個人の自己破産申立てについて~その4 通帳に関するお話2

自己破産申立てのための準備~通帳の一括記帳にご注意ください

皆様、こんにちは。弁護士の石川アトムです。

6月も後半に差し掛かっていますが、一昨日静岡市では最高気温37℃超えとなりました。

昨年は7月の上旬に、静岡市で40℃を記録した日がありました。

今年も同じように暑くなるのでしょうか・・・。

皆様、熱中症にお気を付けいただければと思います。

さて、今回は、個人の方を対象とした自己破産申立ての準備に関するブログの第4弾です。

前回のブログでは、冒頭で、通帳についてのお話を始めておきながら通帳レス口座のお話から裁判手続のオンライン化の話へと脱線してしまいました。

今回は再び通帳のお話です。

前回のブログで、お持ちいただきたい通帳について、2年分をお願いします、というお話をしました。

2年分の通帳をお持ちいただくに際してご注意いただきたいことがあります。

通帳を長い間記帳していないと、その期間に記帳されるはずであった個々の入出金が、「入金○件 ××円 出金○件 ××円」などというように、一括して記帳されてしまい、個々の入出金の内容が記載されないことがあります。

自己破産の申立予定日から2年以内に、通帳にこのような状態の記載がある場合(一括記帳のページがある場合)、一括記帳されている期間の入出金履歴を、銀行の窓口で発行していただく必要があります。

自己破産申立てにおける通帳の重要性

さて、これまでくどくどと、2年分の通帳を持って来てください、というお話を繰り返してきました。

これほどくどくどと、2年分の通帳を持って来てください、と言うのには、もちろんちゃんとした理由があります。

個人の方にとって、自己破産申立ての手続というのは、今抱えている借金を今後も継続的に支払っていけないこと(「支払不能」といいます)が明らかであるので、その支払いを免除してください、という申請をする手続です。

個人の場合には、会社の破産申立ての場合と異なって、「債務超過」=負債の金額が資産の金額を上回っている状態であることを理由として破産を申し立てることは認められていません。

したがって、自己破産をするためには、まず、今抱えている借金をこれからも支払っていくことは不可能です、ということを裁判所に分かってもらう必要があります。

そのために、通帳の入出金というのは非常に有用です。

もちろん、1月あたりの家計の収入と支出の状況を説明する書類(1か月単位の家計簿のようなもの)と組み合わせて、ということになりますが、通帳上、相当多額な給与が振り込まれていることが明らかである場合、そもそもこの人は、破産申立てを行うための条件である「支払不能」に当たるのか、という疑念を生じさせるでしょう。

通帳の重要性~生活実態との関係

先にもご紹介したとおり、静岡地方裁判所へ自己破産を申し立てるにあたっては、申立人(相談者)の家計全体の収入と、支出の状況を1月ごと記載した書類(私はこの書類のことを「家計収支表」と呼んでいます)を2か月分出す必要があります。

なお、またしても余談ですが、個人再生を申し立てる場合には、3か月分の家計収支表を提出する必要があります。

個人再生手続において、自己破産よりも長期間の家計収支表の提出が求められるのは、個人再生手続においては、3年から5年という長期間にわたって、認可された再生計画を履行することができるかどうか、という判断を行うためと考えられます。

話を元に戻しますが、破産手続を申し立てるに当たっては、裁判所に2か月分の家計収支表を提出する必要があります。

その家計収支表には、1月単位で、世帯構成員の各収入金額と、世帯全体の支出を記載します。

支出には、住居費(住宅ローン、アパート賃料等)、水道光熱費、食費、電話料金などなど、様々な項目があります。

当事務所では、家計収支表は、まず依頼者に記載してもらいますが、裁判所に提出する際には、必ず弁護士(私)が内容をチェックします。

ここで大変役に立つのが通帳です。

家計収支表のお給料の金額や住宅ローンの金額が、実際の収支と異なっていたり(その多くは、家計収支表では数字が丸められている場合です)、通帳上出金が確認できるウォーターサーバーや有料テレビ契約の支出が家計収支表に記載されていなかったり、そういったことを通帳から確認することができます。

このように、通帳は、より正確な家計収支表を作成するうえでかかせないアイテムです。

個人的な感覚ですが、ウォーターサーバーの支出記入漏れというのは、結構多いように思います。

また、私は現時点では飲料水に特段のこだわりは無いのですが、意外と多くの方がウォーターサーバーをレンタルされているんだなぁと驚いています。

またまた余談で恐縮なのですが、私が弁護士を始めたころ(15年前)は、依頼者の通帳に、WOWOWやスカパーの引落しが記載されているということがそれなりの頻度でありました。

しかし最近は、そういった有料放送の引落しを見る頻度が減り、他方で、Netflixであったり、Amazonプライムであったり、そういったインターネットを利用した配信サービスの契約を見ることが多くなりました。

破産手続にも、時代の移り変わりが現れているんだなぁと思いました。

当事務所では、お借り入れ、負債に関するご相談は初回無料で承っております。

また、法テラスを利用して自己破産を申し立てることも可能です。 借金の支払いでお困りの方、ぜひ一度当事務所にご相談ください。

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