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大手法律事務所の新年会でのドン引きな挨拶
皆さん、こんにちは。弁護士の石川です。
前回のブログから、弁護士になるための就職活動についてお話をしてきました。
また、東京の大手法律事務所で、「サマクラ」というものがあり、それに参加したときのことをご紹介しました。
今回は、そのサマクラ後に行われた新年会のことからお話しします。
私は、某大手法律事務所のサマクラに、ロースクール1年目の夏休みに参加したのですが、同事務所から、その翌年の1月に新年会をやるということで、ご案内をいただきました。
場所は、京都の某高級ホテルでした。
今考えると、めちゃくちゃ忙しい中、学生との新年会のために東京から多数の弁護士がやってくるということ自体、大手事務所の新人弁護士リクルートに対する並々ならぬ意欲を感じます。
さて、その新年会には、同じロースクールから多数の生徒が出席しました。
1次会は、テーブルに着座したコース形式のお料理でした。
冒頭、弁護士の先生が、冗談交じりに「皆さんには、司法試験合格後は、うちの事務所で働いていただくと思いますが、」などと挨拶され、笑いが起きるなど和やかな雰囲気でした。
その後、ロースクール生全員が一言ずつ挨拶をしました。
特定のロースクール生だけがマイクをもって挨拶するということはなかったはずで、私も何かしらの挨拶をしたのだと思いますが、自分の挨拶は全く覚えていません。
しかし、同じクラスの某ロースクール生がした挨拶は衝撃的でした。
いきなり「私は弁護士にはならないのですが」と切り出したのです。
マンガなんかで、コマ全体に「ピシッ」とヒビが入るような表現があると思いますが(古いでしょうか)、そんな感じの、コンマ何秒かの真空状態がありました。
「えっ、何言ってんの?」「じゃあ、どうしてあなたは今日来たの?」と、その人以外の会場にいた全員が思ったことでしょう。
この方は、大変優秀ま方で、最終的に、京都大学ロースクール3期生の中で、3本の指に入る成績を修められた方です。
普段は穏やかな、割合のんびりとした雰囲気の方だったので、まさか、あの場で、あのような挨拶をされるとは思っていなかったので、大変衝撃的でした。
しかし、あの場でああいうことを言えちゃうところが、ある意味、我々凡人とは違うということなのかもしれません。
司法試験受験後のサマクラ
法科大学院を卒業し、司法試験を受験した後にもサマクラがありました。
この時期のサマクラは、大阪の大手法律事務所(こちらも「(大阪の)四大」などと呼んでいました)で実施されたものでした。
私は、司法試験に限らず、受験関係で、合格発表を待っているということがとても苦手です。
このブログを書いていて思い出したのですが、これまで受けてきた試験の中で、受かると思って受かった試験は一つもありませんでした。
高校受験も、大学受験も、法科大学院の受験も、司法試験も、二回試験も、全てです。
逆に、唯一と言ってもいい、「これは受かっただろ」と思った、某私立大学の大学受験には落ちました(笑)
私が受けた司法試験の場合、5月に受験をし、合格発表は9月でした。
そんな長い期間を、ただひたすら「待つ」などということには、とても耐えられません。
そういう意味もあって、大阪の大手法律事務所が実施しているサマクラに2つ参加することにしました。
大阪のサマクラも、内容は東京のサマクラと同様で、事務所や弁護士が違うだけかと思っていました。
東京の法律事務所では、全体像が全く見えない案件の、何かしらの判例検索や条文解釈の補助をしていました。
これに比べると、大阪の法律事務所では、刑事事件の弁論要旨(刑事裁判で弁護側が行う最終意見陳述)の起案であったり、相続事件の法律相談に立ち合ったりと、大手でありながら、割とマチ弁的な事件を見せていただくことができました。
大手でもこういう事件を扱うことがあるんだなと、そういう意味でも大変参考になりました。
「この店は焼きそばが美味しいんだよ」
2つの大阪の事務所のサマクラでも、お昼ご飯や、夜の会食が多く設けられていました。
その中の一つですが、水谷豊氏に似たダンディーな先生とお昼をご一緒させていただいたことがありました。
その際、中華料理屋さん(というよりは、ラーメン屋さんでしょうか)に行きました。
その先生は、「この店は焼きそばが美味しいんだよ」とおっしゃったのですが、私は、焼きめしが食べたかったので、「焼きめしが食べたいです」と言いました。
しかし、再度その先生が、「この店は焼きそばが美味しいんだよ」とおっしゃられたので、「じゃあ、焼きそばで」ということで、意見修正をしました。
あのやり取りも、今考えてみると、自分の意見を通す意思の固さを試していたのか、それとも、空気を読んだ対応を試していたのか。
あるいは、本当に、その先生が私に焼きそばを食べさせたかっただけだったのか(笑)
大阪の法律事務所でのサマクラの方が、1年目の先生ともたくさんお話をさせていただき、アットホームな印象を受けました。
両方ともとても楽しかった記憶があります。