2024年弁護士石川が読んだ本~その2

夢枕漠さんの「陰陽師」シリーズ

みなさん、こんにちは。弁護士の石川です。

2024年も残り1月余りとなりました。

弁護士石川が2024年に読んだ本のご紹介、第2弾です。

歴史系の本として、最後のご紹介は、夢枕獏さんの「陰陽師」シリーズです。

クールな安倍晴明と、実直な源博雅のテンポの良い掛け合いが心地よい作品です。

こちらの本も、私が初めて読んだのは、高校生のときです。

私が高校生だったころ、安倍晴明を野村萬斎さん、源博雅を伊藤英明さんが演じた映画が公開されました。

そちらももちろん見に行きましたし、岡野玲子さんが描かれた漫画も読んでいました。

また、詳細は書きませんが、「陰陽師」は、私のスーパー黒歴史に深く関わる作品でもあります。

今年の夏ころになって、ふらっともう一度読んでみたいなぁと思い、フリマアプリで、全巻セットを買いました。

夢枕獏さん、中古の購入で申し訳ありません。

約25年ぶりに読み直したのですが、やはり面白いです。

1冊目の冒頭で、平安貴族が「あなや!」と叫ぶシーンが出てくるのですが、高校時代の古文の授業が懐かしく思い起こされました。

10月中、1週間に1冊ほどのペースで読み進めていました。

25年ぶりに読み直して、私が新たに気が付いたことは、「濡縁」(ぬれえん)です。

「陰陽師」シリーズでは、晴明と博政が、清明宅の濡縁で、庭を眺めながら酒を酌み交わすシーンが多々現れます。

「陰陽師」シリーズを最後に読んだのは、高校生のときでしたが、私の記憶と心の中には、きっとそのイメージへの憧れが強く残っていたのでしょう。

うちにウッドデッキが作られ、私が、夜、庭を眺めて酒を飲みたくなるのは、間違いなく「陰陽師」の影響でしょう。

「陰陽師」を読み始めた頃は、夜外で酒を飲むことができたのですが、さすがに最近は、寒くて夜外で酒を飲むことは難しくなってきました。

春は春で花粉が大変辛いのですが、早く暖かい季節にならないかと思っています。

「百舌」シリーズ

「陰陽師」シリーズを4冊一気に読んだあと、ふと書棚にある本に目が留まりました。

逢坂剛さんの「百舌の叫ぶ夜」です。

こちらの本は、10年前にTBSとWOWOWの共同制作でドラマ化された作品です。

ドラマが放送される前、TBSオールスター感謝祭で、香川照之さんが、「百舌です!」と連呼していた場面が印象的でしたが、とにかくドラマがめちゃくちゃ面白かったのです。

出演者の中でも、私は、長谷川博己さんの東和夫がツボでした。

当時、長谷川さんのことはあまり存じ上げなかったのですが、「チャオ~、倉木!」などと言って、ヘリコプターから降りてくる(去って行く?私の記憶に基づくものですので、間違ってたら申し訳ありません)シーンが非常に印象的で、「なにこの人、めちゃくちゃかっこいい!」と、ドハマリしたのでした。

さて、我が家の書棚に置かれていた「百舌の叫ぶ夜」は、実は購入後3年程度経過した本でした。

購入直後に数ページ読んだのですが、そのときは何か興が乗らず読むのを中断し、その後様々な本を買い込んだこともあってかなり寝かせてしまっていました(そういえば、昨年の今頃、年末に読むと宣言していた加賀恭一郎シリーズの最新作も結局まだ読んでいません・・・)。

このたび、何年かぶりに手に取って読み始めたのですが、まぁ何と面白いこと!

でも、何だろう、「あれ、この人物って死ななかったっけ?」みたいな、脳が混乱することが何回かありました。

「酒飲みながら読んでるからボケてたのかな」と思い、読み直すのですが、どう考えてもその人亡くなってる人なんですよね。

そういう混乱はありましたが、最後にはそういうことかと得心いたしました。

とても面白い本でした。

早速続編を購入。

こちらは、次項の「スカイ・クロラ」シリーズを読破した後、寝かせずに読み始めています。

「スカイ・クロラ」シリーズ

こちらは、キルドレ(killerとchildrenの合成語の趣旨と思われます)と呼ばれる、成長しない、戦争以外では決して死なない子どもを主人公としたお話です。

私がロースクールに通っていたころ、つまり17年ほど前に映画化もされた小説です。

私が当時この小説を読み始めたのは、いわゆるジャケ買いに近いもので、映画のポスターか何かで、主人公である草薙水素(くさなぎ すいと)を見たことがきっかけだったと思います。

草薙水素は、令和で言うところの地雷系とでも言うのでしょうか。

見た目はかわいらしいのですが、心に深い闇を持っています。

百舌の続編を購入しておきながら、記憶の彼方にあった「スカイ・クロラ」を引っ張りだし、またもや全6冊(中古)をネットで購入しました。

装丁が美しい本です。

11月は本を読むための時間がたくさん確保できたという事情もあるのですが、1か月のうちに全6冊を読破しました。

大変面白かったのですが、雰囲気は全体的に暗いですかね(いや、しかし、最後はハッピーエンドなのか・・・?)。

主人公が地雷系ですので。

ただ、私は好きです。

また、1回通読しただけでは、うまく物語がつながりませんでした(それでも面白かったのですが)。

1通り読んだうえで、もう一度最初から通読したら、なるほどそれはそういう関係だったのかと、作品がより楽しめるのではないかと思っています。

基本的に長編シリーズであるのに、最後の短編集で結末的なところが分かるというパターンの本は初めて読みました。

時間があれば、また読み直してみたいです。

今年の秋は、読書の秋でした。

10月中旬から11月末までの間に、「陰陽師」シリーズ、「スカイ・クロラ」シリーズ、「百舌」シリーズで、実に11冊も本を読みました。

これだけ読書の時間が取れるというのは、本当に幸せなことです。

逆に、10月中旬まではめちゃくちゃ忙しかったのですが、弁護士として、忙しいというのも、また有り難いことです。

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