このページの目次
隆慶一郎さんの「一夢庵風流記」
皆さん、こんにちは。弁護士の石川アトムです。
2023年もいよいよ残り20日余りとなりました。
私自身も、非常に重たい書類を何とか締め切りまでに書き上げ、今年の仕事の峠は越えたかなという感覚でおります(石川アトム法律事務所の年末年始のお休みについては、こちらの記事をご覧ください)。
さて今回は、弁護士石川が2023年に読んだ本の第2弾です。
早速ですが、私が今年読んだ本の中で、2番目に面白かった本は、こちらです。
隆慶一郎さんの「一夢庵風流記」です。
タイトルだけをぱっと見ると、一体どこで区切って読めばいいのだろうと思われるかもしれません。
「一夢庵風流記」は、戦国時代末期に存在した前田慶次(あるいは前田慶次郎)という男性の人生を描いた歴史長編小説です。
男性には、「花の慶次」の原作です、とご紹介差し上げるのが最も分かりやすいでしょう。
インターネットを検索してみたところ、どうやら「花の慶次」には、「花の慶次」単体の公式サイトがあるようでして、そのリンクを貼らせていただきます。
加賀百万石で有名な前田利家は、前田慶次の義理の叔父という関係にあたります。
前田慶次のやることなすこと、とんちが効いた天晴れな所業に胸がすーっとします。
まさに、痛快な小説です。
元々、この本の作者である隆慶一郎さんの「影武者徳川家康」を読んだことがあり、隆慶一郎さんの本で、面白そうなものはないかなと思っていたところ、「一夢庵風流記」という本があることを知りました。
歴史ものが好きで、痛快な小説をお読みになりたい方には、是非おすすめの一冊です。
隆慶一郎さんの「影武者徳川家康」
「影武者徳川家康」は、関ヶ原の合戦で、家康は死んでおり、以後の家康は、家康の影武者あった世良田二郎三郎が家康に成り代わっているという物語です。
関ヶ原前には、「ただの影武者」に過ぎなかった世良田二郎三郎が、家康の子である秀忠や、一部の徳川家重臣に、家康の死を伝えつつ、対外的には自身が家康であるとして振る舞い、用済みとなった自身を亡き者にしようとする秀忠とどのように対峙していくかというストーリーです。
文庫版は、上中下3巻で1800ページを超える大作ですが、「一夢庵風流記」と同様に、さらっとした口当たりの本で、サクサク読めてしまいます。
「影武者徳川家康」は、同名のテレビドラマを見たのがきっかけで、中学のころに読みました。
それから24年経って、昨年何となくもう一度読んでみたいと思い、1800ページを一気読みしました。
こちらも是非お薦めしたい一冊(三冊)です。
東野圭吾さんの「ラプラスの魔女」
言わずと知れた東野圭吾さんですが、今年私が読んだのは、「ラプラスの魔女」とその前日譚にあたる「魔力の胎動」です。
これらの2冊は、羽原円華という少女が主人公となっている小説です。
羽原円華には、気候状況や物や人の動き方について膨大なデータを学習し、今後の天気を物理法則に基づいて極めて正確に、かつ、緻密に予測したり、気体を含む物や人の動き方を予測したりすることができるという特殊能力を有しています。
「魔力の胎動」で出てくる例で言えば、天候を予測していつのタイミングで飛ぶのがスキージャンパーにとって最も良い風であるかといったことや、ナックルボールの軌道を計算して適確に捕球したりすることができる、ということです。
同じ東野圭吾さんの作品でも、ガリレオシリーズでは、湯川博士が色々と試行錯誤を重ねて実験をしていると思うのですが、羽原円華は、いわば、「秒で」答えを出してしまいます。
スーパーコンピューター富岳のような感じでしょうか。
先に小説の帯を見てしまったからかもしれませんが、小説を読んでいる最中の羽原円華のビジュアルイメージは、そのまんま、広瀬すずさんでした。
このシリーズでは、今年の3月に「魔女と過ごした七日間」という新作が公刊されています。
「ラプラスの魔女」も「魔力の胎動」も文庫本を買ったので、できれば文庫本が出るまで待ちたいのですが、多分我慢できずにハードカバーを買ってしまうでしょう。
その良い例が、東野圭吾さんの加賀恭一郎シリーズです。
加賀恭一郎シリーズは、司法修習生のときにドラマ「新参者」を見て、そのシリーズを知り、第一作の「卒業」から第七作の「赤い指」までは文庫本を購入していました。
しかし、「新参者」以降は、中古ですが、ハードカバーを購入しています。
「新参者」が文庫本化されたのは、ハードカバーの発売から4年後で、その後も文庫本化には概ね3年がかかっています。
そんなに待てません!!
というわけで、今年の9月発売の加賀恭一郎シリーズ最新作「あなたが誰かを殺した」を楽天ラクマで購入してしまいました。
年末年始のお休みに読もうと、今からとてもワクワクしています。