
子サイドの事情としては、父母に対する子の気持ちや、今後の親権行使に関する子の意向が考慮の対象となり得ると考えられています。
年長の子については、子の意向の重要性は高くなると考えられています。
親権者を決める場面での考慮要素~「父と母との関係」
「共同親権」とすべきか否かの際に考慮される「父と母との関係」は、具体的には、同居時における父母の親権行使の状況、別居後の親権行使の状況、子に対する身上監護のあり方、別居後の他方親と子との交流状況、父母間の連絡状況などに加え、親権者の定めの協議が調わなかった理由などを含む手続の経過についても考慮の対象とされるものと考えられます。
父母の一方が他方に対して、誹謗中傷や人格を否定するような言動を繰り返している場合には、離婚後に親権を共同行使する前提としての父母間の協力義務に違反していると評価される可能性があります。
また、父母の一方が他方に無断で、何ら理由なく子の居所を変更するなどした場合についても、事情によっては父母間の協力義務違反と評価されることがあります。
親子交流について取り決めがされたのに特段の理由無く履行されない場合、養育費に関する協議を理由無く一方的に拒否する場合も、協力義務違反と評価される可能性があります。
これらの協力義務違反は、「共同親権」とするかどうかという場面で、「共同親権」とすることに消極的な事情として考慮される可能性があります。
父母の単独親権とすべきか、共同親権とすべきかは、以上のような考慮要素を総合して決定されますが、改正民法においては、「このような事情がある場合には、絶対に共同親権にはしない」という要素もあります。次回のブログでは、この点についてお話ししたいと思います。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
離婚後の「共同親権」制度4~「共同親権」下で親権の単独行使が可能な場合 その3
離婚後の「共同親権」制度の開始日が令和8年4月1日となりました
皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
「共同親権」ブログの第4弾です。
前回のブログで触れましたが、閣議決定により、我が国における離婚後の選択的「共同親権」制度の開始日が令和8年4月1日となりました。
もちろん制度が全く同じというわけではありませんが、既に「共同親権」の制度を有しているアメリカで実施されたある統計によれば、1994年から2010年において、共同親権は25%、母親の単独親権が65%、残りの10%が父親の単独親権という統計結果だったようです。
他方で、日本の「人口動態統計」によると、日本では、2010年の時点で、母親の単独親権は83.3%、父親の単独親権は12.9%、兄弟で親権者が異なるという場合が3.7%だったそうです。
来年4月1日から選択的「共同親権」制度がスタートし、親権の比率がどのように変化していくのか、今後注目していきたいと思います。
親権行使者の指定~子の居所の指定
前回のブログで、「共同」親権下においても、親権の単独行使が可能な場面の一つとして、特定の事項について親権の行使者が指定される場合を紹介しました。
私は、改正民法が施行された後、親権行使者の指定について争われることが最も多い場面は、子の居所の指定になるのではないかと考えています。
と言いますのも、前々回のブログでお話ししたように、「親権」の中には、子どもに関する「身上監護」というものが含まれています。
日常的に子どもと一緒に生活をして、ご飯を食べさせるなどをすることは、親権の中の「身上監護」の一内容です。
改正前民法のもとでは、未成年の子をもつ父母が離婚した場合、父母のいずれか一方だけが子の親権を有するということになっていました。
そのため、改正前民法の世界では、離婚後に親権を持つことになった親が、いわば自動的に、子の住む場所を決めることができていました。
しかし、改正民法が施行された後には、離婚後の父母が「共同親権」を持つケースが出てきます。
先にお話ししたように、親権の内容には、子がどこでどのように暮らすのか、ということを決める権利が含まれています。
そのため、離婚後に「共同親権」となった場合、父母は原則として、子がどこに住むのかを「共同で」決めなければなりません。
共同親権となった場合、どちらか一方の親が当然に子の居所を決めるということはできないのです。
「共同親権」状態の父母において、子の居所について協議がまとまらない場合(父母の双方が、子どもと一緒に暮らしたいと言って譲らない場合など)には、子の居所を指定することについて、親権行使者の指定を求めることが選択肢の一つとなります(ただし、後のブログでお話しするように、どちらか一方が子の居所を定めることをできるようにする手段は、他にも「監護者の指定」や「監護の分掌」という手続もあります)。
このように、「共同親権」と言っても、当然に、父母双方が子と暮らすことができるわけではありません。
今後は、子の「居所」を決める親権行使者の指定が、従前の「親権」争いの一部に取って代わるのではないかと思っています。
子の居所の指定に関する親権行使者指定の概要
子の居所を決める親権者行使者を指定する場面では、父母のいずれが日常的に子を監護することが適切か、ということを子の利益の観点から判断するものとされています。
具体的には、従前の監護状況、現在の監護状況、父母の監護能力、子の年齢、発達状況、父母との関係性、子の意向、兄妹に関する事情について、総合的に評価し、父母のいずれが子の監護をすることが子の最善の利益になるかが判断されます。
子の居所をどこに定めるべきか、ということを直接判断するのではなく、どちらの親に親権を行使してもらうことが子の利益になるのか、という判断の方法が取られます。
この点、前回の子の進学の決定に関する親権行使者の指定に関して述べたことと同様です。
なお、「親権行使者の指定」の制度は、離婚後の「共同親権」下だけではなく、婚姻中の夫婦間においても使用することができます。
今後は、婚姻中の夫婦間においても、子の進学先を決めたり、子どもをその学校から転校させるか否か、退学させるか否かを決めたりする場面で意見がまとまらない場合、親権行使者の指定を求めて家庭裁判所で話し合いを行う(調停を行う)ということが増えてくるかもしれません。
婚姻中の夫婦にとって、この制度が「雨降って地固まる」制度として利用されることになるのか、「覆水盆に返らず」制度となってしまうのか、制度の作用が非常に気になるところです。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
離婚後の「共同親権」制度3 ~「共同親権」下で親権の単独行使が可能な場合 その2
共同親権下で父母間に意見の対立があった場合 ~「親権行使者の指定」制度
皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
今回も「共同親権」に関するブログで、今回はその第3弾です。
つい先ほど、政府の閣議により、「共同親権」のスタート時期が令和8年4月1日と決定されました。
いよいよ「共同親権」制度が迫ってきたという感じがします。
さて、前回のブログでは、「共同親権」下においても、父母のいずれか一方が単独で「親権」を行使することができる場面について、3つの場合を説明しました。
今回のブログは、「共同親権」下においても、父母のいずれか一方が単独で「親権」を行使することができる4つ目の場面の説明から始めます。
その4つ目の場面は、ある「特定の事項に係る親権の行使」について父母間に協議が調わず、その「特定の事項に係る親権」を父母のいずれか一方に単独で行使させることが「子の利益のため必要がある」と言える場合です。
前回のブログで紹介した父母が単独で親権を行使することができる3つ目の場面、「子の利益のために急迫の事情があるとき」は、父母の意見が対立した際にも使用され得る規定だと思いますが、特定の事項に係る親権行使者が定められる場合というのは、まさに、親権行使について父母の対立があった際に使用されることが想定された規定です。
「特定の事項に係る親権の行使」
この規定は、ある「特定の事項」に関する親権の行使について父母間で協議が調わず、子の利益のためにその「特定の事項」について、父母のいずれか一方が単独で親権を行使する必要があると家庭裁判所が認めたときに、父母の一方による単独親権行使を認める規定です。
この制度は、ある「特定の事項について」という点が大きなポイントです。
特定の、限定された事柄についてのみ親権の単独行使を認める、という制度です。
この規定において想定されている「特定の事項」とは、子の進学先の選択、子の心身に重大な影響を与える医療行為の決定、子の居所の指定や転居、子の財産管理などです。
たとえば、私立中学校へ進学させるか、公立の中学校へ進学させるかについて、父母の意見がまとまらない、といった場面で使用されることが想定されています。
他方で、「親権行使者の指定」制度は、現実に紛争が発生している状態でなければ利用することができません。
近い将来、父母間で子の進学のことで揉めるだろうと思って予め申立てを行う、ということはできないのです。
受験や入学手続にはタイムリミットがありますから、家庭裁判所において実際にどのように調停等を運用していくのか、非常に難しい制度だと思います。
「親権行使者の指定」制度は、先にお話ししたとおり、「特定の事項」について親権を行使する者を決めてもらう制度です。
そうしますと、どの程度の「特定」が必要なのか、ということが実務家(弁護士)としては気になるところです。
この「特定」の程度については、「○○高校との在学契約の締結及びこれに付随する事項」というレベルまで特定する必要はないと考えられています。
親権行使者の指定の申立てをする時点では、子がどの高校に進学するかは確定していないと考えられます。
「○○高校との在学契約の締結」という申立てをしてしますと、仮に申立てが認められたとしても、子が「○○高校」に不合格となってしまった場合、父母のいずれか一方が、当然に、併願していた「××高校」との在学契約を単独で結ぶことができる、ということにはならないためです。
在学契約に関する親権行使者の指定については、「高校との在学契約の締結及び~」というレベルで特定をすれば良いようです。
「親権行使者」の決め方
「特定の事項」について、父母のいずれに単独で親権を行使させるかについては、どのように決められるのでしょうか。
たとえば、高校への進学が問題となっている場面では、①いずれの親が親権を行使する(進学先を決定する)ことが子の利益にかなうのか、及び、②子の意思、意向はどうか、ということが総合的に考慮されて決定されます。
より具体的には、同居期間中における父母の役割分担、子の進学をめぐる父母間や兄弟間でのやり取り、子の年齢、成績、特性等、父母の経済状況、他の兄弟の進学状況、進学先の学校の状況等が考慮されるようです。
進学先の決定に関する親権行使者を決めるにあたって、「どちらの高校がより子どものために良いのか」という観点から検討されるわけではありません。
なお、子の意思、意向はどうか、という点とも関連しますが、子が15歳以上の場合で、裁判所が親権行使者を審判によって決定する場合には、家事事件手続法により、子の陳述を聴かなければならないとされています。
今後のどこかのブログで、子の「居所」に決定に関する事項についても触れたいと思いますが、個人的には、改正民法が施行された後、「親権行使者の指定」制度は爆発的に利用されることになるのではないかと思っています。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
離婚後の「共同親権」制度2 ~「共同親権」下でも親権の単独行使が可能な場合 その1
「親権」の内容
皆様、こんにちは。静岡で弁護士をしております石川アトムです。
10月も後半に入り、秋めいた空気になってきましたね。
さて、我が国でも、令和7年5月までに離婚後の子どもに対する「共同親権」制度がスタートします。
今回は、「共同親権」に関するブログの第2弾です。
今回も、前回のブログと同様に、「離婚後の」という趣旨で「『共同親権』制度」や「『共同親権』」という用語を用います。
「共同親権」シリーズのブログをお送りしていますが、そもそも「親権」の内容とは何でしょうか。
「親権」というと、子どもと一緒に生活をして、子どもの面倒を看て、教育をして、というイメージがあると思います。
そういった行為をする親の権利義務も「親権」の一部です(「身上監護」といいます)。
しかし、「親権」には、子に対する身上監護だけではなく、子の財産を管理する権利義務(「財産管理」)も含まれます。
このほか、「親権」には、子の身分行為を代理することも含まれます。
身分行為としては、子の氏の変更などがあります。
改正民法では、このような「親権」について、親の権利という性質だけではなく、親の子に対する義務としての側面もあるということが明記されています。
「共同親権」でも「親権」の単独行使が可能である場合
「親権」は、夫婦が婚姻中であれば、共同して行うことになります。
また、来年の5月以降は、夫婦が離婚した後も「共同親権」ということになれば、父母が共同して「親権」を行使することになります。
しかし、常に、父母が親権を共同で行使しなければならないとすると、子の利益を害するような場面も出てきます。
そこで、改正民法上、以下の場合には、「共同親権」の状態にあっても、父母のどちらか一方が単独で「親権」を行使することができると定められました。
①父母の一方が親権を行うことができないとき
②監護教育に関する日常の行為をするとき
③子の利益のために急迫の事情があるとき
④特定の事項について家庭裁判所の許可により親権行使者が定められた場合
以上の4つのうち、②から④は改正民法によって新設された規定です。
今後特にポイントになってきそうな規定は、③と④だと思います。
①から④を順に見ていきましょう。
まず、①「父母の一方が親権を行うことができないとき」です。
これは、父母のいずれか一方が長期の旅行に行ってしまった場合、行方不明になってしまった場合、受刑者になってしまった場合、成年後見の開始を受けた場合、親権喪失の宣告がされた場合などが当てはまります。
「監護教育に関する日常の行為をするとき」
次に、②「監護教育に関する日常の行為をするとき」です。
「監護教育に関する日常の行為」については、単独での親権行使が認められます。
ただし、あくまでも、親権のうちの日常的な「身上監護」に関するものについての親権行使です。
後に述べる別の例外ケースに該当しない限り、子の財産管理や身分行為の代理をするためには、共同での親権行使が必要です。
どのような行為が「監護教育に関する日常の行為をするとき」に当たるのか、ということについては、法務省民事局のパンフレットに言及があります。
具体的には以下のような例が挙げられています。
・食事や服装の決定
・期間の観光目的での旅行
・心身に重大な影響を与えない医療行為の決定
・通常のワクチン接種
・習い事
・高校生の放課後のアルバイトの許可
他方で、「日常の行為」に該当しない例としては、以下のような事由が挙げられています。
・こどもの転居
・進路に影響する進学先の決定(高校に進学せず就職するなどの判断を含む)
・私立小中学校への入学、高校への進学・退学など
・心身に重大な影響を与える医療行為の決定
・財産の管理(預金口座の開設など)
「子の利益のために急迫の事情があるとき」
共同親権下において、単独での親権行使が可能な場面の3つ目は、「子の利益のために急迫の事情があるとき」です。
こちらは、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時の親権行使をすることができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるようなケースを指すと言われています。
法制審議会では、入学試験の合格発表後に行われる入学手続、緊急で医療行為を受ける必要がある場合の診療契約、DVや虐待から逃れる必要がある場合などが検討されたようです。
他方で、手術日まで2、3か月程度の余裕があるときには直ちに「急迫の事情があるとき」には当たらないとの法務大臣の答弁もあったようです。
どのような場合が「子の利益のために急迫の事情があるとき」に当たると判断されるのかは、個別具体的なケースごとに異なると考えられ、改正法施行後の事例の集積を待ちたいと思います。
④の特定の事項について家庭裁判所の許可により親権行使者が定められた場合については、次回のブログでご説明いたします。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
離婚後の「共同親権」制度1
日本でも離婚後の「共同親権」制度がスタートします
皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
10月に入り、だいぶ秋めいて参りました。
今朝は少し肌寒いくらいの気候です。
さて、来年の5月から、我が国においても離婚後の子どもに対する「共同親権」の制度がスタートします。
私は、普段は会社や個人の自己破産事件を扱うことが多いのですが、静岡県内の弁護士にとって、離婚事件、親権や面会交流に関する事件は、いわば日常的な業務です。
私も離婚事件や親権に関するご相談、ご依頼をよくいただきます。
離婚後の「共同親権」制度がスタートするのは、改正された民法が来年の5月までに施行されるためですが、改正前の民法においても共同親権という制度自体は、婚姻中の夫婦と子との関係において存在していました。
以下では、「離婚後の」という趣旨で「『共同親権』制度」や「共同親権」という用語を用いることとします。
来年5月から「共同親権」制度が始まるということで、静岡県弁護士会においても、「共同親権」制度について既に2回の研修が行われています。
また、来月以降、静岡家庭裁判所の裁判官との3度のパネルディスカッションが開催される予定となっています。
そして、私は、その第1回のパネルディスカッションにおけるパネリストを仰せつかりまして、同役をお受けすることになりました。
しかし、私も、「共同親権」制度について2回の研修を受けただけでして、その程度の知識でパネルディスカッションに臨むことなど恐ろしくてできません。
そこで、「共同親権」に関する書籍などを入手して勉強し、私の知識の定着を兼ねて、ブログで「共同親権」制度についてまとめを作成することとしました。
このような事情から、今回のブログから5回にわたり、今後施行される「共同親権」制度や親権に関連する事項について、シリーズでお話をしたいと思います。
「離婚」の方法には3種類あります
そもそも親権者を決めなければならない場面というのは、子を持つ夫婦が離婚をする場面です。
そこで、まず、日本における「離婚」の方法についてお話をします。
日本では、夫婦が離婚をするための方法は3種類あります。
1つ目は、夫婦が話し合いをして、離婚届を作成し、市役所や区役所などに提出する方法です。
一般に「協議離婚」と呼ばれます。
離婚届には、子の親権者が誰であるのかということを記載する欄があります。
現時点では、未成年の子を持つ夫婦が協議離婚をするためには、夫婦のどちらが子の親権者となるのかを離婚届に記載する必要があります。
2つ目は、夫婦の話し合いの場が裁判所に移り、裁判所の中で話し合いをして、離婚をするという方法です。
裁判所での離婚についての話合いは、正式には「夫婦関係調整調停」と呼ばれますが、より簡単に「離婚調停」とも呼ばれます。
離婚調停を行い、夫婦間で離婚についての合意ができた場合、裁判所が夫婦間での話合いの結果を「調停調書」という書類にまとめてくれます。
当事者が「調停調書」を市役所や区役所に持って行くことにより、戸籍に離婚した事実が反映されます(夫婦間において、別途離婚届を作成する必要はありません)。
このような離婚の方法を「調停離婚」と呼びます。
3つ目は、離婚調停をしても離婚についての話がまとまらない場合、裁判をして離婚をすることになります。
いわゆる「離婚裁判」ですが、日本の法律では、いきなり離婚裁判を起こすということはできません。
離婚裁判を起こすためには、必ず離婚調停を経なければいけないことになっています。
離婚裁判においては、当事者の一方または双方が離婚の原因となる事実を主張し、その事実を証拠によって証明しなければなりません。
離婚の原因となる事実の典型例としては、不貞、不倫が挙げられます。
裁判官が、当事者双方の主張を聴いて、離婚の原因となる事実が認められるかどうかを証拠によって認定し、当該夫婦を離婚させるか、離婚させないかを判決により決定します。
このような離婚の方法を「裁判離婚」と呼びます。
親権者の決定が協議離婚の要件ではなくなります
先ほどもお話ししたように、現在の(改正前の)民法の下では、未成年の子どもがいる夫婦が離婚をするためには、父母のいずれが子の親権者となるかということを離婚時までに必ず決めなければなりませんでした。
逆に言うと、父母のいずれも絶対に親権者になりたいというような場合、協議離婚はできませんでした。
しかし改正民法においては、協議離婚の届けの際に、親権者の定めがされているか、親権者の定めを求める家事審判または家事調停の申立てがされているかのいずれかの条件が満たされていれば、離婚の受付けがされることになりました。
従前、夫婦間で離婚をしたいということについては意見が一致しているものの、夫婦のどちらが子の親権者となるかについて協議がまとまらないために、離婚ができないというケースが相当あったと思いますが、今後は、父母のいずれが親権者となるかという問題を一旦保留にして、離婚した後に親権者を決めるということができるようになりました。
これは、現実問題、かなり大きな改正だと思います。
ただし、離婚調停や離婚裁判においては、改正前と同様に、親権者を決めずに離婚するということはできません。
次回のブログでは、そもそも「親権」とは、どういった権利義務であるのか、という点を中心にお話をしていきたいと思います。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
弁護士石川のささやかな夏休み
ビールの話
皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
今年も、早くも残り3か月あまりとなりました。
最近はだいぶ涼しくなって過ごしやすい季節となってきました。
静岡市では8月6日に観測史上2位の気温を記録するなどしましたが、去年に比べれば、今年の夏の暑さは、まだマシだったかなぁという感じがします。
さて、今年の夏は非常に忙しく、激務と言える状態が続いていました。
6月末にほんの2、3日、ほっと一息つける瞬間がありましたが、まさに「瞬間」で、8月末までは本当に忙しかったです。
7月末から8月末まであっと言う間という感じで、それなりの期間の休みは取れなかったのですが、少しだけ今年の夏の思い出をお話ししたいと思います。
私石川は、ビールが好きでして、この夏仕事がめちゃくちゃ忙しかった中、せめておいしいビールで息抜きをしたいと思い、やたらとクラフトビールを飲んでいました。
私は、ビールの種類の中では、IPA(India Pale Ale)という種類のビールを好んで飲んでいます。
IPAは、グレープフルーツのような柑橘系の苦みが特徴的なビールです。
と言っても、IPAにも色々な味があり、私が好きなのは、オラホビールさんの「雷電カンヌキIPA」です。
IPAとしては、ヤッホーブルーイングさんの「インドの青鬼」も有名ですが、こちらは私にとっては、ガツンが過ぎて、雷電カンヌキIPAの方が好みです。

↑ たくさん飲んでいるはずなのに、「雷電カンヌキIPA」の写真が見つからず、だいぶ古い写真ですが、「インドの青鬼」の写真を掲載します。
とびきりおいしかった「有頂天エイリアンズ」
そんなわけで、この夏を迎えるまでは、私はIPAが好きだったわけですが、この夏セブンイレブン限定で販売されたヤッホーブルーイングさんの「有頂天エイリアンズ」には非常に感銘を受けました。
「有頂天エイリアンズ」は、Hazy IPAという種類のビールで、IPAの仲間なんですが、苦みが抑えられていて、ちょっと甘いような(桃かマンゴーのジュースのような口当たりの)、トロピカルなビールです。

↑ 「有頂天エイリアンズ」とアメリカからのホームステイ学生がくれたお土産の2ショット写真です
缶のデザインもいいですよね。
トロピカルな感じで。
これがめちゃくちゃ美味しかったのです。
しかし、このビールが売られていることを知ってから、購入できるまでに1~2週間かかりました。
売ってなかったんですよね。売り切れで。
購入を試みてセブンイレブンに通い始めたある朝、事務所の近くのセブンイレブンで初めて売ってるのを見かけて(現物を見かけて)、よしよし帰りに買って帰ろうと思って、帰りにセブンイレブンに寄ると既に売り切れになっていたりして、なかなか買うこと自体ができませんでした。
ようやく購入でき、初めて「有頂天エイリアンズ」を飲んだときには、期待を裏切らないおいしさでした。
その後も3、4回「有頂天エイリアンズ」を飲みました。
今年飲んだビールの中でダントツに美味しかったビールです。
しかし、このビール、お盆ころには、セブンイレブンの店頭から姿を消し、商品のタグ自体も陳列棚から撤去されていました。
ビールのパッケージに描かれたエイリアンは、どことなくクワガタ虫にも似ており、店頭から消えてしまったエイリアンに一抹のさみしさを覚えました。
しかし、オオクワガタは越冬できるそうでして(パッケージのエイリアンはオオクワガタに似ている!)、是非来年の夏も「有頂天エイリアンズ」にお目にかかりたいです。
鈴木光司さんの「リング」シリーズ
8月のお盆期間中も、平日の日中に仕事を休んだのは2日間のみで、なかなか休みが取れずじまいでした。
しかし、お盆初めの土日には、妻が子どもを連れて実家に泊まりに行ってくれたので、2か月ぶりくらいに自由な時間を満喫させてもらいました。
日曜日は、ほぼ1日中本を読んでいたのですが、このとき読んでいた本は、鈴木光司さんの「リング」と「らせん」です(またもやビールを飲みながらですが・・・)。

40歳以上の方であれば、一度は見聞きしたことがあるであろう、日本ホラー小説、映画の金字塔です。
私がこの本を初めて読んだのは、中学生のときでした。
ドラマ版の高山竜司(長瀬智也さん)と原作の高山竜司があまりに違っていて、衝撃を受けた記憶があります。
それから4半世紀ぶりに、ふと読みたくなって、再読してみました。
もちろんすごく面白かったのですが、私の中のホラー小説というイメージ(あるいは記憶)とはだいぶ違っていて、謎解き、ミステリーに近いような感じでした。
それほど怖くなかったです。
「リング」と言えば、確か映画だったと思いますが、貞子氏がテレビから這い出てくるシーンがトラウマ的に怖かったです。
しかし、原作小説では、貞子氏がテレビから出てくるシーンは明示的には描かれていません。
映像化にあたりあの表現方法を取られた方は天才だと思いました。
現在、このシリーズについて、私は「ループ」まで読み終えました。
「ループ」までは、中学生のときに読んだことがあるのですが、「バースデイ」はまだ読んだことがなかったはずです。
しかも、「バースデイ」の後、「エス」「タイド」という新刊が出ているようで、こちらももちろん購読予定です。
美味しいビールを飲みながら面白い小説を読むことを励みに、また仕事を頑張ろうと思います。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
石川アトム法律事務所の事務員ブログ~上海旅行
静岡空港発の上海旅行
みなさん、こんにちは。弁護士石川アトムの事務所で働いている事務員です。
今回は、先日行ってきた上海旅行について書きたいと思います。
静岡空港から上海に飛ぶ飛行機があったので、今回は静岡空港から出発することにしました。
私は金額の安い中国の航空会社で飛行機の予約をしました。飛行機はコードシェア便でJALもありましたが、金額が天と地ほど違いびっくりしました。
早めに予約したのですが、飛行機の値段はどんどん安くなっていて、私が買った時よりも2万円くらい下がった時がありました・・・。
静岡空港から初めての海外だったのですが、大きい空港と違ってチェックインや保安検査場、出国審査がとても空いていました。空港に着いたのが出発の1時間30分前でちょっと焦っていましたが、スムーズに進んで30分くらいで出国審査まで終わりました。海外旅行をしていてこんなにスムーズに進んだのは初めてでした。
飛行機はほぼ満席で、乗客のほとんどが中国人でした。
3時間くらいであっという間に上海に到着しました。
上海への旅行は初めてで、空港から出ると熱風と中国らしい匂いがしました。
移動は地下鉄に乗り、上海の中心地へ向かいました。地下鉄に乗るのにも、カバンとスーツケースはコンベアにのせてX検査機を通し、人もゲート状の金属探知機を通った後に、係員が持っている探知機でポケットやフードを検査されました。飛行機に乗るときみたいでドキドキしてしまいました。
ホテルのチェックインが今回の旅行の中でものすごく大変でした。
中国語は話せないと言っているのに、お構いなしにめちゃめちゃ中国語で話されました。英語では説明してもらえず翻訳アプリも使わず、結局何言っているのかは、ほとんどわからず・・・。
とりあえずチェックインできたので安心しました。
中国料理(羊肉串・小籠包)
お腹が空いたので、羊肉串のお店に行きました。
新疆ウイグル自治区の名物で、好き嫌いが分かれますが、羊肉に秘伝のスパイスがかかっていて私は病み付きになりました。
私は辛いのは得意ではないので、注文するときに辛さを少しにしてもらいました。羊肉串のスパイスとビールがとても合い、ビールがすごい勢いで無くなりました。中国のビールはアルコール度数が3%くらいしかないので軽くてとても飲みやすかったです。
美味しかったので、他の日にも別の羊肉串のお店にいきました。お店によってお肉の大きさや味付けが若干変わりますが、どちらもおいしかったです。
朝ご飯は、ホテル近くの小籠包屋さんに行きました。ノーマル、蟹味、海老味の3種類あり、3種類とも注文しました。小籠包は中からの汁がすごくめちゃめちゃおいしかったかったです。蟹味は蟹みそと蟹の身が入っていて、海老味は大きい海老が1匹入っていて、3種類ともとてもおいしかったです。
上海での観光・買い物
外灘の夜景を見に行きました。中国人のツアーもあるようで、観光地としてものすごく人が多かったです。感覚的に花火大会の帰りのぎゅうぎゅうな感じ(気温、湿度、人の熱気)に似ていました。
川沿いに行って夜景を見たかったのですが、人が多すぎて川沿いに行く道がどんどん封鎖されてしまい入れませんでした。また行く機会があれば挑戦したいと思います。
スターパックス リザーブ ロースタリー上海に行って、石川弁護士へのお土産(コーヒー豆)を買いました。お店には人がすごくたくさんいたのですが、予約や待ち時間はなくすんなり入ることが出来ました。
コーヒーに詳しくないので、つたない中国語と英語で店員さんに教えてもらいながら、上海オリジナルのコーヒー豆を買うことが出来ました。お茶も欲しかったのですが、欲しいお茶も量り売りでそこまで頑張れませんでした・・・。

今回の旅行でPOP MARTで売っているLABUBUの人形が欲しかったのですが、人気過ぎて買えませんでした。
日本帰国
帰りの飛行機は少し席の空きがありました。入国審査の日本人用のレーンは1人いたくらいで、ほとんどの乗客は中国人もしくは他の外国人だったのだと思いました。
本当にスムーズに進み、スーツケースを受け取ったら、検疫探知犬が近寄ってきました。
ほかの空港でも検疫探知犬を見かけましたが、近寄られる事が初めてでした。私の前に嗅がれていた中国人は犬がお座りをしたので、検査の人に連れていかれていました。
悪い物はもっていないのですが嗅がれているときはとても緊張しました。こんなに小さい空港にも検疫探知犬がいることに驚きました。
静岡空港からの海外旅行は待ち時間が少なくとても便利でした。また機会があれば利用したいと思いました。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
トシちゃんこと田原俊彦さんのコンサートに行ってきました!!
弁護士の仕事~攻めのターンと守りのターン
皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
一般的に7月下旬から8月といえば、夏休みだったり、お盆だったり、少しのんびりできるというイメージがあると思うのですが、今年のこの時期は本当に忙しかったです。
この時期限定で言えば、弁護士15年の中で今年が一番忙しかったかもしれません。
弁護士の仕事は、必ずしも裁判だけではなく、まだ裁判にはなっていない交渉事件もあるのですが(交渉が頓挫すると、裁判をせざるを得ません)、弁護士においては、裁判になっている民事事件や家事事件では、書面を作ることが主な仕事になります。
そして、裁判になっている事件では、多くの場合、攻めのターンと守りのターンが1月から1月半ごとに繰り返されます。
攻めのターンでは、相手方から出てきた書面に対する反論の書面を作成し、裁判所に提出します。
書面を作るために必要があれば、依頼者と打合せをしたり、依頼者から事情を聴き取ったり、文献や裁判例を調べたりします。
医療や建築など、法律外の専門知識が必要になる場合には、文献を調べることも多く、なかなか大変です。
守りのターンでは、相手方の書面が出てくるのを待っているだけのことが多く、あまりやることがありません。
攻めっぱなしだった1か月(涙)
通常、1か月のうちにある裁判は、攻めのターンが5割、守りのターンが5割、というような割合で、ひどくても攻めのターンが7割、守りのターンが3割という具合です。
しかし、次回の裁判がいつになるのか、ということについては、おおまかには1月から1月半後というのが通常ですが、裁判所と相手方弁護士の都合によって事件ごとに少しずつズレるもので、毎回ぴっちり1月ごとになるわけではありません。
また、時々2回連続攻撃のターンということもあります。
そういった事情もあってか、今年の8月から9月にかけて入っている裁判は、私にとって、ほぼ全てが攻めのターンになってしまったのです。
相当な数の書面を作りましたが、かなりヘビーでした。
その反面、次回の裁判ではそのほぼ全てが守りのターンとなることが予想され、現在とてもヒマです。
ヒマはヒマなのですが、次回全部守りのターンということは、次々回また全部攻撃のターンということが予測されます・・・。
「今できることをやっておかなければ、また攻めのターンでビッグウェーブが来たときに、しんどくなる!!」という、強迫観念に見舞われ、思い切り休むということができません。
そのため、あまり効率は良くないのですが、半年ほど先に行われることが予測される証人尋問に向けて陳述書を作ったり、尋問事項書を作成したりしています。
なかなか気分がスッキリとしない、今日この頃でした。
踊るパワースポットこと田原俊彦さんのコンサート
さて、この間の土曜日のことなのですが、富士市にありますロゼシアターで開催された田原俊彦さん(以下「トシちゃん」と呼ばせていただきます)のコンサート「TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE ‘T’ TOUR 2025 Dance with KING of IDOL 踊るパワースポット!」静岡公演に行って参りました。

コンサートの前日、某司法書士の先生よりお誘いをいただき、参加させていただきました。
8月は上記のような激務の状態にあり、また、色々と気分が落ち込むことがありました。
私は、某司法書士の先生の影響で、トシちゃんが「踊るパワースポット」と呼ばれている(?)ことを知っており、トシちゃんから元気をもらいたい、パワースポットにあやかりたい!という気持ちから、コンサートに参加させていただくことにしました。

こういう大人向けのライブというかコンサートは、かなり久しぶりで、最後に行ったのは、6年ほど前のthe band apartの対バンツアー@静岡だったと思います。
私も、SMAPとか嵐とか好きだったのですが、アイドルのコンサートは初めてでした。
トシちゃんのコンサートは、最初から最後までトシちゃんの全力前進感が半端なく、ダンスがとてもかっこよかったです。
コンサート前に、YouTubeで若干の予習をしたのですが、コンサートで、生で聴いてすごく良かったなぁと思ったのが「ごめんよ涙」でした。
うまく言葉にできないのですが、すごく良かったです!
「抱きしめてTONIGHT」も最高でした。
2時間以上にわたって、歌とダンスを披露してくれたのですが、トシちゃん、とても64歳とは思えません。
コンサートの日、娘の前で縄跳びを4回跳んで息が切れてしまった私はもっと運動をしなければいけないと痛烈に感じました。
トシちゃんから元気をもらい、またお仕事を頑張りたいです!
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
個人の自己破産申立てのための準備~番外編 自己破産手続と自宅などの所有不動産について2
自己破産における自宅の処分
皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
来週から9月に入りますが、残暑が厳しく続いております。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
前回のブログでは、個人の方を対象とした自己破産申立ての準備に関するブログの番外編として、自宅などの不動産をお持ちの方に関して、自己破産をした場合、お持ちの不動産がどうなるのか、というお話をしました。
前回のブログでは、自己破産をしたとしても、その不動産に住み続けることができる場合(ご親族や知人が不動産を買い取ってくれたり、残ローンを支払ってくれたりする場合)があることについてお話をしました。
今回は、親族や知人による不動産の買取りや残ローンの支払いが困難である場合についてお話をします。
自己破産をしたら、いつまでに自宅を出て行かなければならないのか
どなたかがご自宅を買い取ってくれる、あるいは、ご自宅に設定されている抵当権に関する負債を支払ってくれるということでもない限り、基本的には、ご自宅は破産手続の中で売却処分されます。
破産手続の中でご自宅が売却された場合、当然のことながら、破産者はご自宅から出て行かなければなりません。
問題となるのは、いつまで自宅にいて良いのか、ということです。
このことについて明確な答えはありません。
しかし、遅くとも破産手続が開始された時点で、申立人(破産者)が所有している財産の管理処分権限は破産管財人が有することになり、観念的には開始決定が出された時点から、破産管財人はご自宅の売却処分に向けて動き出すことになります。
そのため、私としては、遅くとも破産手続が開始された時点までにはご自宅から退去していただくべきだと考えています。
当事務所の場合、ご相談をいただいてから破産手続を申し立てるまで、概ね2月程度のお時間をいただいています。
破産手続を申し立ててから破産手続の開始決定が出るまでの期間を2週間程度と見積りますと、ご相談をいただいた時点で自己破産を申し立てることを決意されている方の場合には、ご相談のときから概ね2か月から3か月後にはご自宅を出ていただくという腹づもりでいていただきたいと思います。
もちろん、様々なご事情により、上記のような期間のうちにご自宅を出て、別の場所へ引越しをするということが困難な方もいらっしゃると思います。
ご自宅をお持ちの方で、ご自宅を去らなければならない公算が高い方については、破産申立ての準備中に、ご自宅に関する対応についてご相談させていただければと思います。
破産をしても不動産が戻ってくるケース~破産管財人による破産財団からの放棄
前回のブログでお話ししたように、お手持ちの不動産は、原則的には、破産手続の中で現金化され、その現金が破産債権者に対して分配されることになります。
しかし、不動産の中には、破産手続においても現金化できない、つまり、売れない不動産というものも存在します。
典型的には、山林、原野の類ですが、田畑についても買い手が見つからず、現金化できないということもあります。
売れない不動産については、最終的に、破産管財人が売却を断念することがあります。
この場合、売れなかった不動産は、破産手続の中で現金化して債権者に分けるべく構成されている財産の集まり(「破産財団」といいます)から、放棄され(分離され)、破産者のもとに返ってくることになります。
このようなケースは、山林、原野、田畑に限らず、居住用の不動産、つまりご自宅についても起こり得ます。
たとえば、老朽化が著しく建物の解体費用が土地の値段を上回る、崖の直下などマイナス面が大きい、共有物件で他の共有者が売却に反対している、等々の理由によって、破産手続の中で売却ができないということがあります。
このような場合、それまで住んでいた不動産が、破産手続が終わっても売られずに、また破産者のもとに返ってくるということになります。
ただし、その場合でも、ご自宅に抵当権が付いていれば、抵当権が付いたままのご自宅が返ってくるということに注意が必要です。
つまり、破産手続が終わって、ご自宅が再び破産者の管理下に置かれることになったとしても(またご自宅に住めるようになったとしても)、債権者が競売を申立て、結局競売により売却されてしまうということが考えられます。
当事務所では、法人、個人を問わず、自己破産手続の申立てを多く取り扱っております。
ご自宅などの不動産をお持ちで自己破産をお考えの場合には、ぜひ一度当事務所にご相談ください。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
個人の自己破産申立てのための準備~番外編 自己破産手続と自宅などの所有不動産について1
自己破産をした場合の懸念~不動産をお持ちの場合
皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
今回は、個人の方を対象とした自己破産申立ての準備に関するブログの第7弾ですが、番外編の位置付けです。
自己破産を申し立てる際、不動産をお持ちの方、特に自宅をお持ちの方においては、破産をしたら自宅はどうなってしまうのか、いつまで住むことができるのか、ということが最大の関心事になると思います。
そこで今回は、自宅不動産を所有している場合についてお話ししていきます。
自己破産をした場合の自宅の行く末について
当事務所のブログでたびたびお話をしているように、破産手続そのものは、借金を0にする手続ではなく、破産者が所有している財産を現金化し、債権者に分配することを本質としています。
そのため、自己破産を申し立てた場合、基本的には、自宅は売却処分となります。
この場合、破産手続が始まった後、破産管財人という別の弁護士が裁判所によって選任されます(破産管財人に関するご説明はこちらのページをご覧ください)。
破産管財人は、銀行などの抵当権者と話をし合いをしながら不動産の買い手を探し、最終的には裁判所の許可と、抵当権者の同意のもと不動産を売却することになります。
抵当権者である金融機関が売却にOKを出してくれないと、不動産を第三者に売却することは事実上不可能です。
抵当権が付いている不動産は、売却して所有者が変わったとしても(名義が買主に移転したとしても)、抵当権が付いたままでは、その後に不動産が競売にかけられ、落札者が代金を支払った場合、買主は所有権を失うことになります。
このような事情があるため、買主が「安心して」不動産の所有権を取得するためには、売買時に、不動産に設定されている抵当権を金融機関に外してもらう必要があります。
そのため、不動産を誰にいくらで売るかということについては、抵当権者である金融機関の同意を得る必要があるのです。
自己破産をしても自宅を出て行かなくても良いケース
自宅不動産をお持ちの方が自己破産をする場合、もっとも気になる点が、自宅を出て行かなければならないのか、ということでしょう。
自宅を出て行かなくても済むケースとしては、ご親族、知人の方が、自宅不動産を丸々買い取ってくれるというケース、あるいは、自宅不動産に付いている抵当権によって担保されている債務を全額を弁済してくれるというケースがあります。
ごくごく稀にですが、このようなケースもあります。
ただし、このようなケースでも、いくつかの注意点があります。
前回のブログでお話をしたように、不動産の価値には幅があります。
ある不動産会社が、この土地建物は1200万円が妥当だという査定書を出したとしても、別の不動産会社は1500万円が妥当だという価値判断をするかもしれません。
不動産をお持ちの状態で自己破産をする場合には、自己破産の申立てにあたって不動産会社の査定書を添付する必要があります。
しかし、破産手続が開始された後に選任された破産管財人が、申立ての段階で取得した査定書よりも、高額な査定書を取得するということもあります。
このような場合、破産管財人は、自身が取得したより高額な査定書の金額でなければ売却しない、という判断をするかもしれません。
あるいは、申立人(破産者)の親族や知人が出せる金額以上の金額で買取りを希望する人が出てくるかもしれません。
破産管財人としては、できる限り高く不動産を売るように努めますので、これらのケースでは、申立人の親族や知人が不動産の買取りを希望したとしても、同人らへの売却は実現しない可能性があります。
また、別のケースとして、たとえば、複数の不動産会社の査定を取得したところ、最高額でも1000万円という評価であったのに、抵当権者である金融機関が(様々な事情により)どうしても1500万円でなければ売却に同意しない、ということもあり得ます。
さらにまた別のケースとしては、自宅不動産が既に競売にかけられてしまっているようなケース、つまり借入れに関する問題が発生してから、かなり長い期間が経過してしまっているようなケースでは、自宅不動産を競売以外の方法で売却することについて、金融機関が難色を示すこともあります。
当事務所では、会社、個人を問わず自己破産申立事件を多数扱っており、また、裁判所から破産管財人に選任され、破産事件を取り仕切ることも多くあります。
自宅不動産をお持ちの方で、自己破産の申立てを検討されている方は、当事務所に是非一度ご相談ください。
静岡を拠点に活動する弁護士の石川アトムと申します。静岡市に育ち、大学時代に祖母が交通事故に遭ったことをきっかけに、人の人生の大切な一歩を支えたい気持ちが芽生えました。東北大学法学部や京都大学法科大学院で学び、地元で弁護士として働きたい想いを胸に、2022年に独立開業し、石川アトム法律事務所を立ち上げました。事件の進行状況や今後の見通しをこまめに伝えるよう心がけ、ご相談者さまの安心につながればと思っています。趣味は英会話。
