司法修習のお話~その12 静岡での選択修習

選択修習とは

皆さん、こんにちは。弁護士の石川です。

前回のブログまで、静岡における司法修習(実務修習)の思い出についてお話をしてきました。

私が司法修習をしていた当時(14年前)の静岡修習では、民事裁判、刑事裁判、弁護、検察の4つの実務修習を終えると、選択修習を受けることになっていました。

選択修習とは、読んで字の如く、修習生が自分で何を学ぶかを選択することができる修習のことです。

先日、私は、弁護士会の担当者として、修習生に選択修習の説明をしてきました。

14年の歳月を考えると感慨深いです。

さて、私が修習をしていた当時、選択修習の期間は2か月ほどでした。

選択修習には、全国から参加者を募集する全国プログラム、各修習地の裁判所、検察庁、弁護士会が提供する個別プログラム、修習生が自ら修習する先を探してくる自己開拓プログラムという3つの種類があります。

ネットの情報ですが、最近の全国プログラムには、衆議院や参議院での修習もあるらしく、うらやましい限りです。

自己開拓プログラムは、修習生が修習場所を確保しさえすれば何でもOKというわけではありません。

裁判所から、そこで選択修習をしても良いという許可を得る必要があります。

選択修習を取り入れた現在の形の司法修習が始まってから現在まで、相当の期間が経過しており、現在では、全国プログラムや個別プログラムは相当充実していると考えられています。

そのため、自己開拓プログラムについては、昨今では、全国プログラムや個別プログラムが存在するにもかかわらず、なおその修習先で修習する必要性がどれだけあるのか、という観点から、裁判所が許可をしてくれるハードルは非常に高いという話もネット上で散見されます。

先ほど、私が修習を受けた当時は、選択修習の期間は2か月ほどあったというお話をしましたが、各プログラムは、プログラムによって1日限りであったり、2週間続いたりします。

全国プログラムや個別プログラムでは、修習可能な定員が決まっており、募集人数を超える修習希望者がいる場合には、修習希望者の中から抽選で選ばれた人だけが当該プログラムに参加することができます。

プログラムが入ってない日は、ホームグラウンド修習と言って、弁護修習のときにお世話になった弁護士事務所で修習をさせてもらうことになります。

私の場合は、あまりプログラムを選択しなかったので、ホームグラウンド修習の日がかなり多かったような記憶です。

裁判所、検察庁のプログラム

選択修習のプログラムは、裁判所や検察庁からも提供されます。

裁判官になりたい修習生は、裁判所のプログラムを積極的に選択することが多いと思います。

他方で、検察官になりたい修習生は、検察庁のプログラムを選択することが必須という雰囲気でした。

が、しかし!

確か、同じ静岡修習で検事志望だった修習生が検察庁のプログラムを希望せず、「おいおい、あいつ大丈夫か。」みたいな話があったように記憶しています。

その後、その人は無事任検できましたが。

私が修習生だった当時、裁判所の選択プログラムは、実務修習で足りなかった部分を集中的に補うというようなプログラムが複数ありました。

差押え、仮差押え、といった民事執行手続や民事保全手続に関する事件を重点的に扱うもの、破産事件を重点的に扱うものなどがありました。

これらの分野は弁護士にとっても非常に大切な分野ですし、今となってみれば、裁判官志望でなかったとしても、これらのプログラムを選択しておけば良かったと後悔しています。

テレビ局でのマスコミ修習

私が選択したプログラムの中で、非常に印象に残っているのが、マスコミでの修習でした。

同じ班のもう1人の修習生とともに、静岡県内の某テレビ局に1週間お世話になりました。

私は子どものころ、テレビ局のアナウンサーになりたいという夢を持っていました。

また、私は、子どものころ、修習先のテレビ局の夕方のニュースを毎日のように見ていました。

何と、私たちを指導してくださった担当者は、そのニュース番組でメインキャスターを務めていらっしゃった方でした!!

子どものころ憧れていた人から色々ご指導いただけるということで、マスコミ修習の冒頭から大変感激しました。

マスコミ修習では、様々な現場への取材に同行させていただきました。

小さいころの夢であった仕事の一端を見せていただき、大変貴重な経験をさせていただいたと思っています。

弁護士の立場からもう一度見てみたい刑事施設見学

刑事施設見学も大変勉強になりました。

警察署の留置施設や静岡刑務所の部屋を見せていただきました。

現在ではそのときの記憶が大分薄れてしまっていますが、刑事施設見学自体は、一般の方を対象にしたものもあるようです(私の母親が行ってきたような話をしていました)。

前回のブログの「共感力」ではないのですが、留置者の心情により寄り添うための手段として、刑事施設見学は大変有用であると思いますので、機会があれば、是非もう一度見学させていただきたいと思っています。

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