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アメリカのロースクールで2週間の講義聴講
皆さん、こんにちは。弁護士の石川です。
マレーシア旅行のブログの中で、マレーシアでは、配車アプリGrabが浸透しており、同アプリでは、事前清算ができること、このアプリがあれば、アメリカのワシントンDCで、タクシーで誘拐されたと勘違いして、パニックになることもなかっただろうに・・・という話を書きました。
今回のブログは、その「勘違い」の件です。
私は、コロナ直前の2019年8月、ワシントンDCを訪れました。
当時、立命館大学ロースクールの主催で、ワシントンセミナーという、アメリカのロースクールで勉強をするプログラムがありました。
過去のものですが、ウェブサイトがありましたので、リンクを掲載させていただきます。
https://www.ritsumei.ac.jp/lawschool/washington_seminar/
当時私が所属していた静岡法律事務所の所長は、立命館大学のご出身で、そのプログラムに参加してみないかという話をいただいていました。
移動期間を含めると2週間以上の国外滞在が必要となり、長期日本を不在にすることに対する不安もありましたが、当時契約をしていた全ての顧問会社様から、同プログラムへの参加について許可をいただき、2019年の回に参加することを決めました。
本当は、(私の中では)同じ事務所の後輩弁護士とともに参加する予定だったのですが、ある事情により、彼は参加することができなくなってしまいました。
そのことは今でもとても残念に思っています。
このプログラムには私を含め4名の弁護士と10名ほどのロースクール生が参加していました。
このプログラムでは、1日2、3個の講義(全編英語)を受けたり、現地の弁護士事務所や裁判所を見学したりしました。
私のこれまでの人生の中で、最も楽しかった2週間であり、できることならば、もう一度参加したいと思っているイベントです。
私の参加をご快諾いただいた顧問会社の皆様と、つわりが苦しかったにもかかわらず、参加を許可してくれた妻には本当に感謝しています。
このときのことは、また別のシリーズとして、皆様にご紹介したいと思っています。
今回は、その番外編というか、おまけというか(本編より先なのですが)、ワシントンDC滞在中にニューヨークへ向かったときのお話です。
列車に乗ってワシントンDCからニューヨークへ
ワシントンセミナーの期間中、私たちは、ワシントンDCから少し離れたメリーランド州ベゼスタのホテルに滞在していました。
講義や見学があるのは平日で、土日はフリーとなっており、私はかねてから土日にはニューヨークに行ってみたいと思っていました。
ワシントンDCからニューヨークへは、電車で3時間ほどかかります。
事前に、始発のチケットを購入しておきました。
出発はワシントンDCのユニオンステーションですが、ニューヨーク行きの最も早い便に乗る場合、ホテルからユニオンステーションへ向かう地下鉄が動いていない、あるいは、始発でも間に合わない可能性がありました。
そこで私は、宿泊先のホテルのフロントに、土曜日の朝、タクシーを呼んでくれるように伝えていました。
恐怖のタクシー乗車体験
土曜の朝、タクシーが来て、私は、運転手に、ワシントンDC中心部にあるユニオンステーションに向かって欲しいと伝えました。
ユニオンステーションは、当時宿泊していたホテルから南東の方角にあります。
私は当然南東側へ向かうのだろうと思っていました。
ところが、タクシーは、発車早々、北側へ向かって走り出したのです。
私は、途中でどこかでUターンするのだろうと思ってしばらく静観していたのですが、タクシーは北へ走り続け始めました。
ちょっとおかしいと思い、運転手さんに、ユニオンステーションに向かっているんですよね、と尋ねたところ、運転手さんは、道路工事をしていて混んでいるから、別の道を通っているだよ、と答えました。
まぁ、そういうこともあるのかと思い、またしばらく乗っていたのですが、そのうち、タクシーは西側へ向けて走り出しました。
私は再度運転手さんに、駅に向かっているんですよね、と確認しましたが、運転手さんは大丈夫だと言うばかりでした。
仕舞いには、タクシーは高速道路ばりにビュンビュン飛ばす車ばかりの何車線もある道に入りました。
しかも、道路の隣は完全な森!!
グーグルマップを見てみると、タクシーは駅とは違う、完全に明後日の方向に向けて走っていることが分かりました。
青矢印の始点がホテルで、矢印の先が駅の場所です。
しかし、タクシーはルートから大きく外れ、青点の位置まで来てしましました。
ホテルから約10キロ、車で15分ほど走った状態です。
私は、誘拐されているものだと思い、パニックに陥りました。
運転手さんに、お願いですから、駅に向かって下さいと何度も懇願しましたが(まさに懇願でした)、運転手さんは、駅に向かっている、大丈夫と繰り返すばかり。
一時はタクシー会社に電話をしようか、タクシーから飛び降りようか、とも考えました。
全く、生きた心地がしませんでした。
そのうち徐々にタクシーは南下し、駅が近づいてくるとようやく安心できました。
結局タクシーは、ホテルから駅までGを書くように走ったのです。
当時、ワシントンセミナーのメンバーでグループLINEを持っていたのですが、そのLINEに、タクシーに乗ったら明後日の方向に連れて行かれたものの、とりあえず無事である旨を報告しました。
清算時にチップを支払う画面が表示されたのですが、0が無かったので、仕方なく1ドルと入力。
おそらくタクシーの運転手は、距離を稼ごうとして遠目のルートを通ったものと思いますが、本当に怖かったです。
香港でデパートの非常ベルを鳴らしてしまったり、ラスベガスで白昼堂々カツアゲされたりもしましたが、今回ご紹介した件が、これまで海外で一番ヤバいと思ったできごとでした。
このときGrabが使えていたら、距離稼ぎの運転のために、誘拐されたと勘違いすることも無かったでしょうに、ということで、以前のブログで言及した次第です。