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弁護士石川のささやかな夏休み

2025-09-29

ビールの話

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

今年も、早くも残り3か月あまりとなりました。

最近はだいぶ涼しくなって過ごしやすい季節となってきました。

静岡市では8月6日に観測史上2位の気温を記録するなどしましたが、去年に比べれば、今年の夏の暑さは、まだマシだったかなぁという感じがします。

さて、今年の夏は非常に忙しく、激務と言える状態が続いていました。

6月末にほんの2、3日、ほっと一息つける瞬間がありましたが、まさに「瞬間」で、8月末までは本当に忙しかったです。

7月末から8月末まであっと言う間という感じで、それなりの期間の休みは取れなかったのですが、少しだけ今年の夏の思い出をお話ししたいと思います。

私石川は、ビールが好きでして、この夏仕事がめちゃくちゃ忙しかった中、せめておいしいビールで息抜きをしたいと思い、やたらとクラフトビールを飲んでいました。

私は、ビールの種類の中では、IPA(India Pale Ale)という種類のビールを好んで飲んでいます。

IPAは、グレープフルーツのような柑橘系の苦みが特徴的なビールです。

と言っても、IPAにも色々な味があり、私が好きなのは、オラホビールさんの「雷電カンヌキIPA」です。

IPAとしては、ヤッホーブルーイングさんの「インドの青鬼」も有名ですが、こちらは私にとっては、ガツンが過ぎて、雷電カンヌキIPAの方が好みです。

↑ たくさん飲んでいるはずなのに、「雷電カンヌキIPA」の写真が見つからず、だいぶ古い写真ですが、「インドの青鬼」の写真を掲載します。

とびきりおいしかった「有頂天エイリアンズ」

そんなわけで、この夏を迎えるまでは、私はIPAが好きだったわけですが、この夏セブンイレブン限定で販売されたヤッホーブルーイングさんの「有頂天エイリアンズ」には非常に感銘を受けました。

「有頂天エイリアンズ」は、Hazy IPAという種類のビールで、IPAの仲間なんですが、苦みが抑えられていて、ちょっと甘いような(桃かマンゴーのジュースのような口当たりの)、トロピカルなビールです。

↑ 「有頂天エイリアンズ」とアメリカからのホームステイ学生がくれたお土産の2ショット写真です

缶のデザインもいいですよね。

トロピカルな感じで。

これがめちゃくちゃ美味しかったのです。

しかし、このビールが売られていることを知ってから、購入できるまでに1~2週間かかりました。

売ってなかったんですよね。売り切れで。

購入を試みてセブンイレブンに通い始めたある朝、事務所の近くのセブンイレブンで初めて売ってるのを見かけて(現物を見かけて)、よしよし帰りに買って帰ろうと思って、帰りにセブンイレブンに寄ると既に売り切れになっていたりして、なかなか買うこと自体ができませんでした。

ようやく購入でき、初めて「有頂天エイリアンズ」を飲んだときには、期待を裏切らないおいしさでした。

その後も3、4回「有頂天エイリアンズ」を飲みました。

今年飲んだビールの中でダントツに美味しかったビールです。

しかし、このビール、お盆ころには、セブンイレブンの店頭から姿を消し、商品のタグ自体も陳列棚から撤去されていました。

ビールのパッケージに描かれたエイリアンは、どことなくクワガタ虫にも似ており、店頭から消えてしまったエイリアンに一抹のさみしさを覚えました。

しかし、オオクワガタは越冬できるそうでして(パッケージのエイリアンはオオクワガタに似ている!)、是非来年の夏も「有頂天エイリアンズ」にお目にかかりたいです。

鈴木光司さんの「リング」シリーズ

8月のお盆期間中も、平日の日中に仕事を休んだのは2日間のみで、なかなか休みが取れずじまいでした。

しかし、お盆初めの土日には、妻が子どもを連れて実家に泊まりに行ってくれたので、2か月ぶりくらいに自由な時間を満喫させてもらいました。

日曜日は、ほぼ1日中本を読んでいたのですが、このとき読んでいた本は、鈴木光司さんの「リング」と「らせん」です(またもやビールを飲みながらですが・・・)。

40歳以上の方であれば、一度は見聞きしたことがあるであろう、日本ホラー小説、映画の金字塔です。

私がこの本を初めて読んだのは、中学生のときでした。

ドラマ版の高山竜司(長瀬智也さん)と原作の高山竜司があまりに違っていて、衝撃を受けた記憶があります。

それから4半世紀ぶりに、ふと読みたくなって、再読してみました。

もちろんすごく面白かったのですが、私の中のホラー小説というイメージ(あるいは記憶)とはだいぶ違っていて、謎解き、ミステリーに近いような感じでした。

それほど怖くなかったです。

「リング」と言えば、確か映画だったと思いますが、貞子氏がテレビから這い出てくるシーンがトラウマ的に怖かったです。

しかし、原作小説では、貞子氏がテレビから出てくるシーンは明示的には描かれていません。

映像化にあたりあの表現方法を取られた方は天才だと思いました。

現在、このシリーズについて、私は「ループ」まで読み終えました。

「ループ」までは、中学生のときに読んだことがあるのですが、「バースデイ」はまだ読んだことがなかったはずです。

しかも、「バースデイ」の後、「エス」「タイド」という新刊が出ているようで、こちらももちろん購読予定です。

美味しいビールを飲みながら面白い小説を読むことを励みに、また仕事を頑張ろうと思います。

石川アトム法律事務所の事務員ブログ~上海旅行

2025-09-19

静岡空港発の上海旅行

みなさん、こんにちは。弁護士石川アトムの事務所で働いている事務員です。

今回は、先日行ってきた上海旅行について書きたいと思います。

静岡空港から上海に飛ぶ飛行機があったので、今回は静岡空港から出発することにしました。

私は金額の安い中国の航空会社で飛行機の予約をしました。飛行機はコードシェア便でJALもありましたが、金額が天と地ほど違いびっくりしました。
早めに予約したのですが、飛行機の値段はどんどん安くなっていて、私が買った時よりも2万円くらい下がった時がありました・・・。

静岡空港から初めての海外だったのですが、大きい空港と違ってチェックインや保安検査場、出国審査がとても空いていました。空港に着いたのが出発の1時間30分前でちょっと焦っていましたが、スムーズに進んで30分くらいで出国審査まで終わりました。海外旅行をしていてこんなにスムーズに進んだのは初めてでした。

飛行機はほぼ満席で、乗客のほとんどが中国人でした。
3時間くらいであっという間に上海に到着しました。

上海への旅行は初めてで、空港から出ると熱風と中国らしい匂いがしました。

移動は地下鉄に乗り、上海の中心地へ向かいました。地下鉄に乗るのにも、カバンとスーツケースはコンベアにのせてX検査機を通し、人もゲート状の金属探知機を通った後に、係員が持っている探知機でポケットやフードを検査されました。飛行機に乗るときみたいでドキドキしてしまいました。

ホテルのチェックインが今回の旅行の中でものすごく大変でした。
中国語は話せないと言っているのに、お構いなしにめちゃめちゃ中国語で話されました。英語では説明してもらえず翻訳アプリも使わず、結局何言っているのかは、ほとんどわからず・・・。
とりあえずチェックインできたので安心しました。

中国料理(羊肉串・小籠包)

お腹が空いたので、羊肉串のお店に行きました。
新疆ウイグル自治区の名物で、好き嫌いが分かれますが、羊肉に秘伝のスパイスがかかっていて私は病み付きになりました。

私は辛いのは得意ではないので、注文するときに辛さを少しにしてもらいました。羊肉串のスパイスとビールがとても合い、ビールがすごい勢いで無くなりました。中国のビールはアルコール度数が3%くらいしかないので軽くてとても飲みやすかったです。

美味しかったので、他の日にも別の羊肉串のお店にいきました。お店によってお肉の大きさや味付けが若干変わりますが、どちらもおいしかったです。

朝ご飯は、ホテル近くの小籠包屋さんに行きました。ノーマル、蟹味、海老味の3種類あり、3種類とも注文しました。小籠包は中からの汁がすごくめちゃめちゃおいしかったかったです。蟹味は蟹みそと蟹の身が入っていて、海老味は大きい海老が1匹入っていて、3種類ともとてもおいしかったです。

上海での観光・買い物

外灘の夜景を見に行きました。中国人のツアーもあるようで、観光地としてものすごく人が多かったです。感覚的に花火大会の帰りのぎゅうぎゅうな感じ(気温、湿度、人の熱気)に似ていました。

川沿いに行って夜景を見たかったのですが、人が多すぎて川沿いに行く道がどんどん封鎖されてしまい入れませんでした。また行く機会があれば挑戦したいと思います。

スターパックス リザーブ ロースタリー上海に行って、石川弁護士へのお土産(コーヒー豆)を買いました。お店には人がすごくたくさんいたのですが、予約や待ち時間はなくすんなり入ることが出来ました。
コーヒーに詳しくないので、つたない中国語と英語で店員さんに教えてもらいながら、上海オリジナルのコーヒー豆を買うことが出来ました。お茶も欲しかったのですが、欲しいお茶も量り売りでそこまで頑張れませんでした・・・。

今回の旅行でPOP MARTで売っているLABUBUの人形が欲しかったのですが、人気過ぎて買えませんでした。

日本帰国

帰りの飛行機は少し席の空きがありました。入国審査の日本人用のレーンは1人いたくらいで、ほとんどの乗客は中国人もしくは他の外国人だったのだと思いました。

本当にスムーズに進み、スーツケースを受け取ったら、検疫探知犬が近寄ってきました。
ほかの空港でも検疫探知犬を見かけましたが、近寄られる事が初めてでした。私の前に嗅がれていた中国人は犬がお座りをしたので、検査の人に連れていかれていました。
悪い物はもっていないのですが嗅がれているときはとても緊張しました。こんなに小さい空港にも検疫探知犬がいることに驚きました。

静岡空港からの海外旅行は待ち時間が少なくとても便利でした。また機会があれば利用したいと思いました。

トシちゃんこと田原俊彦さんのコンサートに行ってきました!!

2025-09-09

弁護士の仕事~攻めのターンと守りのターン

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

一般的に7月下旬から8月といえば、夏休みだったり、お盆だったり、少しのんびりできるというイメージがあると思うのですが、今年のこの時期は本当に忙しかったです。

この時期限定で言えば、弁護士15年の中で今年が一番忙しかったかもしれません。

弁護士の仕事は、必ずしも裁判だけではなく、まだ裁判にはなっていない交渉事件もあるのですが(交渉が頓挫すると、裁判をせざるを得ません)、弁護士においては、裁判になっている民事事件や家事事件では、書面を作ることが主な仕事になります。

そして、裁判になっている事件では、多くの場合、攻めのターンと守りのターンが1月から1月半ごとに繰り返されます。

攻めのターンでは、相手方から出てきた書面に対する反論の書面を作成し、裁判所に提出します。

書面を作るために必要があれば、依頼者と打合せをしたり、依頼者から事情を聴き取ったり、文献や裁判例を調べたりします。

医療や建築など、法律外の専門知識が必要になる場合には、文献を調べることも多く、なかなか大変です。

守りのターンでは、相手方の書面が出てくるのを待っているだけのことが多く、あまりやることがありません。

攻めっぱなしだった1か月(涙)

通常、1か月のうちにある裁判は、攻めのターンが5割、守りのターンが5割、というような割合で、ひどくても攻めのターンが7割、守りのターンが3割という具合です。

しかし、次回の裁判がいつになるのか、ということについては、おおまかには1月から1月半後というのが通常ですが、裁判所と相手方弁護士の都合によって事件ごとに少しずつズレるもので、毎回ぴっちり1月ごとになるわけではありません。

また、時々2回連続攻撃のターンということもあります。

そういった事情もあってか、今年の8月から9月にかけて入っている裁判は、私にとって、ほぼ全てが攻めのターンになってしまったのです。

相当な数の書面を作りましたが、かなりヘビーでした。

その反面、次回の裁判ではそのほぼ全てが守りのターンとなることが予想され、現在とてもヒマです。

ヒマはヒマなのですが、次回全部守りのターンということは、次々回また全部攻撃のターンということが予測されます・・・。

「今できることをやっておかなければ、また攻めのターンでビッグウェーブが来たときに、しんどくなる!!」という、強迫観念に見舞われ、思い切り休むということができません。

そのため、あまり効率は良くないのですが、半年ほど先に行われることが予測される証人尋問に向けて陳述書を作ったり、尋問事項書を作成したりしています。

なかなか気分がスッキリとしない、今日この頃でした。

踊るパワースポットこと田原俊彦さんのコンサート

さて、この間の土曜日のことなのですが、富士市にありますロゼシアターで開催された田原俊彦さん(以下「トシちゃん」と呼ばせていただきます)のコンサート「TOSHIHIKO TAHARA DOUBLE ‘T’ TOUR 2025 Dance with KING of IDOL 踊るパワースポット!」静岡公演に行って参りました。

コンサートの前日、某司法書士の先生よりお誘いをいただき、参加させていただきました。

8月は上記のような激務の状態にあり、また、色々と気分が落ち込むことがありました。

私は、某司法書士の先生の影響で、トシちゃんが「踊るパワースポット」と呼ばれている(?)ことを知っており、トシちゃんから元気をもらいたい、パワースポットにあやかりたい!という気持ちから、コンサートに参加させていただくことにしました。

こういう大人向けのライブというかコンサートは、かなり久しぶりで、最後に行ったのは、6年ほど前のthe band apartの対バンツアー@静岡だったと思います。

私も、SMAPとか嵐とか好きだったのですが、アイドルのコンサートは初めてでした。

トシちゃんのコンサートは、最初から最後までトシちゃんの全力前進感が半端なく、ダンスがとてもかっこよかったです。

コンサート前に、YouTubeで若干の予習をしたのですが、コンサートで、生で聴いてすごく良かったなぁと思ったのが「ごめんよ涙」でした。

うまく言葉にできないのですが、すごく良かったです!

「抱きしめてTONIGHT」も最高でした。

2時間以上にわたって、歌とダンスを披露してくれたのですが、トシちゃん、とても64歳とは思えません。

コンサートの日、娘の前で縄跳びを4回跳んで息が切れてしまった私はもっと運動をしなければいけないと痛烈に感じました。

トシちゃんから元気をもらい、またお仕事を頑張りたいです!

個人の自己破産申立てのための準備~番外編 自己破産手続と自宅などの所有不動産について2

2025-08-30

自己破産における自宅の処分

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

来週から9月に入りますが、残暑が厳しく続いております。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

前回のブログでは、個人の方を対象とした自己破産申立ての準備に関するブログの番外編として、自宅などの不動産をお持ちの方に関して、自己破産をした場合、お持ちの不動産がどうなるのか、というお話をしました。

前回のブログでは、自己破産をしたとしても、その不動産に住み続けることができる場合(ご親族や知人が不動産を買い取ってくれたり、残ローンを支払ってくれたりする場合)があることについてお話をしました。

今回は、親族や知人による不動産の買取りや残ローンの支払いが困難である場合についてお話をします。

自己破産をしたら、いつまでに自宅を出て行かなければならないのか

どなたかがご自宅を買い取ってくれる、あるいは、ご自宅に設定されている抵当権に関する負債を支払ってくれるということでもない限り、基本的には、ご自宅は破産手続の中で売却処分されます。

破産手続の中でご自宅が売却された場合、当然のことながら、破産者はご自宅から出て行かなければなりません。

問題となるのは、いつまで自宅にいて良いのか、ということです。

このことについて明確な答えはありません。

しかし、遅くとも破産手続が開始された時点で、申立人(破産者)が所有している財産の管理処分権限は破産管財人が有することになり、観念的には開始決定が出された時点から、破産管財人はご自宅の売却処分に向けて動き出すことになります。

そのため、私としては、遅くとも破産手続が開始された時点までにはご自宅から退去していただくべきだと考えています。

当事務所の場合、ご相談をいただいてから破産手続を申し立てるまで、概ね2月程度のお時間をいただいています。

破産手続を申し立ててから破産手続の開始決定が出るまでの期間を2週間程度と見積りますと、ご相談をいただいた時点で自己破産を申し立てることを決意されている方の場合には、ご相談のときから概ね2か月から3か月後にはご自宅を出ていただくという腹づもりでいていただきたいと思います。

もちろん、様々なご事情により、上記のような期間のうちにご自宅を出て、別の場所へ引越しをするということが困難な方もいらっしゃると思います。

ご自宅をお持ちの方で、ご自宅を去らなければならない公算が高い方については、破産申立ての準備中に、ご自宅に関する対応についてご相談させていただければと思います。

破産をしても不動産が戻ってくるケース~破産管財人による破産財団からの放棄

前回のブログでお話ししたように、お手持ちの不動産は、原則的には、破産手続の中で現金化され、その現金が破産債権者に対して分配されることになります。

しかし、不動産の中には、破産手続においても現金化できない、つまり、売れない不動産というものも存在します。

典型的には、山林、原野の類ですが、田畑についても買い手が見つからず、現金化できないということもあります。

売れない不動産については、最終的に、破産管財人が売却を断念することがあります。

この場合、売れなかった不動産は、破産手続の中で現金化して債権者に分けるべく構成されている財産の集まり(「破産財団」といいます)から、放棄され(分離され)、破産者のもとに返ってくることになります。

このようなケースは、山林、原野、田畑に限らず、居住用の不動産、つまりご自宅についても起こり得ます。

たとえば、老朽化が著しく建物の解体費用が土地の値段を上回る、崖の直下などマイナス面が大きい、共有物件で他の共有者が売却に反対している、等々の理由によって、破産手続の中で売却ができないということがあります。

このような場合、それまで住んでいた不動産が、破産手続が終わっても売られずに、また破産者のもとに返ってくるということになります。

ただし、その場合でも、ご自宅に抵当権が付いていれば、抵当権が付いたままのご自宅が返ってくるということに注意が必要です。

つまり、破産手続が終わって、ご自宅が再び破産者の管理下に置かれることになったとしても(またご自宅に住めるようになったとしても)、債権者が競売を申立て、結局競売により売却されてしまうということが考えられます。

当事務所では、法人、個人を問わず、自己破産手続の申立てを多く取り扱っております。

ご自宅などの不動産をお持ちで自己破産をお考えの場合には、ぜひ一度当事務所にご相談ください。

個人の自己破産申立てのための準備~番外編 自己破産手続と自宅などの所有不動産について1

2025-08-20

自己破産をした場合の懸念~不動産をお持ちの場合

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

今回は、個人の方を対象とした自己破産申立ての準備に関するブログの第7弾ですが、番外編の位置付けです。

自己破産を申し立てる際、不動産をお持ちの方、特に自宅をお持ちの方においては、破産をしたら自宅はどうなってしまうのか、いつまで住むことができるのか、ということが最大の関心事になると思います。

そこで今回は、自宅不動産を所有している場合についてお話ししていきます。

自己破産をした場合の自宅の行く末について

当事務所のブログでたびたびお話をしているように、破産手続そのものは、借金を0にする手続ではなく、破産者が所有している財産を現金化し、債権者に分配することを本質としています。

そのため、自己破産を申し立てた場合、基本的には、自宅は売却処分となります。

この場合、破産手続が始まった後、破産管財人という別の弁護士が裁判所によって選任されます(破産管財人に関するご説明はこちらのページをご覧ください)。

破産管財人は、銀行などの抵当権者と話をし合いをしながら不動産の買い手を探し、最終的には裁判所の許可と、抵当権者の同意のもと不動産を売却することになります。

抵当権者である金融機関が売却にOKを出してくれないと、不動産を第三者に売却することは事実上不可能です。

抵当権が付いている不動産は、売却して所有者が変わったとしても(名義が買主に移転したとしても)、抵当権が付いたままでは、その後に不動産が競売にかけられ、落札者が代金を支払った場合、買主は所有権を失うことになります。

このような事情があるため、買主が「安心して」不動産の所有権を取得するためには、売買時に、不動産に設定されている抵当権を金融機関に外してもらう必要があります。

そのため、不動産を誰にいくらで売るかということについては、抵当権者である金融機関の同意を得る必要があるのです。

自己破産をしても自宅を出て行かなくても良いケース

自宅不動産をお持ちの方が自己破産をする場合、もっとも気になる点が、自宅を出て行かなければならないのか、ということでしょう。

自宅を出て行かなくても済むケースとしては、ご親族、知人の方が、自宅不動産を丸々買い取ってくれるというケース、あるいは、自宅不動産に付いている抵当権によって担保されている債務を全額を弁済してくれるというケースがあります。

ごくごく稀にですが、このようなケースもあります。

ただし、このようなケースでも、いくつかの注意点があります。

前回のブログでお話をしたように、不動産の価値には幅があります。

ある不動産会社が、この土地建物は1200万円が妥当だという査定書を出したとしても、別の不動産会社は1500万円が妥当だという価値判断をするかもしれません。

不動産をお持ちの状態で自己破産をする場合には、自己破産の申立てにあたって不動産会社の査定書を添付する必要があります。

しかし、破産手続が開始された後に選任された破産管財人が、申立ての段階で取得した査定書よりも、高額な査定書を取得するということもあります。

このような場合、破産管財人は、自身が取得したより高額な査定書の金額でなければ売却しない、という判断をするかもしれません。

あるいは、申立人(破産者)の親族や知人が出せる金額以上の金額で買取りを希望する人が出てくるかもしれません。

破産管財人としては、できる限り高く不動産を売るように努めますので、これらのケースでは、申立人の親族や知人が不動産の買取りを希望したとしても、同人らへの売却は実現しない可能性があります。

また、別のケースとして、たとえば、複数の不動産会社の査定を取得したところ、最高額でも1000万円という評価であったのに、抵当権者である金融機関が(様々な事情により)どうしても1500万円でなければ売却に同意しない、ということもあり得ます。

さらにまた別のケースとしては、自宅不動産が既に競売にかけられてしまっているようなケース、つまり借入れに関する問題が発生してから、かなり長い期間が経過してしまっているようなケースでは、自宅不動産を競売以外の方法で売却することについて、金融機関が難色を示すこともあります。

当事務所では、会社、個人を問わず自己破産申立事件を多数扱っており、また、裁判所から破産管財人に選任され、破産事件を取り仕切ることも多くあります。

自宅不動産をお持ちの方で、自己破産の申立てを検討されている方は、当事務所に是非一度ご相談ください。

個人の自己破産申立てのための準備~その6 不動産について

2025-08-09

自己破産の申立てにおいて必要となる書類~不動産をお持ちの場合

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

8月に入り、先日静岡市では、最高気温41.4度を記録しました。

あの日は凄まじい暑さで、エアコンを付けていても、窓際の私の席は暑さで気持ち悪くなってきそうなぐらいでした。

あの日が今夏の暑さのピークであると信じたいですが、皆様も何卒ご自愛ください。

さて、今回からまたしばらく、ブログの内容は、個人の方を対象とした自己破産申立てに関するものとなります。

今回はその第6弾、不動産に関するお話です。

不動産をお持ちの方の場合、アパートマンションなどを居住用に賃借されている方の場合と、場合を分けてお話をしていきたいと思います。

まずは不動産をお持ちの方についてです。

不動産を所有されている場合、多くの場合、その不動産は、居住用、つまり、ご自宅をお持ちだということになろうかと思います。

そして、多くの場合、ご自宅の住宅ローンは支払いが継続中で、ご自宅には金融機関の抵当権が設定されていると思われます。

このような不動産をお持ちの場合、以下のような書類をご準備いただく必要があります。

① 不動産の全部事項証明書(いわゆる「登記簿」、「不動産登記」のことです)

不動産の全部事項証明書は、法務局で取得可能です。

② 不動産の固定資産評価証明書

お持ちの不動産すべてについて取得してください。

市役所、区役所で取得が可能です。

田畑、山林などを含め、お手持ちの不動産が5つ以上あるという場合には、固定資産評価証明書とともに、市役所、区役所で「名寄帳(なよせちょう)」を取得してきてください。

③ 不動産会社による評価書、査定書

固定資産評価証明書は、一定程度、対象となる土地建物の資産価値を反映しています。

しかし、固定資産評価証明書に記載された「価値」は、市場価値とは乖離している場合があります。

また、不動産という財産自体、その価値が一義的に定まるものではなく、価値には一定の幅があります。

誰が見ても、この土地の価値は1234万5678円以外ありえない、というようには決まらないということです。

後のブログでもお話ししますが、破産をした場合、基本的に、ご自宅は売却処分をしなければなりません(そして、売却によって増えた財産は、破産手続の中で債権者へ分配していく必要があります)。

裁判所、あるいは、破産管財人としては、ご自宅がどの程度の金額で売却できるのかを予測する必要があります。

そのため、固定資産評価証明書に加え、実際の市場価格により近いと考えられる、不動産会社の評価書、あるいは査定書を提出する必要があります。

お知り合いに不動産会社にお勤めの方がいて、その人に依頼できるようであれば、その人に査定書を出してもらってください。

不動産会社にツテがない、という場合には、当職宛てご相談ください。

④ 住宅ローンの残高が分かる資料

お手持ちの不動産に抵当権が設定されている場合、当該抵当権のもととなっている負債が今いくら残っているのか分かる資料をご用意ください。

典型的には住宅ローンの月々の返済表です。

タイトルでは「住宅ローンの残高が分かる資料」と書きましたが、住宅ローン以外でも、事業の借入れのために、ご自宅を担保に入れていることがあるかもしれません。

そのような場合には、当該事業の借入れの残高がいくら残っているかが分かる資料が必要です。

山林や田畑など売却することが困難と思われる不動産をお持ちの方

ご相談者様によっては、山林や田畑など、売却が困難と思われる不動産をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

基本的には、そのようなケースでも、上記の①、②、④の資料はご用意いただく必要があります(④は担保に入っていなければご不要です)。

他方で、特に山林などでは、裁判所から、③不動産会社の評価書、査定書の提出までは強いて求められないという傾向があるように思います。

ただし、用意できた方が良いと思いますし、農地でも転用が容易と思われるものや、山林であっても途方もない大きさのものであれば、破産手続の中で売却できる可能性がありますので(相応の財産的価値もあると思いますので)、評価書、査定書の提出も必要になってくるのかな、と思います。

それほど土地の数が多いのでもなければ、ご自宅(等)の評価書を取得する際、合わせて不動産会社に山林等の査定をお願いするのがベストだと思います。

アパート、マンションなど不動産を借りていらっしゃる方

アパートやマンションなど、賃貸物件にお住まいの方は、不動産の賃貸借契約書をご持参ください。

アパートやマンションなど、賃貸物件にお住まいの方から、「破産をしたら、アパートを出て行かなければなりませんか」というご質問をいただくことがあります。

破産をしたからといって、借りているアパート、マンションから当然に出て行かなければならないということにはなりません。

ただし、破産をする際に、アパート、マンションの賃料を何か月も滞納しているという場合には、そのことを理由として出て行かなければならない、という可能性はあります。

感覚的な話で申し訳ないのですが、5か月以上賃料を滞納している場合には、大家さんからの解約が認められやすいのではないかと思っています。

弁護士石川の個人的な話~人間ドックを受けてきました&お盆休みのお知らせ

2025-07-31

人間ドックの渡り鳥

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

早いもので明日から8月に入ります。

昨日は日本国内の過去最高気温が更新されたようですが、皆様熱中症にお気をつけてお過ごしいただきたいと思います。

さて、今週月曜日のことですが、人間ドックを受けてきました。

今年40歳になり、ますます健康に気を付けなければいけないと思っているのですが、人間ドックは今年が初めてではありません。

私石川は、35歳から人間ドックを受けております。

最初は、ふるさと納税で人間ドックが受けられるということで、浜松市にある某病院で人間ドックを受けました。

人間ドックは、大抵朝の8時半や9時から始まるため、かなり早い時間の新幹線で浜松市の病院へ向かった記憶があります。

人間ドックでは、ドックを受けた後に、各院独自のリフレッシュサービスがあることが多いと思います。

浜松の病院では、管理栄養士による美味しいお食事(確か牛ほほ肉の煮込みのようなもの)が提供されました。

その翌年、同院での人間ドックは、ふるさと納税から無くなってしまいました。

そのため、伊豆市にある某病院の人間ドックをふるさと納税で受けてきました。

同院も静岡市から相当距離があり、朝かなり早い時間に自宅を出て、高速に乗って向かいました。

こちらの病院では、人間ドック後に温泉に入れるということでしたが、その時期はそれなりに忙しく、温泉には入らずに帰ってきました。

その翌年はかなり色々とバタバタし、人間ドックを受けられませんでした。

一昨年はふるさと納税ではなく、初めて自費で人間ドックを受けました。

1回5万円くらいして、こんなに高いのかと驚きました。

一昨年と昨年は、静岡市内の同じ病院で人間ドックを受けました。

同院を選んだ理由は、人間ドック後に、同院近くのショッピングセンターで使えるお食事券で昼食を食べることができるというサービスが付いていたためです。

私はそこでマクドナルドを食べることを楽しみにして、まずいバリウムを頑張って飲んでいました。

↑ 一昨年の人間ドックを受けた日の昼食

初めてバリウムを飲んだのは、35歳の初回のときでしたが、技師さんが3口飲んで下さいと言うので、3口だけでいいのかとちょびちょびと飲んだら、その後、結局全部飲み切らなければならないということで、かなりショックを受けました。

今年はもう人間ドック5回目ですので、「3口」の段階からバリウムをがぶ飲みし、「3口」終わった時点で、バリウムは残り4分の1くらいになっていました。

最初にたくさん飲んだ方がまずい時間が短く感じ、良いように思います。

バリウムの他に、胃カメラという選択肢がある病院も多いと思いますが、私は25歳のころに胃カメラも経験済みです。

それこそ悪夢のような二回試験の直後のことでしたが、口から入れるタイプの胃カメラでした。

胃に空気を送られ、ゲップしたいのに我慢しろと言われ、それでもゲップしちゃうもんだからまた空気を送られ、すごく辛かった記憶があります。

そのため、どうしても「バリウムの代わりに胃カメラ」に踏み切れないのです。

話は戻りますが、今年は、昨年一昨年とはまた別の病院で人間ドックを受けました。

お食事券が使えるショッピングセンターが改装中で、マクドナルドが食べられなかったからです。

それで、どこか適当なところを、と探していたら、初めて人間ドックを受けた病院の、静岡院に落ち着きました。

今年の人間ドックは再検査なし

今回の人間ドックの結果には、「前回の結果」として2019年当時のデータが印字されています。

実に6年前の検査結果なのですが、今回の結果は、当時とほとんど変わりはありませんでした。

6年前は週3でジムに通い、一回1時間以上のランニングと筋トレをしていたにもかかわらず・・・。

6年前との違いといえば、LDLコレステロール値がちょっと上がったことと、血糖値がちょっと上がったことくらいでしょうか。

腹囲や体重は、6年前より下がっていました。

その他の数値も異常なしで良かったです。

昨年はLDLコレステロール値が基準値を超えてしまい、再検査となったのですが(再検査ではギリギリ基準値内)、今年はさらに下がっていました。

LDLコレステロール値にしても、血糖値にしても、食べてすぐ寝る生活習慣が影響しているようでした。

私は、朝5時ころ起きることが多く(起きて同時に仕事を始めるのですが)、8時過ぎには眠くなってしまい、どうしても夕食を食べてから寝るまでの時間が2時間以内という日が多くなってしまいます。

これが改善できれば、両数値も下がるのでしょうが、夜は絶対仕事をしない(というか、できない。集中力がもたない)ので、やはり朝型でやっていくしかないのかなぁ、と思っています。

今後も健康に気を付けて、仕事に励みたいと思います。

2025年お盆休みのお知らせ

石川アトム法律事務所では、8月9日(土)から8月17日(日)までお盆休みをいただきます。

同期間に事務所にお電話をいただきましても、応答できかねますので、何卒ご容赦ください。

なお、顧問会社様におかれましては、従前どおり何かございましたら、当職の携帯電話宛てにご連絡をいただければと思います。

静岡法律事務所様 創立40周年おめでとうございます

2025-07-21

静岡法律事務所様と弁護士石川アトム

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

梅雨が明け、静岡市内の小学校でも夏休みが始まり、皆様いかがお過ごしでしょうか。

昨年に比べると、今年の夏は、まだ許容できる暑さかなという感じがします。

これくらいの調子で9月までいってくれるといいのですが、どうでしょうか。

さて、今年の7月4日に、静岡市内の某宴会場にて、静岡法律事務所様(以下敬称略にて失礼します)の創立40周年を祝う記念パーティーがあり、私もそのパーティーにお招きいただきました。

静岡法律事務所は、私が弁護士になって初めて入所した法律事務所であり、私が弁護士登録をした2010年12月から2022年10月まで約12年間所属していた法律事務所です。

私が弁護士になった2010年、静岡法律事務所には私を含め9名の弁護士が在席しており、静岡法律事務所は、当時から静岡県内最大級規模の法律事務所でした。

私は、所属している弁護士の人数が多く、色々な事件を見ることができるであろうこと、司法試験の選択科目として労働法を選択しており、弁護士になった後は労働事件を取り扱ってみたいと思っていたことから、静岡法律事務所への就職を希望しました。

当時は、新司法試験がスタートして5年ほど経ち、私が司法試験を受けた当時は、現行司法試験(いわゆる「旧司法試験」)も並行して行われており、司法試験合格者が急増していました。

そのため、当時は、就職先を見つけるのが比較的大変な時期でした。

私は、幸いにして、静岡法律事務所から内定をいただくことができました。

司法修習の卒業試験である「二回試験」に(主観的には)危うく落ちそうになり、静岡法律事務所の先生方に何と言ったらいいのだろうかと真剣に悩む日々が続きましたが、何とか二回試験も無事合格し、2010年12月から、静岡法律事務所にて、弁護士としての第一歩を踏み出すことができました。

弁護士石川が二回試験に落ちかけたエピソードについてはこちらのブログをご覧ください。

「不夜城」と言われていた静岡法律事務所

弁護士1年目はとにかく忙しかったです。

私はまもなく弁護士満15年となりますが、1年目の忙しさは、弁護士15年の中でも1位か2位を争うほどだったという「感覚」があります(実際には今の方がよほど忙しいのかもしれませんが)。

当時私は独身でしたし、25歳でしたし(あの頃は若かった!!)、だいたい朝の9時に事務所に来て、夜の7時か8時まで仕事をして帰るというスタイルだったように記憶しています。

静岡法律事務所には、雇われ弁護士(いわゆる「いそ弁」)は存在せず、1年目であっても、各弁護士が自身の判断により、何時に来るか、何時に帰るか、いつ休むかを決めることができました。

現在でもそうだと思いますが、とても自由な事務所です。

静岡法律事務所に入って1週間も経たないころだったと思いますが、先輩方から、「あまり最初から頑張ると疲れちゃうよ。」、「付き合い残業はしなくて大丈夫だよ。」などというお声掛けをいただきました。

当時の静岡法律事務所は(そう言っていたのは事務所の内部の人間だけかもしれませんが)「不夜城」と呼ばれており、24時間誰かしらは事務所にいて仕事をしているという状態でした。

私は15年前の当時も今も、朝9時ころに事務所に出て、日中働くスタイルで仕事をしていますが、当時の静岡法律事務所には、(もしかしたら現在もそうなのかもしれませんが)朝3時から事務所に来てお仕事をされる先生や、午後からお仕事を始められ夜中まで仕事をされる先生がいらっしゃいました。

皆様どうか、身体にはお気を付けていただきたいと思います。

静岡法律事務所の事務所旅行

静岡法律事務所では、私が在籍していた期間中、コロナ前には事務所旅行があり、色々なところに旅行に行きました。

私が入所した年は、何かの都合で、事務所旅行が1年のうちに2度もあり、鳥羽と大阪に行きました。

私が幹事を務めたときには、私の出身大学がある仙台へ行きました。

予算的に、新幹線代がかなりの部分を占め、ホテルは質素なビジネスホテルでしたが、日本三景の松島や、瑞鳳殿や青葉城趾など、仙台や宮城県の魅力を堪能した旅行でした。

創立30周年の記念として、台湾にも旅行に行きました(その一部を前回のブログでご紹介しています)。

私は、旅行は一人で行く派で、友だち(彼女は除く)と旅行に行ったことは、友だちが下宿先に遊びに来たときのことを除くと1度しかありません。

しかし、静岡法律事務所での旅行は楽しく、こういう旅行もあってもいいなと思いました。

静岡法律事務所は、私と同い年です。

創立50周年のときに、またパーティーにご招待いただけるよう私自身も健康に気を付け、仕事を頑張りたいと思います。

静岡法律事務所のますますのご発展を祈念して、本ブログの締めとしたいと思います。

弁護士石川の趣味の話~アメリカの大学生が我が家にホームステイに来てくれました

2025-07-11

アメリカ・ネブラスカ州からのお客様

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

6月中旬からこの間の日曜日までの2週間、当家に、アメリカ・ネブラスカ州の大学に通うJくんがホームステイに来てくれました。

子どもが生まれたときからか、家を建てたときからか、我が家でホームステイをしてもらうということは、私の夢、目標の一つでした。

しかし、第一子が生まれた翌月には、日本でも新型コロナウイルスが猛威を振るうようになり、ホームステイどころではない状況に陥ってしました。

それから5年半が経ち、上の子も年長となり、保育園でも英会話の授業を受けています。

今年の4月ころ、ネットで「ホームステイ受入・静岡」などと検索したところ、今回のホームステイ受入募集を見つけ、応募したという経過です。

我が家がホストファミリーになったのは、今回が初めてで、基本的に私以外は英語をしゃべることはできません(私自身も「流暢」にはほど遠いレベルですが)。

妻がしゃべると、「This my father」(写真を見せながら、これがお義父さんだと紹介している場面)のような感じになりますが、言いたいことはそこそこ通じるようです。

Jくんがホームステイを始めて1週間くらいしたころ、妻が、「私、英語がうまくなっている気がする!だって通じてるもん。」と言い出しました。

私がそれをJくんに伝え、さらに、「それは妻の英語力が向上したのではなく、Jくんが、妻が何を言いたいのか理解する能力が向上したのだと思う」と伝えたところ、大変ウケました。

↑ 彼の同意のもと、写真を掲載させていただきます。

Jくんは、とても礼儀正しく、優しかったです。

Jくんは、日中は常葉大学で授業を受け、夕食の時間に帰ってくるという感じでした。

金土で広島に旅行に行ったりしていたので、日々の「ホームステイ」時間は、それほど長かったようには感じませんでした。

Jくんとは焼肉やラーメンを食べに行ったり、家でご飯を食べているときに色々なお話をしたりしました。

Jくんから出た最も鋭い質問は、「憲法9条を維持すべきだと思うか。」というものでした。

その日の授業で、憲法9条の話が出たそうです。

Jくんからは、フードスタンプやオバマケアの話など、アメリカの社会福祉関係の話も聞けたりして、とても勉強になりました。

子どもは子どもで、Jくんと花火をしたり、オセロをしたりして遊んでもらっていました。

Jくんにも日本文化の一部を知ってもらい、楽しんでもらえたのであれば、とても嬉しいです。

我々家族一同、2週間、Jくんととても楽しい時間を過ごさせていただきました。

来年も同じようなホームステイがあるのであれば、また手を挙げさせていただきたいと思っています。

私が英語の勉強を始めたきっかけ~静岡法律事務所時代の台湾旅行

このように我が家で、ホームステイの学生を受け入れたのは、私の趣味が英会話でもあるからです。

私が子どもだったころ、英語は中学校からでしたが、私が本格的に英会話をやってみようと思ったのは、今から10年ほど前のことです

当時私は、静岡市内にある静岡法律事務所という法律事務所に所属していました。

2015年、静岡法律事務所は創立30年を迎え、その記念行事として、台湾へ事務所旅行に行きました(ちなみに、つい先日、静岡法律事務所は創立40周年を迎えまして、その祝賀会にお招きいただきました。大変おめでとうございます。そしてありがとうございました)。

私たちは、台北の市街地にホテルをとり、台北や九份などの観光地を巡りました。

↑ 千と千尋の神隠しのモデルにもなったと言われている九份です。

台湾旅行での“苦い”思い出

私は、台北に着いたその日から、毎日現地のスターバックスコーヒーに行っていました。

私が主に行っていたのは、許昌南陽店だったと思います。

同店では、店員さんから、私が背負っていたリュックのチャックが空いていると、英語で言われたのですが、全く理解できませんでした。

台北滞在中、私はスターバックスコーヒーに通い続け、3、4回、「ホットコーヒーをください」と英語で言ったのですが、ほとんど通じませんでした。

今思えば、カタカナ英語の「ホットコーヒー」なので、通じないのも仕方が無いと思いますが、そもそも“coffee”は“hot”を付けなくても、普通熱いものを指すようです。

さて、台湾最終日の朝、私は、スターバックスコーヒーの紹興店に向かい、店員さんに、精一杯の発音で、「Hot coffee, please.」と言いました。

しかし、店員さんから出てきた言葉は、「ホットですか、アイスですか。」という日本語でした。

聞き返されるだけならまだしも、日本語で聞き返されました。

これは私にとって大変ショックな出来事で、このとき私は、英会話を勉強したいと初めて真剣に思ったのでした。

その後、実際に英会話を始めたのは、3年ほど後のことになります。

今から3年ほど前に一度英語を勉強するのを止めようかと本気で考えたことがあったのですが、踏みとどまって何とか続けています。

今年の目標は、18年ぶりにTOEICを受けることですが、それ以前に、今年分の人間ドックの予約を取らなければと思っています。

個人の自己破産申立てのための準備~その5 またまた通帳に関するお話3

2025-06-30

自己破産申立ての準備における通帳の重要性~破産者の財産把握の観点から

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

明日から7月ということで、暑い季節になってきました。

今週の静岡は雨模様ですが、今年の夏は、例年より梅雨明けが早くなるかもしれないようです。

皆様、熱中症に気を付けつつ、お過ごしいただければと思います。

さて、個人の方を対象とした自己破産申立ての準備に関するブログの第5弾です。

過去2回のブログでは、いずれも預金口座の通帳に焦点を当てたお話をしてきました。

今回は、その通帳のお話の第3弾です。

自己破産手続の準備において、通帳が持つ意味は非常に大きいのです。

破産手続というのは、本来、破産者(依頼者)が持っている財産を現金化して、債権者に平等に分配する手続です。

個人の自己破産申立ての場合、多くのケースでは、分配できるほどの財産がないため、破産手続は、始まると同時に終了という形を取ります(「同時廃止」(どうじはいし)といいます)。

しかし、本来、破産手続は、破産者の財産を分ける手続であり、破産手続が始まった後に、破産者の財産が現金化され、分配されていきます。

破産手続が同時廃止により終了するかどうかは、自己破産を裁判所に申し立てる時点である程度予想が付きますが、裁判所による審査を経た後に正式決定されます。

また、個人の自己破産の場合、自己破産が可能であるのは、申立人(依頼者)が、これからも継続的に債務を弁済することができません、という状態にあることが言える場合です。

これからも継続的に債務を弁済することができない状態にあるかどうかの判断にあたっては、申立人の資産状況が重要です。

これらの観点から、裁判所に自己破産を申し立てるにあたっては、申立人の資産について、可能な限り正確な情報を裁判所に提供する必要があります。

この観点からも通帳は非常に重要です。

自己破産にあたって裁判所に報告する必要がある資産の内容

破産手続を申し立てる際には、裁判所に対して、可能な限り正確に、申立人の資産状況を報告する必要があります。

裁判所に報告すべき「資産」は、基本的には申立人が保有している資産のすべてということになりますが、もう少し具体的に言いますと、少なくとも以下のようなものについては裁判所にその存在を報告する必要があると考えられます。

  • 現金
  • 不動産(土地建物、その不動産に価値があっても無くても、です)
  • 預貯金(通帳や入出金明細を2年分ご用意いただきたいということについては以前のブログで申し上げたとおりです)
  • 保険(生命保険、医療保険(共済も含みます)、個人年金、自動車保険、火災保険・地震保険、家財保険、ペット保険など)
  • 自動車
  • 株式、仮想通貨、Fx、社債

通帳から読み取れる資産の内容

申立人(依頼者・相談者)がどのような資産をお持ちであるのかは、申立人ご自身が一番よくお分かりだと思いますので、まずは、申立人から、お持ちの資産について聴取をします。

ただ、ご自身の資産であっても、うっかり伝え忘れたり、計上漏れしたりするということは間々あります。

通帳から読み取れる資産として、最も顕著なものは、おそらく保険であろうと思います。

通帳から、「○○保険」の引落しがあれば、申立人がその保険に加入していることが強く推認できます。

また、現在はその保険に加入していないとしても、直近1年以内にその保険を解約していたとすれば、解約時に保険金の戻りがあったかどうか(解約返戻金(かいやくへんれいきん)が発生したかどうか)を裁判所に報告する必要があります。

また、最近の自己破産申立てで比較的多く見かけるのは、通帳から、ネットの証券会社の引落しや、仮想通貨やFxを取り扱う会社の名前での引落しです。

仮想通貨やFxを取り扱う会社の引落しに関しては、現在の残高は0円であること(投入した金額は全て損してしまった)が多いように思いますが、通帳上、仮想通貨やFxの入出金があれば、その残高があるのかどうか、あるのであればいくらあるのかが、破産手続上当然に問題になってきます。

仮想通貨やFxで損をした金額によっては、射幸行為として、免責不許可事由(破産を申し立てても負債を0にするべきではないとして法律上定められている事情)への該当性も問題になってきます(免責不許可事由については、こちらの記事をご覧ください)。

このように、通帳の記載は、自己破産を申し立てる際に、申立人がどのような資産をお持ちであるのかについて、裁判所に可能な限り正確な情報を提供する、という観点から非常に重要です。

当事務所では、自己破産の申立てにあたり、通帳上の記載について、かなり細かく聴き取りを行っていますが、興味本位で聴き取りをしているわけではなく、上記のような目的のため聴き取りを行っているのです。

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